シリーズにリキュール誕生 酔仙の「雪っこ」に新商品 11月販売開始予定 「北限のゆず」味など2種

▲ 「北限のゆず」を使用した雪っこゆずリキュール㊨と、内陸部を中心に販売される山ぶどうリキュール(サンプル商品)

 陸前高田市高田町に本社を置き、大船渡市猪川町に工場がある酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)は来月、人気商品「雪っこ」シリーズの〝新顔〟として「北限のゆずリキュール」など2種をリリースする。陸前高田市産「北限のゆず」の果汁が使用され、雪っこならではのほのかな甘みと、ユズのさわやかな香りを同時に楽しめる。気仙の個性をより強く打ち出せる商品であるとともに、さまざまな割り方ができて食事にも合わせやすいため、普段は日本酒を飲まない層にも人気が広がりそうだ。(鈴木英里)

 

 昭和45(1970)年に発売された活性原酒「雪っこ」は、全国にファンを持つ同社の看板商品の一つ。とろっとした口当たりとやさしい甘さが愛される〝白〜い〟にごり酒で、東日本大震災のあともコロナ禍の時も、変わらず会社を支えてきた。
 震災発生後は新たに、同社オリジナルの「赤色酵母」を使用し、アルコール度数が通常の雪っこ(20度)より低め(10度)で一層飲みやすい「ぴんくの雪っこ」と、夏季限定でさわやかな味わいに仕上げた「純米うすにごり雪っこ」(16度)も発売。基礎化粧品である「雪っこオールインワンジェル」も含めると、4種のラインアップがある。
 ここに加わるのが、「北限のゆず」の果汁を6%使用したリキュール。陸前高田市の北限のゆず研究会(佐々木隆志会長)の協力を受け、約2年間の試行錯誤を経て誕生した新商品だ。
 震災発生後、気仙地域を発信する新たな特産品としてユズに着目し、多彩な商品展開を試みてきた同会にとっては、全国にいる「雪っこ」ファンを足掛かりに「北限のゆず」を知ってもらいたいという狙いもある。
 他方、営業管理部の村上雄樹部長(49)は「単純に同じ地元の産品だから使ったというわけではなく、『北限のゆず』の香りの良さや品質の高さがあってこそのもの。ユズの香りと酸味が加わって、雪っこがますます飲みやすく魅力的な商品になった」と、コラボレーションの結果に自信をのぞかせる。
発売開始から半世紀以上、不動の人気を誇る「雪っこ」は品質保持のため毎年10月から3月ごろまでの限定販売となっているが、リキュールは火入れをして酵母の働きが抑えられているため、通年販売が見込まれる。
 アルコール度数は19度と雪っことほとんど変わらないが、ロックはもちろん、ソーダ割りなどの気軽な飲み方も楽しめることから、普段は日本酒をあまり購入しない新たなターゲット獲得も期待できそうだ。
 また、同社は葛巻町産のヤマブドウを使った「山ぶどうリキュール」も同時発売。「北限のゆずリキュール」は東北一円で展開されるが、「山ぶどう」は本県内陸部中心の出荷になる。
 価格はいずれも、300㍉㍑入りが税込み660円。720㍉㍑入りが税込み1540円。11月1日(日)から順次、酒販店やスーパーなどに入荷予定という。
 村上部長は「『北限のゆず』果汁は供給量がまだ少なく、とれる実の量も年によって違うといった事情もあるが、地元の素晴らしい産品として一緒に盛り上げていけたら」とし、レギュラー商品としての定着を目指す。