急坂 一気に駆け上がる 陸前高田で「ツール・ド・三陸」開幕 箱根山登山ルート復活 きょうは気仙両市巡るコースで
令和8年10月4日付 7面
「第15回ツール・ド・三陸~サイクリングチャレンジ2026~inりくぜんたかた・おおふなと」(実行委員会主催)は3日、陸前高田市内で開幕した。東日本大震災発生後に始まった大会は、今年で節目の15回を迎え、初日は米崎、小友両町の箱根山を舞台とした新競技「ヒルクライム・タイムトライアル・レース」を実施。市内外から出場したサイクリストたちが、自慢の脚力で急坂を駆け上がり、さわやかな汗を流した。大会は4日も、気仙両市のコースで行われる。(菅野弘大)
ツール・ド・三陸は、震災発生後の平成24年に始まった被災地応援のサイクルイベント。記録を競うのではなく、気仙の美しい沿道の風景、郷土食などを楽しむ「ファンライド」のイベントとして親しまれ、コロナ禍の折には大会形式を変えるなど、関係者が知恵を絞りながら継続している。
今年は節目の15回とあって、新たな取り組みを盛り込んだプログラムを展開。初日は、高田町のまちなか広場周辺での前日祭とヒルクライムレースを実施した。
箱根山の坂道を登るヒルクライムレースは、平成17年まで行われていた自転車大会「南三陸サイクルロード『りくぜんたかた』」のコースとして使用され、その後のツール・ド・三陸でも「マウンテンコース」として親しまれたが、コースの管理などに問題を抱え、長らくコースから外れていた。今大会では、市のふるさと納税を活用したクラウドファンディングで運営費を確保し、数年ぶりの「箱根山登り」が実現した。
ヒルクライムレースは、同大会としては初のタイムレース形式。米崎町の姥石神社付近からタイムを計測し、箱根山の「杉の家はこね」をゴールとするチャレンジクラス(計測区間3・2㌔)と、頂上まで向かうエキスパートクラス(同4・9㌔)の2種目に計67人(ゲスト含む)が出場した。
出場者らは、木々の緑と爽やかな風が吹き抜ける自然豊かなコースで、鍛えた脚力を発揮。沿道の応援を受け、必死にペダルを踏み、急勾配かつカーブが続くコースを駆け抜けた。エキスパートクラスは、さらに傾斜がきつい頂上までのルートに果敢に挑み、息を切らしながらゴールを目指した。
チャレンジクラスに出場した雫石町職員の笹川修一さん(61)は「新たにヒルクライムが追加され、試しに出てみようと思った。登りがいのあるコースで、達成感がある。4日の健脚コースも楽しみたい」と笑顔を見せた。
チャレンジクラスには、佐々木拓市長も出場。市と友好協定を結ぶ川崎フロンターレのユニホームを着用してゴールし「とても気持ちの良いコースだった。来年はエキスパートクラスにも挑戦したい」と意欲を見せた。
競技開始に先立ち、アバッセたかたやまちなか広場周辺で開かれた前日祭では、震災後、矢作町を中心に足を運び演奏を披露してきた二胡奏者の真真さん(61)=千葉県流山市=が、ツール・ド・三陸のテーマソング『三陸ペダル』を初披露。サイクリストたちが気仙のさわやかな風景を駆け抜ける姿と、明るい希望とを重ね合わせた曲が、大会直前の空気を盛り上げた。
4日は、アバッセたかたを発着点とした陸前高田、大船渡両市を巡るメインのサイクリングイベントを開催。▽健脚A(68・5㌔、獲得標高1050㍍)▽健脚B(46・6㌔、同809㍍)▽ファミリーコース(22・2㌔、同249㍍)──の3種目を実施予定で、午前7時からアバッセで開会式を行い、7時30分より順次スタートする。全てのプログラムの終了は午後3時を見込む。






