震災遺族に寄り添い続け 髙木さん(神戸市)最後のセミナー グリーフケア第一人者 市主催 10月3日に
令和8年9月8日付 7面
東日本大震災後、悲嘆を抱える津波犠牲者の遺族や被災者に寄り添い続けてきたグリーフケアの第一人者で、上智大学グリーフケア研究所名誉所長の髙木慶子さん(89)=兵庫県神戸市=による大船渡市での最後のセミナー(同市主催)は10月3日(土)、盛町のリアスホールで開かれる。過去30回以上のセミナーで、延べ1200人を超える人が参加。今月90歳を迎える自身の年齢や発災から15年以上が経過した状況を踏まえ、一区切りをつけることにした。「一人ではない、みんなつながっているということを伝えたい」と最終回となるセミナーへの思いを語る。(高橋 信)
グリーフケアは、大切な人やペットなどとの死別、災害による地域の変化、愛用していた物の損壊など、さまざまな喪失体験への介入や支援を指す。
髙木さんは、上智大神学部修士課程を修了。30年以上、グリーフケアや終末期ケアに携わり、令和5年には一般社団法人・全人力を磨く研究所を立ち上げ、理事長を務める。現在も自死遺族らに向き合う集会を開くなど活動している。
平成7年の阪神・淡路大震災や17年の尼崎JR脱線事故でも遺族へのケアに当たり、東日本大震災後、本県沿岸部にも出向いた。津波で死者340人、行方不明者79人の犠牲者を出した大船渡市にも知人がいる縁から定期的に訪れてきた。
市主催のグリーフケア・セミナーの講師も引き受け、これまで30回以上開催され、延べ1248人が受講。「悲しみ、苦しみは時間がたっても消えない。その一人一人の気持ちにただ寄り添いたかった」と通い続けた。
昨年2月、大規模林野火災に見舞われた同市。髙木さんは「重ね重ねつらかったと思う」と語り、「誰もが悲しみ、苦しみを背負っている。だからこそ一人一人手をつないで生きていくことが大切という点を今度のセミナーでも伝えたい」と見据える。
市地域福祉課の佐々木直央課長は「髙木先生には15年の長きにわたって足を運んでいただき、感謝の気持ちしかない。大規模林野火災が発生した大船渡では、グリーフケアが求められる。次回も一人でも多くの人に受講していただきたい」と呼びかける。

セミナーは受講無料で、時間は午前10時30分~正午。定員100人。申し込みは電話、ファクス、メール、インターネットフォーム(別掲QRコード)のいずれかで、今月末まで受け付けている。
問い合わせ、申し込みは同課(℡27・3111内線186、ファクス26・2299、ofu_fukushi@city.ofunato.iwate.jp)へ。






