開館7周年に誓い新た 東日本大震災津波伝承館 県立図書館「出張I─セミナー」初開催 釜石海保のパネル展も(別写真あり)

▲ 東日本大震災津波伝承館の7周年記念として開かれた県立図書館の「出張I─セミナー」

 陸前高田市気仙町の東日本大震災津波伝承館(館長・達増拓也知事)は22日、開館7周年を迎えた。この日は県立図書館(森本晋也館長)と連携した「出張I─セミナー」が初開催されたほか、釜石海上保安部(尾野村研吾部長)による「東日本大震災 釜石海上保安部の対応記録」パネル展もスタート。震災当時を知らない世代が増えている中、同伝承館では関係機関と連携しながら、当時の教訓や防災の知識を発信していく決意を新たにしている。(三浦佳恵)

 

釜石海上保安部によるパネル展がスタート

 同伝承館は、平成23年に発生した震災津波の事実や教訓、国内外から受けた支援への感謝を発信しようと県が整備。令和元年9月22日に開館し、今年8月末現在の累計来館者数は148万1367人に上る。
 開館7周年を記念し、同館では21日から23日までイベントを企画。丸7周年を迎えた22日には今回の目玉として、県立図書館と連携した企画を行った。
 同館は5年11月、館内に震災・防災の学び合いスペース「I─ルーム」を開設。震災・防災の学習拠点として利用が進む中、本年度は新たに沿岸での「出張I─セミナー」を企画し、この日が初回の開催となった。
 会場の高田松原津波復興祈念公園国営追悼・祈念施設セミナールームには、▽地震防災かるた▽防災カードゲーム・シャッフル+▽防災すごろくゲーム・ぐらぐらタウン▽みんなで遊んでたすカルテット──の各防災ゲームを用意。災害や防災に関する図書約30冊も展示した。
 来場者らは、図書館スタッフに遊び方を教わりながらゲームを体験。このうち、「地震防災かるた」は地震や津波などへの対応、日頃からの防災に関する知識をかるたで遊びながら学ぶもので、参加者らは夢中になって取り組んでいた。
 かるたを体験した山形県山形市の林博子さん(65)は「楽しかった。子どもたちも楽しみながら学べると思った」と、神奈川県川崎市の村杉拓真さん(29)は「地元の人の経験や、災害への対策を知るいい機会になった」と学びを深めた様子だった。
 森本館長は「出張I─セミナーは沿岸でも防災に触れる機会をつくりたいと企画し、11月には大船渡市でも予定している。震災を知らない世代が増える中で、楽しみながら備えなどを考える機会にしてほしい」と語った。
 一方、伝承館エントランスでは、釜石海保のパネル展がスタート。県内の活動に焦点を絞った展示は今回が初めてで、11枚のパネルを通じ、震災発生から津波被害、海保による捜索救助・災害支援活動などについて、当時の職員の証言も交えながら紹介している。
 同部管理課地域防災対策官の内藤和貴さん(26)は「記録を通じ、震災発生当時の緊迫した状況、被害の大きさなどを再確認し、次世代に伝えていく必要性を感じた。多くの方に当時の状況、海保の活動を知ってほしい」と来場を呼びかけている。
 伝承館の山本卓美副館長は「開館7周年は、震災から15年の節目でもある。震災を知らない世代が増えている中、伝承館で震災の事実や教訓、備えを学んでほしい。関係機関との連携も深めていきたい」と話していた。