新橋 全体像現す 架け替え進む昭和橋 上部工工事が完了

▲ 架け替え工事の上部工工事が完了した昭和橋(17日撮影)

 県が住田町世田米を流れる気仙川で進めている昭和橋の架け替え工事は、26日までに人や車が通る床版や橋桁などの上部工工事が完了した。橋の全体像が現れ、今後は橋と一般の道路をつなげる取り付け道路の工事などが進められる予定。橋全体の工事は令和9年3月末までの完了を見込む。県大船渡土木センター住田整備事務所は「地域の方々や関係機関の協力のもと、上部工工事は比較的スムーズに進めることができた」とし、今後も円滑な工事の進行に努める。(阿部仁志)

 

 かつて宿場町として栄えた世田米商店街側と、町役場などがある川向地区とを結ぶ昭和橋。旧橋は昭和8年に架けられ、町の古き良きたたずまいを残す蔵並みや民家と調和した景観が住民に親しまれてきた。
 架け替え工事は、県の治水対策の一環。町は、平成29年から「町デザイン会議」を設けて整備のあり方を協議。30年には、専門家や地域の代表による「景観検討委員会」が設置され、歴史ある街並みや自然景観などに配慮した新橋のデザイン、設計方針について協議を重ねた。
 令和5年1月までに旧橋が撤去されたのち、架け替え工事に着手。新橋は、鋼桁とコンクリートを合成したものを用い、橋長は72㍍、幅員は7・8㍍。工事は気仙川の稚魚放流時期やアユ漁解禁期間、出水期を避けながら進められ、昨年8月末に橋脚が完成した。
 上部工工事は、同年12月に本格化。川田建設㈱・㈱平野組特定共同企業体(JV)が施工し、橋桁の架設、荷重を受ける床版の整備、防護柵の取り付けなどの作業を今月上旬までに終了させた。
 25日には現地で完成検査が行われ、無事に県に引き渡された。
 工事は、盛り土の追加工事が発生したため終了時期が当初予定の7月上旬から約1カ月延びたが、おおむねスムーズに進行したという。
 同JVの児島啓太郎所長(61)は「大きな事故もなく無事に終わることができた。町の皆さんに待っていただいている橋。今後のことは次の事業者に託す」と語る。
 住田整備事務所によると、今後は工事事業者が決まり次第、取り付け道路の工事などが進められる。
 一方、護岸工事は、左岸側延長189㍍の整備を令和8年度中に終わらせる予定だったが、ポンプによる水のくみ上げが想定通りにいかないトラブルが発生し中断を余儀なくされたため、完了時期は当初予定よりもずれ込む見込み。左岸側が終わり次第、右岸側同178㍍の工事を進め、9年度以降の完了を見据える。