「あゆみ観音」に〝伴走〟誓う フルマラソン完走後に再訪 復興支援に尽力の西川さん(奈良県葛城市)(別写真あり)
令和8年10月7日付 7面
東日本大震災の復興支援業務で平成24年に陸前高田市に赴任した奈良県葛城市の職員・西川好彦さん(53)が4、5の両日、陸前高田市内を回った。4日に盛岡市で開催された「いわて盛岡シティマラソン」で完走後に、米崎町の「あゆみ観音」が安置されている立山観音堂をはじめ、思い出多い場所に足を運び、陸前高田の復興に向け息の長い〝伴走〟を誓った。(佐藤 壮)
西川さんは、震災発生を受けて陸前高田市に開設された「全国青年市長会陸前高田復幸応援センター」への派遣職員を募集した際に名乗りを上げた。約2カ月間、特色あふれる支援活動を重ねた。
同市への訪問は、同センターの「同窓会」が開かれた令和5年以来3年ぶり。5日は広田湾を見渡せる位置にある米崎町の立山観音堂を訪れ、葛城産の梅酒を奉納後、静かに手を合わせた。
震災で被災した立山観音堂は、本尊の聖観世音菩薩が津波で流失。平成28年8月、現在の場所に移設再建を果たし、新たな本尊として「あゆみ観音」が安置された。
西川さんは、赴任期間中に津波で倒木した高田松原のマツの有効利用について相談を受けたのを機に、奈良県で「あゆみ観音プロジェクト」を立ち上げた。葛城市の當麻寺中之坊とともに進め、制作の過程では、奈良の由緒ある寺院50カ所以上で1人ずつノミ入れが行われ、延べ約5000人が参加した。
あゆみ観音は全高1・37㍍で、高田松原に遊ぶ天童女をイメージ。かわいらしい姿で地域住民の心を和ませる。右足は親指を上げて半歩前に出し、一歩ずつ新たなまちづくりへと進む陸前高田の姿にも重なる。西川さんは「遠いところからも多くの人が訪ねてきている」と笑顔を見せた。
葛城市で課長職に就く西川さんは、フルマラソンランナーとしての一面も持つ。46都道府県で133回完走し、エピソードを紹介する新聞連載コラムでも知られる。今年の盛岡シティマラソンも、近畿圏とは異なる気候に苦労しながらも、5時間29分で駆け抜けた。
今後も東北でのフルマラソン挑戦に合わせ、陸前高田への再訪を誓う。「復興の歩みはこれからも続くし、僕のマラソン旅も続く。機会があるたびに訪ねることができれば」と話している。






