不振のサンマ漁 巻き返しへ 13日の市魚市場 今季初の水揚げ100㌧超
令和8年10月14日付 1面
大船渡市魚市場に13日、地元内外の大型サンマ船7隻が入港し、計106㌧を水揚げした。1日で100㌧を超える水揚げは今季初めてで、昨年より1カ月以上遅い。今年は、令和最多の数量を記録した昨年とは打って変わって不振が続いており、「これほど少ない年もない」と懸念する漁業者も。一方、サンマを扱う水産業者からは「10月後半以降に巻き返した年もあるので、これからなんとか好転を」と願う声も聞かれ、今後の漁況が注視される。(齊藤 拓)

直送便の出荷作業を開始した大船渡水産物商業協同組合
この日は、同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有する三笠丸6隻と、福島県いわき市の大型船1隻が入港。このうち鎌田水産は、大船渡から30時間ほど離れた公海などで操業した。
朝日が差す中、同市場の岸壁に並んだ各船がそれぞれ水揚げし、場内にはサンマの入ったタンクや買い受け人らのかごが並んだ。漁獲されたサンマは100㌘以上が4割、それ以下が5割と小型が大半を占め、1㌔当たりの価格は1100~428円だった。
同魚市場と県水産技術センターの水産情報配信システムによると、同日時点で約2980㌧を水揚げした昨年に対して、今年は同日時点で約460㌧と、昨年同期の15%ほどにとどまる。また、平成以降で最低水準だった令和3年の同日時点の数量も下回っている。
第十一三笠丸の松谷裕漁労長(66)は「40年ほどサンマ漁に出ているが、これほど少ない年は珍しい。ここから漁獲が増える可能性は不透明だ」と憂慮し、他の三笠丸漁労長らも「今回はまとまった量がたまたま取れたが、群れはやはり薄い。最近は大きいしけもあったので、その影響もあるのでは」と話す。
一般社団法人漁業情報サービスセンターが発表した本年度第3回サンマ中短期漁況予報では、三陸海域は今月下旬から魚群が来遊する見込み。その後、11月中旬にかけて低水準で増加、推移する。
一方、同日の水揚げを受け、気仙の鮮魚小売業者などで構成する大船渡水産物商業協同組合(新沼哲理事長)では、8月から注文を受け付けていた「大船渡港さんま直送便」の出荷作業が始まった。発送開始を予定していた9月中旬から1カ月遅れての初出荷となった中、関係者らはよりよい状態のサンマを全国に届けようと作業に励む。
大船渡町の組合作業場では、関係者8人がサンマをサイズごとに選別。紫外線殺菌海水を用いた発泡スチロール箱に入れて氷とともに箱詰めしていった。
同組合によると、8000箱以上を取り扱った昨年に対し、今年は7000箱程度で推移しているが、遠くは九州など全国各地から注文が来ている。
新沼理事長は「今年は不漁に台風と悪い条件が重なっているが、いいサンマを選んで全国に届けたい。過去には10月後半から数量を巻き返した年もあるので、これからなんとか好転することに期待する」と話し、昨年逃した数量本州一の奪還とともに、金額本州一の継続へ力を入れた。
取り扱い価格はいずれも送料・税込みで▽大10尾入り4300円▽大15尾入り5300円▽大20尾入り6400円▽中20尾入り4500円▽中50尾入り8000円▽大30尾入り8300円▽大50尾入り1万2000円──。九州地方へは500円、沖縄県へは1000円の送料が別途かかる。
申し込みは電話(27・9999、平日午前9時~正午、午後1時~3時)またはファクス(0120・27・0025、24時間)で、同組合の大船渡港さんま直送便係へ。30日(金)まで受け付けている。






