市出張所 廃止まで半年 綾里、吉浜の2カ所 来年2月郵便局に一部業務委託 4月に指定管理者導入 人口と窓口利用の減踏まえ
令和8年10月7日付 1面
大船渡市三陸町にある同市役所綾里、吉浜両地域振興出張所が、来年3月末に廃止されるまで半年を切った。人口減少や出張所窓口の利用減を踏まえ、より効率的な行政運営を推進するための措置。当初は今年3月末に廃止する計画だったが、大規模林野火災発生を受けて1年後ろ倒しにした。市は来年2月、両出張所の窓口業務の一部を地元の郵便局に委託し、出張所機能を置く綾姫ホールと吉浜地区拠点センターは同年4月に指定管理者制度を導入する方針。今後、適切な時期を見計らいながら周知に当たる。(高橋 信)
一部窓口業務の委託先は、綾里郵便局と吉浜郵便局。戸籍謄抄本、納税証明書、住民票の写し、戸籍附票の写し、印鑑登録証明書の交付申請のほか、行政事務の一部などを取り扱う予定で、現在、市と日本郵便㈱が契約事務を進めている。
来年2月の業務委託後も3月末までの2カ月間は、郵便局と出張所の「並走期間」とし、両出張所でも通常通り各種手続きは可能。準備が整い次第、年内にも郵便局での取り扱い業務を市ホームページなどで周知する。
4月以降、2人ずつ計4人配置している職員は不在となり、出張所が入る綾姫ホールと吉浜地区拠点センターは指定管理者が施設管理する予定。両出張所の所長が兼務している市国保綾里診療所、歯科診療所、吉浜診療所の事務長職も不在となるため、三陸町越喜来の越喜来診療所に専任の事務長1人を新たに置き、市国保診療所4カ所を担当する体制に変更することとしている。
三陸町綾里の70代男性は「地元にあって当たり前のものだったので廃止はやはり残念だが、人口が減っており、やむを得ないこと」と理解を示す一方で、「出張所が廃止され、本庁舎まで行くことになったとき、最も困るのは車を持たない高齢者。そうした人たちへの支援を考えてほしい」と注文した。
市によると、市の総人口は9月末現在3万881人。人口減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計値では令和12年に2万9297人と3万人を割り、32年には1万9269人まで減る見通しとなっている。
令和2年と32年を比較した人口減少率は、綾里地区68・3%、吉浜地区73・2%。深刻な人口減の一方で、東日本大震災関連の手続きは収束し、各種証明書のコンビニ交付なども相まって、出張所の窓口利用者数、取扱件数は年々減少している。
市はこうした状況を踏まえ、全庁を挙げた事務事業の見直し項目に「出張所の在り方」を盛り込み、人口減少下における効率的・効果的な行政サービスの方向性を検討。今年3月末の廃止を想定していたが、昨年2月の大規模林野火災後、一時的に窓口事務が膨らんだため、スケジュールを1年スライドした。
市役所三陸支所の金野幸恵支所長は「綾里と吉浜の郵便局で取り扱う事務は今後、適正な時期に周知を行い、地域の理解をいただきながら住民サービスの維持を図りたい。ご不便をおかけするところがあるかもしれないが、地域住民が困らないように丁寧な周知、説明に努めていく」と話している。






