炎と明かりに故人しのぶ 伝統の盛川灯ろう流し 気仙の夏締めくくる(別写真あり)
令和8年8月22日付 1面
▲ 火をともした灯ろうを盛川の河川敷に並べ、住民が故人をしのんだ
大船渡市盛町の伝統行事「盛川灯ろう流し」は20日夜、盛川河川敷で行われた。集まった住民らが亡くなった家族の名が書かれた灯ろうやおたき上げの炎を眺め、静かに故人をしのんだ。
灯ろう流しは地元の吉野町公民館(鈴木仙三館長)が主催し、旧暦で送り盆にあたる日に合わせて実施。100年以上続くとされる行事で、気仙の夏を締めくくる風物詩となっている。
権現堂橋たもとの河川敷に設けられた会場の中央には、震災物故者の冥福を祈る木製の仏塔「三重の塔」が置かれ、読経が流れる中で住民らが手を合わせた。
この日は盛川が増水して流れが速いため灯ろう流しは見送られ、河川敷には亡くなった家族やペットの名を書いた灯ろうが並べられた。訪れた住民らは、おたき上げの炎と灯ろうの明かりを眺めながら、故人の冥福を祈った。会場には露店が並び家族連れなどでにぎわったほか、日頃市町の長安寺太鼓も披露された。
鈴木館長(73)は「これまで、供養をする人たちの数も減ることなく灯ろう流しをやってこられた。若い地元住民も公民館の青年部として、一生懸命加わってくれているようだ」と話した。
同公民館青年部長の新沼健太さん(29)は「自分たちの世代が行事を続けていくことが大事。歴史を絶やさないようにしたい」と決意を語った。
灯ろう流しでは最後に、花火の打ち上げが行われ、会場を訪れた住民らが夜空の大輪を見上げながら、過ぎゆく夏を惜しんだ。






