下水道使用料改定へ 市議会で改正条例案可決 令和9年4月徴収分から
令和8年9月22日付 1面
陸前高田市は令和9年度から、下水道使用料を改定する。市議会9月定例会に下水道条例の一部を改正する条例案を提出し、可決された。現行の基本料金の水量を見直し、従量使用料の区分をより細かく設定することで、使用水量が少ない高齢者世帯や低所得者層では月々の支払い負担が少なくなる一方、全体では収入増も図られる。改正後の新料金は、令和9年4月徴収分から適用される見込みで、市では広報などを通じて市民への周知を図りながら、理解と協力を呼びかける。(菅野弘大)
公営企業である下水道事業は独立採算制が原則だが、同市は一般会計からの補助などの繰入金で経営を維持する状態であり、財政ひっ迫の一因となっている。こうした状況を踏まえ、市は下水道事業の持続的な経営のため、令和6年に中長期的な経営基本計画である「経営戦略(平成29~令和15年度)」を改定。これに基づき、平成19年以降据え置いてきた料金体系を再検討することとし、市下水道事業審議会に対して令和7年6月、料金改定に関する諮問を行った。
同審議会では、使用料改定について検討を重ね、今年2月に「増額改定が妥当」との方針を決定。料金体系の具体案を詰め、6月に佐々木拓市長に「改定すべき」と答申した。
改正後は、一般用、浴場用、臨時用ともに基本使用料の水量を「10立方㍍(1800円)」から「5立方㍍(1650円)」に変更。一般用の従量使用料は110~400円の11段階に細分化し、50立方㍍まで5立方㍍ごとに20円ずつ上昇する調整をかけた。1人暮らし(5立方㍍の使用想定)では、現行から160円程度の減額が見込まれる一方、4人家族(20立方㍍の使用想定)では、現行から500円程度の増額となり、料金総収入では500万円程度の増加を見込んでいる。
先日行われた市議会定例会本会議では、条例案の採決に先立ち、一部議員が物価高騰の影響を受ける市民生活を鑑み「全体の値上げ幅は総額約500万円。これは、市予算総額の0・025%で、その予算のやりくりは十分にできる」などと反対意見を提示。起立採決の結果、賛成多数で可決された。
改正後の新料金は、令和9年4月徴収分から適用。同3月分までの使用料は、従前の料金で徴収する。
市上下水道課の金濱幹也課長は「これまでも経費節減や経営の効率化に努めてきたが、物価高騰や人口減少に伴う収入減少により、維持が困難な状況となっている。地域の将来を担う次の世代に健全なインフラを引き継いでいくため、経営のさらなる健全化に注力する」と話し、市民への理解を呼びかけている。
現行と改正後の使用料体系は別掲。






