2026大船渡市長選/出馬表明 現職のみ 無投票の可能性も 告示まで残り1カ月

 任期満了に伴う大船渡市長選は、11月15日(日)の告示まで残り1カ月となった。立候補を表明しているのは、1期目の現職・渕上清氏(68)=盛町=のみ。ほかに出馬を模索する動きがあり流動的だが、同市長選としては46年ぶりに無投票となる可能性もある。告示まで1カ月の時点で新人4人が名乗りを上げ、前哨戦が熱を帯びていた前回選とは対照的に、市内は盛り上がりに欠け、静けさに包まれている。(高橋 信)

 

渕上 清氏

 「肌感覚ではあるが、60%程度は手をかけていたもの、達成したものがある」
 市役所で8日に開かれた定例記者会見で、渕上氏は4年前に掲げた選挙公約の達成状況について、こう総括した。
 前回選では▽地元の産業を強く元気に▽若者の活躍でみんな笑顔に▽支え合ってみんな幸せに──からなる「未来への3本柱」を掲げ、就任後は経済と子育て分野を軸とした政策を推進した。
 今市長選を巡っては8月、無所属で立候補すると表明。政党推薦は求めない。活動の軸となる同氏後援会(今野武義会長)は前回選と同様、市内に12支部を設置した。
 後援会事務所開きは25日(日)、大船渡町地ノ森の現地で行われる予定。後援会は渕上氏が力を入れてきた施策や昨年2月の大規模林野火災で陣頭指揮を執った1期目の実績を強くアピールしていく。渕上氏が2期目に向けてどのような公約を掲げるか、公表の時期を含めて注目が集まる。
 今野会長は「市民の声に耳を傾け、熱い思いを持って仕事に臨んでいる。前回選とは異なり、今回は現職としての実績もアピールできる。なんとしても再選してもらうため、後援会が支えていく」と気を引き締める。
 同市長選は市制施行後、今回で通算21回目。無投票に終わったのは昭和55年を最後に3回しかない。
 前回選は3期12年務めた当時の現職が勇退し、過去最多の新人5人が立候補。告示1カ月前は、立候補予定者による各地での集会や街頭活動、あいさつ回りなどの前哨戦が活発化し、選挙ムードが高まっていた。
 一転して今回は「無風ムード」が漂い、盛り上がっていない。「この時期に現職以外、立候補を表明していない。このまま誰も出ないのではないか」との見方も広がり、投票を通じて市民の信を問う機会が失われる可能性もある。
 こうした無投票再選を阻止しようと、前回選にも挑んだ男性が現在、立候補の可能性を探っている。
 男性が代表を務める政治団体は近く、市内で座談会を開催する。出馬するかどうか態度を保留しており、男性は「今月末をめどに、出るか、出ないか決めようと思っている」と話す。
 市選管は20日(火)、市役所で立候補予定者説明会を開く。選挙戦となれば、投開票は11月22日(日)に行われる。
 市有権者数は9月1日現在、2万7288人(男1万2990人、女1万4298人)。前回選の投票当日有権者2万9301人と比べると、2013人少ない。