「諦めない気概を持って」 大船渡高校探究の時間 元プロ野球選手・古田さんが講演(別写真あり)
令和8年10月17日付 7面
大船渡市猪川町の大船渡高校(石井美樹子校長、生徒369人)で15日、本年度2回目となる「大船渡学プロフェッショナル講座」が開かれ、名捕手として名をはせた元プロ野球選手・古田敦也さん(61)が講演した。古田さんは、「簡単に諦めない、へこたれない気概を持つことが大切」と語り、野球を始めた子ども時代からプロ野球選手になるまでの人生を回顧。必要に応じて自分を変えていく大切さなども訴え、無限の可能性を秘めた生徒たちの背中を押した。(新沼麻波)
同講座は、学校独自に取り組む総合的な探究の時間「大船渡学」の一環で、今年初めて企画。将来、生徒たちが社会で活躍できるよう、プロフェッショナルの話を聞いて自分の生き方に反映してもらうことを狙いとしている。本年度は全3回を予定し、初回は今月8日に同校出身の物理学者・佐藤寿紀さんを招いて実施した。
古田さんの講演は、一般財団法人藤本育英財団(藤本由紀子理事長)=東京都=の協力で実現したもの。同財団は昨年度、同校3年生のうち進学を希望する生徒90人の受験を給付型の奨学金で支援。卒業生たちから感謝の手紙が寄せられた財団側が感銘を受け、同財団の評議員としても名を連ねる古田さんの講師派遣を提案した。
当日は、全校生徒と教職員のほか、保護者約40人も講演を聴講するために来校。古田さんが登場すると保護者席からも歓声が上がり、盛り上がりの中で講演がスタートした。
古田さんは、高校生の頃はプロになるとは考えてもいなかったこと、熱烈な誘いを受けて立命館大学に進学して野球部に入ったこと、さまざまな試合や大会で活躍して注目を集めたことなどを回顧。
プロ入りが確実視されていた中、ドラフト会議で指名されず悔しい思いをしたことにも触れ、「意地でもプロになってやると思った。この挫折で感じた悔しい気持ちがエネルギーに変わったから、その先につながった」などと述べた。
また、関係者から「めがねをかけて活躍した選手はいない」と指名しなかった理由を説明されたことも明かし、〝めがねをかけて活躍した最初の選手〟となるべく努力を重ねた過去を紹介した。
実際に2年後のドラフト会議でヤクルトスワローズに指名され、プロ入り。「どうやったら選ばれるか計画を立てていたので、だめと言われても戦略を練ればうまくできるという成功体験になった」と、当時の喜びを語った。
講演後には質疑応答の時間が設けられ、野球部の生徒らが古田さんに直接質問。再度のドラフト会議までの2年間、具体的にどのような努力をしてきたのかなど、野球だけでなく人生にも役立つ貴重な話を聞く機会となった。
生徒を代表して古田さんに感謝の言葉を伝えた野球部キャプテン・金野海碧さん(2年)は、「選手や監督としての視点、挫折したときのことなど、自分たちも今後必要になる力を多く学ぶいい機会になった」と真剣な表情。「できないと言われて落ち込むのではなく、その悔しさを力に変えることが大切だと学んだ。挫折したときはチーム全員で前を向いて戦っていけるように、古田さんの言葉を胸に刻みたい」と前を見据えていた。






