人口減など響き3市町とも下落 住宅地の平均変動率 県が8年度地価調査結果を公表 林野火災の被災2地点は上昇 気仙
令和8年9月16日付 1面
県は、令和8年度地価調査結果の概要を公表した。気仙の住宅地は、大規模林野火災からの復旧が進む大船渡市赤崎町と三陸町綾里の2地点で価格が上昇したものの、平均変動率は3市町すべてで下落した。沿岸部では、人口減少による住宅需要の縮小や商業の後継者不足が響いているとみられ、商業地なども価格は軒並み下落。土地需要の回復が弱い傾向が続いている。 (齊藤 拓)
地価調査は適正な地価形成を目的に、県が不動産鑑定士の鑑定評価に基づいて基準地の標準価格を判定するもの。価格時点は7月1日。公示地価とともに、一般の土地取引価格などの指標となる。
県内の調査対象は、33市町村の基準地354地点(宅地・宅地見込地343地点、林地11地点)。気仙3市町は計21地点で、内訳は大船渡市が13地点(同12地点、同1地点)、陸前高田市と住田町が宅地・宅地見込地のみの各4地点。
県内で価格が上昇した住宅地は、10市町の72地点(前年度比19地点減)。うち2地点は大船渡市で、「赤崎町鳥沢166番17」が前年度比1・6%増、「三陸町綾里字中曽根38番1」が同2・3%増となった。
気仙3市町の用途別平均価格(宅地・宅地見込地1平方㍍、林地10㌃当たり)と平均変動率をみると、大船渡市は住宅地2万100円、平均変動率▼2・1%、商業地4万4400円、同▼2・8%、工業地1万5200円、同▼1・9%、林地3万2900円、同▼1・5%だった。
住宅地の下落は11年連続となり、下降幅は前年度から1・1ポイント縮小した。前年度と比較したその他の下降幅は、商業地が0・4ポイント縮小、工業地が0・6ポイント拡大、林地は横ばいだった。
同市では昨年、大規模林野火災の影響で住宅地や商業地の地価が大きく下落。鑑定評価を行った地価調査岩手分科会の代表幹事によると、今年は復旧が進んだことで災害に基づくマイナス要因がなくなったとしている。
陸前高田市は住宅地1万4900円となり、同▼1・6%と下落。下降幅は前年度から0・5ポイント拡大した。
住田町は、住宅地3カ所のうち「上有住字八日町70番」が「上有住字八日町120番」に選定替えとなった。平均価格は、住宅地が6800円で同▼2・4%、商業地が1万5100円で同▼1・9%と、ともに下落した。前年と比較した下降幅は、住宅地が0・7ポイント、商業地は1・9ポイントそれぞれ拡大した。
県内の変動率上位をみると、住宅地ではマイナス変動の8位が大船渡市の「盛町字宇津野沢12番15」の同▼4・0%、商業地ではマイナス変動の4位が「盛町字内ノ目1番13」の同▼4・0%だった。
県全体をみると、住宅地256地点の平均価格は2万6800円。平均変動率は▼0・7%となり、3年連続で下落した。また、宅地見込地2地点(北上市、矢巾町)の平均価格は1万4400円で、平均変動率は1・1%。気仙含む県沿岸部は、前年から下落幅が微増または同程度の下落となる地点が大半を占めた。
県内の住宅地については、人口減少が進み住宅需要が縮小している沿岸と県北で価格の下落が続く中、地価の上昇をけん引してきた県央都市部でも、建築費高騰を背景とする新設住宅着工数の減少などで上昇幅が縮小した。
商業地72地点の平均価格は4万5900円、平均変動率は▼0・9%で、33年連続で下落した。価格が上昇したのは、盛岡市などの4市町15地点。沿岸部は商圏人口減少や後継者難が響いている一方、県内ではインバウンドや企業誘致に伴う宿泊需要を見越した新規投資もみられる。
工業地13地点の平均価格は1万2900円、平均変動率は1・1%で、8年連続の上昇。盛岡市などの8市町9地点で価格が上昇した。物流用地の需要が続くほか、生産製造用地の需要も旺盛な状況にある。
林地は平均価格が5万4600円、平均変動率が▼0・6%で、下落は32年連続。国産材需要が高まっている一方、林業経営の先行き不安や後継者不足などで林地需要が低迷している。
気仙地区の地価(基準値)は別表の通り。






