認知度は58%まで向上 北海道・三陸沖後発地震注意情報 市がアンケート結果公表
令和8年8月30日付 1面
陸前高田市は、今年4月20日に発表された2度目の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」に関する市民アンケート結果を公表した。「発表前から情報の名前を知っていた」と回答した人は58%で、昨年12月9日に初めて発表された際に行った調査との比較では、約19ポイント上昇した一方で、情報の発表中に取った備えを聞く設問では、31%が「特に何も行動を取らなかった」と回答。市では引き続き、情報の周知と備えの確認を呼びかける。(菅野弘大)
注意情報は、日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合、続いて起こる可能性がある大規模地震への注意を促そうと、令和4年12月に運用を開始。昨年12月8日夜に青森県東方沖を震源とする最大震度6の地震があり、M7・5を観測したことから、内閣府と気象庁が翌9日に初めて発表した。
今年4月20日夕には、三陸沖を震源とする最大震度5強の地震が発生。M7・7で、同日夜には2度目の注意情報が発表された。
市では、昨年12月の発表後に、市民アンケートを実施。2度目の発表となった今回も、注意情報に関する市民の理解や行動を把握しようと調査を行い、1回目との比較で有事の意識や行動の変化を分析した。
調査は前回と同様に、年代ごとに人口比に基づく割り当て法で抽出した18歳以上の市民1000人を対象に実施。今年6月10日から30日まで郵送とインターネットで回答を受け付けた。回収率は47・2%だった。
注意情報を事前に「知っていた」との回答は前回から18・5ポイント増の57・5%。「知らなかった」と答えた人は前回から半減しており、昨年12月の発表が認知度の向上につながったとみられる。
情報発表の意味を「よく理解している」「少し理解している」と回答した人は合わせて92%。陸前高田市が情報の対象地域であることを「知っていた」との回答は78%だった。
「今後もこの情報は必要だと思うか」の問いに対しては、90%の人が「必要と思う」と回答。情報発表を知った手段は、「テレビ」が最も多く、次いで「防災行政無線」「市登録者メール」「新聞」の順だった。

注意情報発表中に市コミュニティホールに開設された自主避難所(4月21日)
「情報の発表中にとった備え」(複数回答)では、「非常食など備蓄の確認」が最多の34%。続いて、「避難場所、避難経路の確認」が30%、「家族との連絡手段の確認」が28%、「すぐに逃げられる態勢の維持」が25%となった。一方で、「特に何も行動を取らなかった」と答えた割合は31%に上り、市では「発表中の1週間では時間が短く、比較的手間をかけずにできることをやった人が多かったのでは」と分析する。
自主避難所開設に関する質問では、「必要と思う」が83%と大半を占めた。市は、昨年12月に続き、今年4月の注意情報発表期間に合わせて高田町の市コミュニティホールに自主避難所を設置し、地震発生直後の20日から21日朝にかけて5世帯6人の利用があった。
この情報は、東日本大震災の発生2日前にM7・2の地震が発生していたことがきっかけで創設された。この経緯を「知っていた」と回答した人は40%だった一方、回答者の半数が「知らなかった」と答え、自由記載欄に「この設問で初めて知った」と記入した人も複数いた。
市防災局の中村吉雄局長は「注意情報の認知が増え、少しずつでも市民の皆さんに伝わっているのではと思う。ただ、前回、今回と発表中に何事もない状況が続いた場合、『慣れ』が出てくると考えられる。それが、発表中は備えを確認する慣れとなるのか、何もしなくても大丈夫という慣れになるのかを注視している。今後も広報やイベント、市内の防災関係者などの力も借りながら、周知を図りたい」と気を引き締める。






