「包括的民間委託」に理解を 道路、河川、公園の維持業務を一括発注 市が4月から導入 LINEや業者電話で通報受理

 陸前高田市は4月から、道路や河川、公園などのインフラ施設・設備の効率的かつ効果的な維持管理につなげるため、「包括的民間委託」を導入している。これに伴い、道路の損傷や通行に支障をきたす懸念のある倒木、雑草の繁茂などに関する市民からの通報を、市公式LINEや受託業者の電話窓口で受け付けている。導入から5カ月余りが経過した中、依然として市役所への電話通報も多い状況で、市ではさらなる周知を図り、市民への理解浸透とスムーズな対応につなげたい考えだ。(菅野弘大)

 

 市では、民間事業者に個別に委託していた業務をまとめて発注することで、点検から補修まで一連の対応の迅速化を図るため、本年度から仕組みを導入。市側は職員の業務負担軽減、新たな行政サービスの検討・提供、事業者側は業務量確保、マネジメント力・技術力向上など双方にメリットが期待され、市民の仕事や暮らしに不可欠な地域インフラを守る官民連携の新たな手法として、全国でも導入している自治体がある。
 官民連携の運営支援に精通する大手建設コンサルタント会社の㈱オリエンタルコンサルタンツ(本社・東京都)と、同市の㈱長谷川建設(長谷川順一代表取締役社長)による共同企業体(JV)に委託し、道路、河川、公園、東日本大震災遺構などにおける▽道路の損傷▽側溝の土砂堆積▽道路の動物死骸▽道路への倒木▽街路灯の故障▽公園の遊具破損▽草刈り▽除雪──等の管理作業を行っている。
 これまでは、道路の損傷などを発見した住民から市役所に通報が入り、これを受けて市職員らが現場を確認。その後、民間業者とともに対応を検討、実施してきたため、通報から作業まで一定の期間が必要だった。
 包括的民間委託では、市民からの苦情・要望などの連絡窓口を市ではなく同JVとすることで、通報から対応までの期間を短縮。事業者側は安定した仕事の確保につながり、市では職員の電話対応から現場確認、事務手続きその他の業務負担が軽減され、その分を交通環境の充実に向けたソフト対策をはじめとした新たな市民サービスの検討などに充てられるようになる。
 市では、包括的民間委託の導入にあたって、市広報などで仕組みを周知。苦情や軽微な要望の窓口も市から業者に変更した旨も記載しているが、依然として市への通報は絶えず、「道路に枝や雑草が出ている」「側溝に土砂がたまっている」などの内容で、市への電話だけで150件を超える問い合わせが寄せられているという。
 市建設課道路河川係の遠藤智嗣係長は「まだ始まったばかりの取り組み。地道に周知を続け、理解を促したい」と先を見通す。
 同委託の契約期間は令和9年度末まで。8年度末に市民や事業者向けにアンケート調査を行う計画で、成果と課題を調査する。
 通報は、JVへの電話(22・9947)やインターネット専用フォームで受け付けている。市公式LINEにもフォームにアクセスできるアイコンを設けている。夜間や休日も連絡可能。
 包括管理のイメージは別掲。問い合わせは、市建設課道路河川係(℡54・2111内線442)へ。