電子投票システム導入へ 投票簡便化、開票の時間短縮 市議会定例会に条例案、補正予算案提出 タブレット端末を活用

▲ 電子投票で使用するタブレット端末のデモ画面。タッチペンの操作で簡単に投票ができる

 陸前高田市は、地方選挙におけるタブレット端末を活用した電子投票を導入する。東北の自治体における導入は初めて。これに関連する条例案と関連費を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を3日開会の市議会定例会に提出し、可決されれば来年の市長選・市議補選から運用となる見通し。電子投票は、有権者の投票が簡便になるほか、開票作業などの選挙事務の時間短縮も期待される。(菅野弘大)


 電子投票は、従来の投票用紙ではなく、タブレット端末を使用して行う。端末の画面に表示された候補者名などをタッチペンで選択して投票する仕組みで、文字を書くことが難しい有権者でも簡単に投票ができるほか、白票の選択も可能。記載台から投票用紙を投票箱に入れる移動の負担もなくなり、複数の選挙の投票も一つの端末で完結する。
 使用する端末はネットワークに接続されていないため、ハッキング等のリスクがなく、投票データは端末内のUSBメモリーやSDカードに暗号化して保存され、セキュリティーと信頼性が確保される。
 紙での投票は、集計時に有権者の書いた字を読み解く作業が発生していたが、電子投票はこうした手間がなく、疑問票や按分票が出ないメリットがある。集計作業も効率化され、これまで数時間を要していた開票作業の時間も大幅に短縮される見込みで、職員の負担軽減にもつながる。
 市は電子投票を行うための新たな条例案と、端末のリース代などを含めた関連費1173万円を盛り込んだ補正予算案を市議会9月定例会に提出。可決されれば、来年1月31日告示、2月7日投開票の市長選・市議補選から運用する予定。
 市によると、有権者数に応じて各投票所に端末2、3台を設置する計画。操作方法などのマニュアルも作成し、有権者のスムーズな投票につなげる。
 市選挙管理委員会では、昨年10月の市産業まつりで、電子投票導入にかかる体験会を開催。体験者に対して実施したアンケートでは、回答者200人中195人が電子投票について「良い」と答えた。先月も市役所やアバッセたかたなどで体験機会を設け、その後のアンケートでは電子投票を支持する体験者がほとんどだった。
 市選管では今後、条例案、補正予算案の可決を経て、業者を選定し、運用を目指す。導入にあたっては、市内各地区での説明会や体験会の実施も見込む。
 市選管の小澤巧選挙係長は「投票が簡単になると思うので、ぜひ市民の皆さんに一度体験していただき、投票に足を運んでもらいたい。電子投票に難しさを感じる心理的なハードルを取り除くためにも、事前の説明、周知が重要になる」と話す。