震災の苦労に心寄せられ 秋篠宮さま 悠仁さまご来訪 済生会陸前高田診療所 医療関係者、市民とご懇談

▲ 済生会陸前高田診療所の伊東紘一前所長ら関係者の出迎えを受ける(左から)秋篠宮さまと悠仁さま(代表撮影)

 秋篠宮さまと長男の悠仁さまは14日、陸前高田市気仙町の社会福祉法人恩賜財団済生会陸前高田診療所を訪問された。秋篠宮さまの気仙ご来訪は令和元年9月以来で、悠仁さまが気仙を訪問されるのは初めて。東日本大震災から15年6カ月が経過した中、同法人関係者や同診療所の患者、被災住民らとの懇談を通じて、被災地の復興の歩みと苦労、震災以降、地域の健康を守ってきた施設の役割に心を寄せられた。(菅野弘大)

 

サーモン施設もご視察

 

 秋篠宮さまと悠仁さまは、震災15年に当たり、お二人の希望で被災地に足を運ばれた。13日は宮城県気仙沼市で、震災津波で被害に遭った気仙沼向洋高校の旧校舎を保存、整備した同市東日本大震災遺構・伝承館を視察された。
 14日早朝には同市魚市場で、盛んに漁が行われているカツオの水揚げの様子を見学された。陸前高田市では、佐々木拓市長の案内で気仙町の高田松原津波復興祈念公園に足を運ばれ、海を望む場で献花、拝礼されたほか、及川修一市議会議長から津波を受けても残った奇跡の一本松について説明を受けられた。
 秋篠宮さまが第6代総裁を務められている済生会の陸前高田診療所では、雨が降る中で同法人の炭谷茂理事長、県済生会の髙橋敏彦支部長、同診療所の杉山照幸所長、伊東紘一前所長、松原了理事らが出迎えた。
 同法人は、震災後の平成27年10月に竹駒町滝の里地内に仮設の診療所を開設。その後、現在の場所に本設診療所を建設し、同29年2月から診療を開始した。昨年6月には、陸前高田診療所の創立10周年を記念する演奏会が、高田町の奇跡の一本松ホールで盛大に開かれた。
 診療所内では、伊東前所長(85)や炭谷理事長(80)が中心となって案内し、多くの住民の健康を守るために設置された内視鏡やエコー機器、レントゲン室などの医療設備をご視察。悠仁さまは、高度な医療設備に高い関心を示されながら熱心に耳を傾けられ、伊東前所長は、最新の設備を導入していることについて「地方でも大学(病院)と同じ質の高い医療を提供したい」と、開設当初から変わらない思いを伝えた。
 診療所の患者である市民3人との懇談でお二人は、床に膝をつかれ、いすに座る市民らと同じ視線でそれぞれの病状や治療経験について説明を受けられた。悠仁さまは「この診療所が被災者や地域の皆さまのお役に立っていることがよく分かりました」との言葉を述べられた。
 診療所と同じ敷地内にある官舎では、震災で被災した市民らとご懇談。津波によって自宅や大切な家族を失った市民の悲しみや苦しみにうなずかれた秋篠宮さまは「心からお悔やみ申し上げます」と声をかけられた。
 伊東前所長は、秋篠宮さま、悠仁さまのご訪問に「とてもうれしく、ありがたい。直接感謝をお伝えすることができて良かった」と話していた。
 炭谷理事長は「済生会がどんな活動をしているかを知っていただくうえで、大変意義があった」と喜びを語った。
 秋篠宮さまと悠仁さまは診療所訪問に先立ち、㈱ニッスイサーモン気仙川養魚場の水槽もご視察。サーモン養殖の取り組みにかかる概要について説明を受けられた。