大船渡産キャビア商品化 ㈱テツゲンメタウォーターアクアアグリ チョウザメの卵使用 上品な味
令和8年10月18日付 7面
チョウザメの養殖とレタスの水耕栽培を組み合わせた循環型農法を手がける大船渡市の㈱テツゲンメタウォーターアクアアグリ(並木学代表取締役社長)は、チョウザメのキャビア「三陸キャビア 大船渡のしずく」を商品化した。本県沿岸では東日本大震災で国産キャビアの生産が途絶えたが、令和4年、市内に生産施設を設けた同社が独自ブランドで復活を果たした。市のふるさと納税返礼品として取り扱われており、希少な高級食品を通じたまちの認知度、ブランド力の向上に期待が集まる。(高橋 信)

お披露目会でキャビアを試食する渕上市長(左端)ら関係者
「大船渡のしずく」は、チョウザメ科「コチョウザメ(スターレット)」の魚卵を使用。素材のうまみと濃厚なこくを味わってもらうため、塩分濃度を3%に調整し、マイルドで上品な仕上がりにした。フレンチやイタリアンのほか、和食や日本酒との相性も良いという。
商品のお披露目会は10日、大船渡町での市産業まつり会場で開かれ、同社関係者や渕上清市長、大船渡商工会議所の菊池透副会頭らが出席。記念のくす玉を割り、試食した。
渕上市長は「商品名に『大船渡』の名前を入れてもらった」と喜び、「当市で新たな事業が生まれることは大変意義深い。今後さらに事業成長していってほしい」と期待を込めた。
菊池副会頭は「皆さんの並々ならぬ努力と日々の試行錯誤の積み重ねに敬意を表する。丹精込めて育てたチョウザメから生み出されたキャビアは情熱と技術の集大成だ」とたたえた。
商品は15㌘入りで、販売価格は税別1万6000円。本年度は約800個の製造を見込み、来年度以降さらなる増産を目指す。市のふるさと納税返礼品として取り扱われているほか、今後は料亭や居酒屋などへの出荷、ECサイトでの販売を見据える。
テツゲンメタウォーターアクアアグリは、㈱テツゲン(本社・東京都)、メタウォーター㈱(本社・東京都)、㈱プラントフォーム(本社・新潟県)の3社が立ち上げた合弁会社。令和4年、大船渡町の大船渡浄化センター敷地内に温室などを整備し、「アクアカルチャー(養殖)」と「ハイドロポニックス(水耕栽培)」を組み合わせた新たな農法「アクアポニックス」を展開している。
現在、約2500匹のチョウザメを養殖。併せて栽培しているレタスはすでに地元のスーパーマーケット「マイヤ」などに出荷している。
同社によると、県内では1980年代にチョウザメの養殖が始まり、平成15年に初めて国産キャビアの製品化に成功。しかし、東日本大震災で釜石市の製造会社が被災し、キャビアの生産も終了した。
並木代表取締役社長は「三陸大船渡の豊かな恵みと技術力を結集した商品。大船渡の特産となるようPRしていく」と力を込める。






