震災後のつながり深める 玉川大太田ゼミ、今年も陸前高田で合宿 広田の工房めぐ海など訪問(別写真あり)
令和8年9月22日付 7面
東京都町田市の玉川大学リベラルアーツ学部太田ゼミは、18日から陸前高田市で2泊3日のゼミ合宿を実施した。最終日の20日は、毎年ゼミ生が訪れている広田町の「工房めぐ海」(鈴木タキ子代表)で、めぐ海が製造する地場産の具材のおやきなどを味わいながらスタッフと交流。東日本大震災で被災後に加工場を再開した歩みや現状、地域住民の思いに接し、見聞を深めた。(阿部仁志)
太田ゼミは、同大の太田美帆教授の指導を受ける3、4年生が所属。平成23年の大震災をきっかけに陸前高田と関わりを持ち、24年から毎年、住民との交流を目的としたゼミ合宿を企画している。
工房めぐ海は、農業団体の広田半島営農組合(熊谷信義組合長)の女性らが中心となり、地域で採れた農産物、海産物を具材に使ったおやきや郷土菓子などを製造・販売。震災で加工場が被災したが再開を果たし、その後出会った太田教授や同ゼミ生との交流を継続している。
ゼミ生は、令和2年から2年ほど、新型コロナウイルスの流行で陸前高田を訪問できない時期があったが、代替わりするゼミ生はその間もリモートでめぐ海の初代代表・村上豊子さん(79)らと連絡を取り合い、後輩へと記憶をつないできた。震災発生後に行っている、めぐ海の商品を同大の学園祭や町田市のイベントで販売、PRする取り組みを現在も続け、関係を深めている。
今回は、民泊事業を展開する陸前高田市の認定NPO法人SETを介し、市内に3日間滞在するゼミ合宿を企画。
学生12人が参加し、民泊受け入れ家庭や水産業、農業の従事者らとの交流、震災伝承施設の見学などを通じて、大震災から15年6カ月余り経過した陸前高田の今を感じ取った。
最終日はめぐ海を訪れ、鈴木代表(71)や村上さんらスタッフと対面。加工場近くの畑でおやきに使われるショウガの収穫体験を行ったあと、加工場に戻り、工房特製のおやきやがんづきなどを賞味しながら歓談した。
この中で学生らは、めぐ海の立ち上げと被災直後、再開した過去について質問。村上さんは、工房再開を諦めかけた時期もあったが、各地からの支援で今がある状況への感謝を述べたうえ、「大切なのは人同士のつながり。小さなことの積み重ねをこれからも大事にしていきたい」と語った。鈴木代表は商品について、手作りや地域の食材を使うことを信条としている点を強調し、「おいしいという声、リピーターの存在がうれしい」とやりがいを伝えた。
ゼミ生らは今年も、11月の学園祭や地域行事でめぐ海の商品を販売する予定。
ゼミ生の久保穂菜美さん(3年)は「めぐ海の商品が、みんなで時間をかけ、大事に作られているということを伝えたい。震災後、先輩たちがつないできた陸前高田との縁も大切にしたい」と話していた。






