過去最大1億円超の赤字 三陸鉄道の本年度決算損益見通し 燃料費や修繕費高騰重く

▲ 大船渡市内を走る三陸鉄道=盛駅

 三陸鉄道(本社・宮古市、石川義晃社長)は24日、盛岡市内で取締役会を開き、本年度決算のうち、当期損益が過去最大の1億859万円となる見込みを示した。補助金などによる特別利益や法人税ほかを加味しない経常損益も2億9190万円の赤字となる見通し。経常収益は前年度比で増加したものの、燃料費や修繕費高騰が経営を悪化させた。大船渡市内を走る盛〜釜石の乗車人員は、本年度も前年同期を下回る実績となっており、厳しい状況が続く。(佐々木貴大)

 

 決算見通しをみると、鉄道運賃収入は今年3月14日に運賃改定を行ったものの利用者の減少により、前年度比35万円(0・1%)減の3億1732万円にとどまった。関連事業収入などを加えた経常収益は同3350万円(3・6%)増の9億6371万円となる。
 経常費用は人件費が同1034万円(1・8%)増の5億7807万円、修繕費が同1億500万円(49・5%)増の3億1699万円、燃料他動力費が同2740万円(30・6%)増の1億1687万円といずれも増加した。その他の経費削減に努めたが、経常費用は総額が同1億3522万円(12・1%)増の12億5560万円と膨らんだ。
 これらの結果、経常損益は2億9190万円の赤字となる。赤字額は前年度比で1億172万円増加。本年度決算から国、県、市町村の補助金の一部を「特別利益」から「収入」に計上したため、経常損益は令和6年度以前の決算との比較ができないという。
 今年4〜8月期の収支状況をみると、経常収益は前年同期比1307万円(6・6%)減の1億8395万円、経常費用は同285万円(0・7%)増の4億1479万円となり、当期利益は2億3084万円の赤字となった。赤字幅は前年同期から1592万円拡大した。
 一方、同期間のリアス線全体の輸送実績は、同1万6345人(6・7%)減の22万7341人となった。内訳をみると、定期利用が同4974人(3・9%)減の12万3317人。定期外利用は観光、団体利用の減により、同1万1371人(9・9%)減の10万4024人だった。沿線の少子化に加え、4月に発生した三陸沖地震に伴う津波警報や大槌町で発生した林野火災に伴う利用控えもあったとみている。
 また、同期間における盛〜釜石の乗車人員は4万2615人で、同549人(1・3%)の減。定期利用は同2054人(12・3%)減の1万4683人と落ち込んだが、定期外は同1505人(5・7%)増の2万7932人と伸びた。
 石川社長は現状を踏まえ「経営改善に加え企画列車のブラッシュアップ、台湾鉄道との姉妹鉄道協定10周年や大型クルーズ船の寄港などを契機とした海外からの誘客促進ほか、マーケットを意識した経営改善を図る。厳しい経営状況ではあるが、地域の足である三陸鉄道を守るため、社員一丸となって頑張る」としている。