避難計画策定へ夜間訓練 高田松原花火実行委 大会時の津波発生想定し(別写真あり)
令和8年8月22日付 7面
10月11日(日)に陸前高田市高田町の高田松原運動公園で花火大会「高田松原花火2026」を開催する高田松原花火実行委員会(大坂智央委員長)は、大会開催中の津波発生を想定した避難計画の策定を進めている。今月20日には、防災の有識者らなどの市民ボランティアとともに、花火打ち上げ時間の夜間に会場から高台への避難訓練を実施。徒歩で避難路を移動した参加者からは、さまざまな気づきや意見が寄せられ、同実行委では、計画策定をはじめとした安心、安全な大会運営に万全を期す。(菅野弘大)
花火大会の会場となる同公園は、市の津波ハザードマップで津波警戒災害区域に指定されており、津波警報発令時の避難対象区域にもなっている。同実行委では、大会開催にあたり、同市にゆかりのある防災士などの協力を得ながら、有事の際に来場者の安全を確保するための津波避難計画の策定に取り組んでいる。
避難訓練は、高台への避難ルートの中で、実際に歩いてみなければ分からない危険箇所や夜間の避難で時間がかかる場所、要配慮者の避難における課題などを確認しようと実施。同実行委や大会の協力団体のほか、事前に募集した市民有志ボランティアら約30人が参加し、同公園から4班に分かれて、高台にある指定緊急避難場所の高田高校、夢アリーナたかたまで徒歩で移動した。
大会当日は、会場内に広く観客席、エリアが設けられているため、どの位置から避難行動を開始するかも想定し、四つのルートで避難を行った。各班は、公園内の野球場側のシンボルロード、サッカー場側の道路、のり面の階段などを使って避難対象区域との境目である県道38号線を目指し、そこからそのまま夢アリーナに向かう班と、光照寺や陸前高田斎苑を通って高田高に向かう班に分かれ、道中の注意箇所を確認した。
参加者の数人は、市社会福祉協議会の協力で用意された要配慮者キットを体に装着し、介助者役も設置して体の不自由な人の徒歩避難を検証。いずれの班も30分ほどで避難場所に到着し、訓練終了後は夢アリーナで振り返りを行った。
各班からは「街灯が少なく、暗い」「暗闇で足元が見えず、段差や側溝が危険」「高台に上がる道が分かりづらい」といった意見が寄せられた。訓練には、防災における有識者も参加しており、防災士の佐藤一男さん(60)は「明かりを確保するためにスマートフォンのバッテリーは残しておきたいし、何千人という人が一気に避難することで、途中で休めず熱中症などの体調不良になる心配もある。被災したまちだからこそ『さすが』と言われるような避難計画をお願いしたい」と話した。
東日本大震災後の陸前高田市民との交流から防災士資格を取得し、一昨年に防災イベントの監修やコンサルティングを手がける会社を立ち上げた古島真子さん(36)=神奈川県茅ケ崎市=は、同実行委から依頼を受けて避難計画の策定に関わる。「地元の防災に詳しい方々にも参加いただき、多くの気づきを得られた。陸前高田に初めて来る人たちに避難経路などをどう伝えるかを考えながら進めていきたい」と見据える。
同実行委では今後、訓練で出された意見も踏まえて内容を検討し、避難計画を策定後、チケット発送や公式ホームページなどで周知する見通し。同実行委の石川織枝副委員長(41)は「避難の大切さを知っている市民の方々からいただいた意見をブラッシュアップし、安心安全な大会運営につなげたい」と意気込む。






