国保診療所の在り方は 市地域医療懇話会で議論

▲ 市内診療所の在り方に関して意見を交わす委員ら

 大船渡市地域医療懇話会(鵜浦哲朗会長、委員14人)は9月30日、市役所で開かれた。委員の任期最後の会合となり、市人口がしぼみ、医療機関の閉院も進む中、三陸町内にある市国保診療所3カ所の今後の在り方をテーマに懇談。市事務局から示された三つのパターンを参考にしながら意見を交わした。
 委員12人が出席。市事務局は市国保越喜来、吉浜、綾里の3診療所の在り方について、①三つの診療所を維持②診療所を統合・閉院、民間医療機関の参入模索③診療所の統合、機能を集約──の3パターンを示し、委員が懇談した。
 三陸町綾里の歯科診療所を加えた市国保診療所4カ所の診療報酬は、令和3年度1億3563万円。患者数減に伴い、13年度の推計値は9932万円と1億円を割る見込みとなっている。
 パターン①は地域に密着したかかりつけ医機能を維持する一方で、施設の維持管理費増に伴い、診療施設勘定への一般会計繰入金が12年度に1億円を超える見通しで、市財政を圧迫する懸念がある。
 パターン②は診療所を統合し、閉院した診療所を民間事業者に貸し付け、医療体制を維持する考え。パターン③は1カ所に診療所機能を集約させ、創出された財源を他事業に配分するもので、閉院した地域の交通移動支援などが求められる。
 懇談では「繰り出し金が増えても三つの診療所が存続すれば地域の人たちは助かるのではないか」「近くに医療機関があることはその地域で生活するうえで非常に重要であり、三つの診療所維持というのがベースとなる考え方だと思う。ただ、市の財政負担が大きくなる問題も考える必要がある」などと、パターン①を支持する意見が聞かれた。
 一方で、患者数の推移などを踏まえ、パターン③を「現実的な考え」とする委員も複数いた。ある委員は「平日に診療所を訪ねた際、患者が数人しかいなかった。集約の方向になるのかなと肌で感じた」と発言した。
 別の委員は仮に集約した場合の対策として、「通院支援をしっかりと予算化することが重要と感じる」と述べた。
 懇話会は令和6年10月に設置。市は今回の意見を参考に、今後の診療所体制の方向性などに関して庁内で検討する。今月29日で委員の任期が満了となるため、その後の懇話会の在り方も検討することとしている。
 市民生活部の佐藤二美部長は「さまざまな立場から意見をいただき、非常にありがたく思う。今後は総合的な観点から診療所の方向性について整理、検討していく」と総括した。