国のサーキュラーエコノミーポート 大船渡港が選定受ける 全国29港の一つに 循環型産業の基盤強化に期待

 大船渡市の大船渡港が、国交省の循環経済拠点港湾(サーキュラーエコノミーポート)に選定された。同港は再生可能資源や産業廃棄物を国内輸送する「内航コンテナ静脈輸送航路」を持つ強みがあり、同ポートとして全国29港の一つに選ばれた。大船渡港の令和7年度コンテナ貨物取扱量は3年連続で過去最高を更新し、循環資源の取扱量も着実に伸展。こうした〝追い風〟が吹く中、管理者である県や市、関係者らは選定を契機とした静脈物流の促進、リサイクル資源の取扱量増加、循環型産業の基盤強化に向け、さらなる連携を見据える。(高橋 信)

 

サーキュラーエコノミーポートに選定された大船渡港

 サーキュラーエコノミーポートは、資源を最大限効率的に利用し、循環させることで天然資源の利用や廃棄物排出を減少させる新しい経済の仕組み(サーキュラーエコノミー)に取り組む港湾を指す。
 国交省は港湾を核とした物流システムの構築による広域的な資源循環の促進を図ろうと、今年3~6月、初めて同ポートを募集。循環資源の取り扱い実績や再資源化施設の立地、小口・多品種の循環資源輸送への対応、港湾間連携による輸送効率化などを審査した。結果、申請のあった全29港が選定を受け、本県からは大船渡、釜石の両港が選ばれた。
 県は令和9年度までに、具体的な取り組みや循環資源取り扱い施設などを位置づける循環経済拠点港計画書を策定する予定。国からは保管施設整備など港湾機能強化に向けた支援を受けられる見込みだ。
 静穏性に優れ、年間を通して安定した荷役が可能なほか、長尺物を扱うことができる大船渡港。県内にある重要港湾(大船渡、釜石、宮古、久慈)の中で、最大の海上貨物量を取り扱う物流拠点となっている。
 「内航コンテナ輸送」は令和2年12月に就航し、使用済み製品や廃棄物を回収・再資源化・適正処理する「静脈物流」の拠点港となった。北海道から九州まで輸送が可能で、移入された廃プラスチックなどは燃料資源として太平洋セメント大船渡工場に搬送されている。
 市によると、7年度のコンテナ貨物取扱量(空コンテナ含む)は、7617TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個分)。過去最高だった前年度を1187TEU(18・5%)上回った。
 7年度実績のうち、代替燃料として利用される廃プラスチックなどのコンテナ取扱量(移入)は、前年度比49・1%増の1200TEU(実入り1199TEU)で、内航輸送が始まった令和2年度以降最高となった。
 大船渡港の国際フィーダーコンテナ定期航路は、京浜港(東京港・川崎港・横浜港)を経由し、アジアや欧米など世界各地の港を定期的に結ぶ既存ルートのほか、今年3月、仙台港経由でフィリピンなどを結ぶルートが開設され、同港初の2航路体制となった。サーキュラーエコノミーポートの選定や国際定期航路の増設により、コンテナ取扱量の増加、地域経済活性化などに期待が集まる。
 渕上清市長は「循環資源の物流拠点としてさらなる発展を目指すうえで大きな一歩となる。県をはじめとする関係機関・事業者などと連携・協力し、大船渡港を核とした循環資源の物流ネットワーク形成や関連産業の集積を促進する」とコメントを出した。
 同港のコンテナ貨物取り扱い実績は別掲。