震災後休止の大祭復活 越喜来・新山神社 16年ぶり
令和8年10月12日付 1面
大船渡市三陸町越喜来の新山神社(宮﨑和貴宮司)の式年大祭は11日、越喜来地区で開かれた。4年に1度、同地区の浦浜地域の大祭実行委員会が開催してきたが、15年7カ月前に起きた東日本大震災の津波で大きな被害を受け、それ以降見送られてきた。16年ぶりに復活した今回は地区内の崎浜、甫嶺、上甫嶺各地域にも参加を呼びかけ、越喜来地区を挙げての行事となった。「感無量」「最高の気分」。秋晴れの下、住民らが世代を超えて集まり、地区一体となって盛り上がるまつりの醍醐味を味わった。(高橋 信)
大祭実行委(鈴木健悦委員長)が主催。平成22年の前回は大雨の中で行われたが、同日は祭り復活を祝うかのような青空が広がった。
神社での神事に続いて、神輿を乗せた船団は泊漁港を出発。大漁旗をなびかせながら越喜来湾内を巡ったあと越喜来漁港に入り、権現舞組の群舞などで出迎えた。
神輿を漁港に下ろしたあと、3隻の唄い込み船がもう一度湾内を巡航。大漁唄い込みを響かせながら再び港に戻り、岸壁には大勢の人が集まった。その後、餅まきが行われ、歓声が響いた。
三陸公民館に移動後、余興の奉納がスタート。手踊り組は息の合った華やかな踊りを披露し、大型トラックの荷台に太鼓を積み、手踊りを演奏でもり立てる太鼓山車組は力強い太鼓の音を響かせた。韓国の伝統芸能団体「高敞(コチャン)農楽保存会」も特別出演した。
金津流浦浜獅子躍り組は、勇壮な舞で来場者を魅了。16年前の大祭にも出演したという同組の坂本琢磨さん(53)は「前回は雨が降り、大変だったが、今回は絶好の天気。浦浜の歴史あるお祭りが16年ぶりに開催され、うれしい」と再開を喜んだ。
仲、西、南、泊の浦浜4地域でつくる浦浜連合権現様組は、総勢約40人が出演。「ささら」の一人、中島龍司さん(越喜来小3年)は「少し疲れたけど、にぎやかで楽しい。これからも続いていってほしい」と笑顔を見せていた。
越喜来地区は震災で甚大な被害を受け、新山神社の宮司不在などを背景に、神社行事も一度途絶えた。令和3年、末崎町・熊野神社の宮﨑宮司が兼任する形で就任し、総代会(及川昭吾会長)が発足。例祭や新嘗祭が再開し、徐々に機運が高まり、式年大祭の復活に至った。
及川会長(74)は「感無量の一言。越喜来は震災でやられ、その後、宮司も亡くなった。大祭再開は難しいという思いもあった。実行委や関係者の皆さんに心から感謝している」と感激していた。
鈴木委員長(76)は「手探りの中で準備を続け、本当に開催できるか不安もあった。地域や地元企業、漁協などあらゆる関係者・団体の力で無事本番を迎えることができ、最高の気分。越喜来が一つになるまつりの意義を次の世代にも感じてもらいたい」と目を細めた。






