碁石海岸レストハウス 今月末で営業を休止 1階物産販売、2階食堂ともに 団体来訪の受け入れ拠点
令和8年9月10日付 7面
大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウスが、30日(水)で営業を休止することが分かった。市が施設を所有し、市観光物産協会に無償で貸し付けてきたが、長年、営業・運営を担ってきた協会員事業所が撤退を申し出た。碁石海岸をはじめ、市内を巡る団体観光客の受け入れなどに影響が懸念される中、市や同協会では今後の利活用策を探ることにしている。(佐藤 壮)
碁石海岸レストハウスは、鉄筋コンクリートと鉄骨造2階建て。1階は物産品販売スペース、2階には食堂があるほか、休憩スペースや食事の提供、市内特産品の販売の機能を併せ持つ。
昭和54年に市が財団法人岩手県観光開発公社から有償で譲り受けた。民間法人への貸し付けを経て、平成17年から一般社団法人大船渡市観光物産協会に無償で貸している。営業は、協会員の㈱小川(小川廣文社長)が担っている。
29年度には、地方創生拠点整備交付金を活用してテラスや多機能トイレの改修に着手。浜の仕事体験室や商品陳列棚も整備するなど、交流人口の拡大と地場産業振興を図る事業を実施し、機能強化を図った。「さんまらーめん」の普及拡大をはじめ食堂営業を通じた観光施策事業や、児童生徒の研修旅行受け入れも積極的に進めてきた。
小川や市観光物産協会によると、近年は碁石海岸を訪れる観光客の減少に加え、人件費や物価高騰の影響で厳しい営業が続いている。同レストハウスの入り込み客数は、令和元年は3万6000人超だったが、翌年からコロナ禍の影響を受け、4年の段階でも2万人を割り込むなど回復しない状況が続いた。
小川では、単体での営業継続は難しいと判断し、6月に協会に対して営業終了の意向を通知。現段階で営業を継承する事業体の見込みはなく、10月からは1階の物産品販売、2階の食堂いずれも営業休止となる。
レストハウスで業務を担ってきた「椿の里ガイドの会」は近年は利用申し込みが減っている一方、大規模林野火災関連の視察など一定の需要があり、当面は継続する意向を示している。
施設自体は今月30日まで営業を続ける。営業時間は、1階が午前9時~午後3時、2階は午前11時~午後2時30分(ラストオーダー同2時)。いずれも30日まで営業するが、2階食堂は現段階では14日(月)と17日(木)、24日(木)は休むことにしている。
小川社長は「9月末までは予約もあり、営業休止を知った県内外のお客さんから『もうここで食べることができないのか』と来ていただいている状況。感謝を込めて営業したい」と話している。
同レストハウスは休憩スペースや食事の提供、市内特産品の販売などの機能を併せ持つ碁石海岸で唯一の施設であり、観光拠点として果たす役割は大きい。大型バスにも対応できる駐車場に面しているほか、2階の食堂は100人超を収用でき、休業となれば団体客の受け入れなどに影響が及ぶ。
市観光物産協会では、団体旅行関連の事業者などと連絡をとり、10月以降は市内の別の施設で昼食をとるよう案内している。市は同協会とともに、今後の利活用策を探る。
15年前の東日本大震災では直接的な被害を免れ、発災直後は地元内外の人々の交流拠点の役割も果たした。昭和期から営業が続いてきただけに、幅広い世代が思い入れを持つ施設でもある。市内では厳しい営業状況に理解を示す声がある一方、休業を惜しむ住民も多い。






