2回目の意向調査開始 大規模林野火災の私有林再生 前回〝希望せず〟など対象に 「伐採までの流れ」も明示
令和8年9月20日付 2面
大船渡市は、大規模林野火災で被災した森林の再生に向け、2回目となる「被災私有林の復旧に係る意向調査」を始めた。昨年実施した第1回調査で「復旧を希望しない」と回答した所有者や未回答者に対し、調査票を発送。人工林再生に活用できる支援制度や相談窓口の概要をまとめた資料を同封し、伐採までの流れに関しては、所有者が市に任せる場合に加え、林業事業者に依頼するケースも示している。回答期限は10月30日(金)。市は所有者の実質負担をゼロにする制度設計を整えた中、改めて所有者の意向を把握し、森林再生の推進につなげる。(佐藤 壮)
調査対象は昨年9~10月の調査で「復旧を希望しない」と回答した256個人・団体(649・08㌶)と、未回答だった138個人・団体(239・74㌶)で、計394個人・団体888・82㌶。市は19日までに発送を終えた。
質問は3項目で、被災した森林に関しては▽市に伐採・植栽を任せる(森林災害復旧事業を活用)▽自分で林業事業者に伐採、植栽を依頼する(森林整備事業を活用)▽県の補助制度を活用し伐採のみ行う(伐採面積が1㌶以下のみ対象)▽補助制度を活用した再生を行わない──から選ぶ。
森林災害復旧事業を活用する場合、植栽する樹種希望の質問も。「市に任せる」に加え、スギ、カラマツ、コナラから選択できるほか、他の樹種を記入することもできる。市は「希望する樹種の植栽を約束するものではない」としている。
同事業では、伐採後の木材運搬・売却に関しては所有者・管理者が行うことになる。一次置き場から製材工場やバイオマス発電所などに運搬するまでの経費は、伐採した木の売却費から差し引かれる流れとなる。森林整備事業も含め、伐採後の植栽が必須条件。
「再生を行わない」を選んだ場合は、理由を質問。さらに「森林の取得を希望する申し出があった場合、譲渡の意向はあるか」といった質問も設けている。
調査票と併せ、「被災森林の再生に向けたご案内」と題した資料も送付。森林保険の案内や、保険料10年分の100%相当分を助成する補助金制度を知らせる関係文書も同封した。
森林再生に関しては、苗木の植栽希望に応じて事業を選択できる内容も説明。「市に伐採を任せる場合」と「自身で林業事業者に依頼する」を提示し、それぞれの特徴をまとめている。市による伐採は、森林災害復旧事業と森林整備事業を活用し、林業事業者の場合は森林整備事業で行う。
いずれも、森林保険補助に該当し、下草刈りの費用も助成され、実質的な自己負担はない。森林所有者が市に伐採を任せる場合、伐採時期や植栽樹種を委ねる形になる。一方、林業事業者への依頼は「相談したい林業事業者がいる」「伐採時期や植栽樹種を自分で決めたい」に該当する所有者に推奨する。
市に伐採を任せる場合は、市と森林所有者間で事業実施に関する協定を締結。市が伐採予定地の森林経営計画を作成し、林業事業者と委託契約を結んだあと、森林境界確認を経て伐採作業開始となる。
林業事業者に依頼する場合は、林業事業者と伐採や造林などのスケジュールや利用可能な補助事業の有無、収入の見込みといった点を相談・協議し、伐採作業着手となる。送付資料には、気仙地方森林組合をはじめ、森林の作業依頼などに関する相談先の一覧も示している。
市林野火災対策局は「被災森林全般をはじめ、不明な点があれば相談してほしい」と呼びかける。意向調査に関する問い合わせも、同局(℡27・3111)へ。






