本年度内発注は計199㌶ 森林災害復旧事業 9月~来年3月見み 来月、2度目の意向調査実施へ

 大船渡市大規模林野火災に伴う林地再生対策協議会(委員7人、会長・松川伸一市林野火災対策局長)は26日、市役所で開かれ、市当局が9月以降における本年度の森林災害復旧事業発注計画を示した。綾里地区を中心に全11カ所で、私有林と市有林合わせて面積合計は198.72㌶。順次随意契約で進める方針。昨年秋の同事業に関する意向調査で「復旧を希望しない」「未回答」の所有者に対し、再度意向を聞く計画も明らかになった。(佐藤 壮)

 

 協議会は今年5月以来6回目の開催。冒頭、松川会長は「時間の経過とともに被災した森林は変化しており、着実、迅速に再生に向けた取り組みを進めることが重要。引き続き、関係機関が緊密に連携し、森林再生への取り組みを前に進めなければならない」と述べた。
 協議は非公開で行われた。終了後の市側の説明によると、同日現在の森林災害復旧事業実施状況や、2回目となる森林復旧に関する意向調査、森林保険料に対する支援、私有林の森林災害復旧事業の実施手順見直しによる効率化の取り組みが示された。
 森林災害復旧事業のうち、伐採搬出は三陸町綾里熊之入地内の市有林19・37㌶で完了。7年度の繰り越し事業として、同地内の市有林3・47㌶でも進めており、今月中に作業を終える見通し。
 加えて、綾里坂本地内の市有林5・26㌶と、赤崎町合足の私有林14・94㌶でも着手。さらに、本年度は綾里地区を中心に11カ所で発注を予定していることも明らかになった=別掲図参照。
 内訳は市有林が72・83㌶、私有林が125・89㌶の計198・72㌶。発注時期は9月~来年3月で、熊之入地内の3・47㌶は今年秋からスギを植栽する跡地造林に入る。残りは被害木の伐採・搬出から始まり、来年春以降の植栽を計画している。

今年5月以来の開催となった林地再生対策協議会

 発注はすべて随意契約。県が公表する令和8、9年度森林整備事業請負契約等指名競争入札参加資格者名簿を参考に見積もり対象事業者を選定したうえで、「見積もり合わせ会」を実施する。
 発注に入る区域は、すでにゾーニングしている「森林再生・防災対策(市民生活への影響等を踏まえ再生する区域)」のうち、大きな面積を持つ所有者を中心に選定した。発注実績を上げるため、効率性を重視しているという。私有林の再造林樹種に関しては、所有者の意向を確認しながら進める。
 私有林の発注面積は、昨年実施した意向調査で「事業を希望する」と回答した割合の半分にも満たない。残りの私有林における発注見通しについて、市側は「発表する時期はまだ決まっていない」としている。

 森林災害復旧事業では、伐採・搬出1248・7㌶、跡地造林1279・2㌶について、国の事業査定を受けた。期間は令和10年度まで。残り3カ年度だが、8年度の発注面積は6分の1程度にとどまる。
 市林野火災対策局の大和田智次長は「令和10年度に全量を終えるというのは厳しいと感じている。発注の見通しを示し、計画を立てていくことで、事業期間の延長も求めていきたい」と話す。
 2回目となる被災私有林の復旧に関する意向調査は、9月中旬に調査書を送付し、10月下旬を提出期限とする。書類送付時には、被災森林の再生に関する支援内容や、相談先などをまとめた資料を併せて封入する。
 対象は昨年秋の意向調査で「復旧を希望しない」と答えた森林所有者256個人・団体で、面積合計は649・08㌶。未回答の森林所有者138個人・団体にも送付し、面積は合計で239・74㌶となる。
 調査では▽森林災害復旧事業による復旧希望の有無▽復旧後の森林管理の意思確認▽同事業による復旧を希望しない場合の理由確認(複数選択可)──を質問。調査表を郵送し、返信用封筒も同封する。11月下旬に予定している第7回林地再生対策協議会で取りまとめ結果を報告する。
 この日は、同事業の効率化に向けた実施手順の見直しも示された。事業対象の森林所有者と隣接する所有者の境界確認は、図面等を活用するほか、発注後に受注した林業事業体との現地確認に合わせて実施。事業区域の選定から発注までの作業期間は、85日程度から55日程度にまで短縮できるという。
 本年度の発注計画見通しは別掲の通り。