ドングリ集め森林再生を 林業従事者と地域住民が新プロジェクト 林野火災復興「自分たちの手で」 17日に綾里で「拾い会」

▲ 今後のプロジェクト展開に意欲を見せる東川さん㊧と新沼さん

 ドングリを集め、2年間かけて育て、焼けた山に植え戻そう──。大船渡市大規模林野火災からの森林再生に向け、市内の林業従事者と綾里地区在住の住民が「大船渡みんなの森守プロジェクト」を立ち上げた。採取したドングリを、市内に置くプランターや全国各地の家庭で育て、伐採跡地での植栽を目指す。17日(土)には、綾里で「拾い会」を企画。大規模で息の長い事業となる森林再生に、多様な人々が関わる機会の創出を目指す。(佐藤 壮)

 

 プロジェクトを立ち上げたのは、日頃市町の新沼滉さん(30)と三陸町綾里の東川今さん(28)。新沼さんは今年4月に造林会社の青葉組に就職し、森林再生に関わる。東川さんは大規模林野火災で自宅が全焼し、仮設住宅暮らしを経験。復旧・復興の活動にも積極的に参加している。
 大規模林野火災の延焼面積は3370㌶に及び、うち1000㌶を超える人工林での森林再生は長期間を要する。再生事業の大半は、行政側が専門事業者に発注して進める中、このプロジェクトでは、一般市民をはじめ多様な人々が森づくりに関わる流れを目指す。
 活動の第1弾として、17日午前10時~正午に、綾里の「大小迫つむぎの家」でドングリ拾いを計画。3000粒を目標に採取し、その場で選別する。
 12月からは、市内の公共施設や商業施設など7カ所にプランターを置き、計70本の苗木を育てる。苗が育つ過程をまち全体で共有する形も目指す。2年間で高さ60㌢ほどまで成長が期待できるという。
 プランターで育てる苗木1本ずつに通し番号を付け、クラウドファンディングの支援者が〝オーナー〟になり、植栽までの間、苗木の状況を動画や位置情報で確認できるようにする。
 さらに、全国300人程度にドングリを3粒ずつ送り、各家庭でも成長させてもらう。2年後には伐採跡地で植栽する。
 取り組みでは「苗のパスポート」も制作し、ドングリを拾った人、2年間育てた人、植えた人がそれぞれ分かるようにする。今月中に、ドングリを育てる人の募集周知を計画している。
 新沼さんは「若い世代に加え、出身者や大船渡に強い思い入れがあるなど『ふるさと』と思う人に参加してもらえれば。参加しやすい活動にすることで、まちづくりへのハードルも下げたい」と話す。
 東川さんは「海が豊かになるには、山が重要。山の活性化に貢献できれば」と期待を込める。
 17日の「拾い会」は定員30人で参加費は無料。軍手、飲み物などは各自持参し、長袖・長ズボン、長靴か登山靴で参加を。参加申し込みは専用フォーム(別掲QRコード)で対応する。
 同プロジェクトでは31日(土)まで、ドングリの発送やプランター整備といった運営費に充てるクラウドファンディングにも挑戦。専用サイトの「ForGood」で受け付けている。
 問い合わせは同プロジェクト(ofunato.morimori@gmail.com)へ。