矢作地区公共施設整備に遅れ 市議会一般質問で当局説明 コミセン、診療所は来年度完成予定

▲ 矢作地区コミセン、二又診療所、矢作分団1部屯所の3施設が移転新築される旧二又復興交流センター跡地

 陸前高田市議会9月定例会は9日、前日に続いて通告に基づく一般質問が行われた。市当局は、矢作町の旧二又復興交流センター(旧矢作小学校)の跡地に、周辺にある矢作地区コミュニティセンター、市国保二又診療所、市消防団矢作分団1部屯所の3公共施設を移転新築する整備計画について、進捗状況を明らかにした。コミセンは建設費の財源に充てる予定だった交付金が不採択となり、工事着手が遅れ、完成時期は来年度を見込む。二又診療所の工事完了は来年6月30日、消防屯所は本年度内の工事完了を予定する。(菅野弘大、2面に一般質問の主なやりとり)

 

 同地区公共施設整備については、伊藤明彦議員(無所属)が取り上げた。「3施設を集約して移転新築する予算が計上されている。いずれの施設も本年度に着工予定だが、まだ工事が始まっていない理由は」と尋ねた。
 旧二又復興交流センター周辺にあるコミセン、診療所、消防屯所の現施設は、いずれも細い道路の先にあり、かねてから交通アクセスの悪さを指摘する声があった。矢作地区コミュニティ推進協議会は市に対し、3施設の校舎跡地への移転を要望しており、市は地域の意向を踏まえて集約化を決めた。
 市が整備した二又復興交流センターは、旧矢作小校舎を活用して平成25年7月に開所。東日本大震災で被災した宿泊施設の再建などに伴い、令和2年度末に閉所した。体育館と併せて資料等の保管場所として使われ、6年度に校舎、体育館の解体工事、7年度に敷地造成工事を済ませている。
 石渡史浩副市長は、3施設の整備の現状について「コミセンは建設費の財源に充てるため地域未来交付金の申請をしていたが、4月に不採択の通知を受けた。現在は同交付金の2次募集にかかる申請を行っており、結果を待って事業に着手することとしている」と説明した。
 二又診療所は、7月に令和8年度へき地診療所施設整備費補助金の内示と、交付決定前の事業着手の承認が得られたことから、8月に工事請負にかかる条件付き一般競争入札を実施。請負業者と仮契約を結び、今定例会初日に契約締結にかかる議案を提出し、可決された。
 消防屯所は、消防車両の配備や出動動線に配慮した設計を終え「おおむね計画通りに進んでいる」とした。
 コミセンは交付金申請結果を待っての入札告示となり、工期を9カ月程度と見込んでいるため、「完成は来年度になる」と説明。二又診療所は令和9年6月30日、消防屯所は年度内の工事完了を見込む。いずれの施設も、工事完了後に備品の搬入作業や駐車場の舗装工事を予定しているため、「供用開始までは一定期間が必要」との見解を示した。
 また、昨今の中東情勢の緊迫化により「原油価格の高騰や円安、人件費の上昇など、3施設の工事費が大きく押し上げられている」と分析。二又診療所は、建築工事費の設計額が当初想定を上回ったことから、市議会6月定例会で債務負担行為補正予算を計上して工事予算を増額。コミセンも、今定例会で工事費の増額にかかる補正予算を上程している。
 伊藤議員は再質問で「最初に診療所が完成し、次にコミセンができる流れと思うが、駐車場などの整備はそのあとになる。患者への診察、診療所の運営に支障がないようにしてほしい」と意見。
 吉田志真福祉部長は「コミセンの工事の進捗を見ながら、極力患者への負担がないように進めたい」と答えた。

 

高田高国際学科設置の答弁修正/陸前高田市長

 

 陸前高田市の佐々木拓市長は9日、8日に行われた市議会9月定例会の一般質問答弁において、高田高校への国際関係学科の設置について達増拓也県知事から「市との協議を進めていきたい」と前向きな発言があったと述べたことについて、「知事の口から『協議します』という発言はなかった。思いが空回りしてしまった部分があったかもしれない」と自身の発言を修正した。
 佐々木市長は同日の一般質問で、市議から高田高への国際関係学科の設置について問われた際、先月20日に行われた県要望の場で、達増知事に対して設置の趣旨と意向を説明したとし「(知事から)非常に良いアイデアであり、今後県教委のみならず、知事部局としても県立高校を発展させる観点から、本市との協議を進めたい」との発言があったと述べた。
 市議の「知事部局とともに前向きにやっていきたいというような回答を得たという認識でよいか」との再質問に対しては、「若干の濃淡があると思うが、そういった認識で考えている」と答えていた。
 佐々木市長は、この発言が一部報道で「県と認識が食い違っている可能性がある」と取り上げられたことについて、9日の一般質問の中で言及。「知事は『非常に良いアイデアで、どこに課題があるのか県教委から直接説明を聞こうと思う』と発言された。断定的に知事の口から『協議をします』との発言はなく、この点は申し訳なかった。思いが空回りした部分があったかもしれず、修正させていただく」と語った。