気仙のカキ 豊洲市場へ 各地でむき身作業本格化

▲ 気仙でカキのむき身作業が本格化=大船渡市大船渡町(17日)

 10月に入り、気仙では東京都中央卸売市場・豊洲市場に出荷する養殖カキのむき身作業が本格化している。個体の小型化や病気の発生といった懸念材料もある中、漁業者らはカキの順調な成育を願いながら作業に汗を流している。
 大船渡市大船渡町宮ノ前の岸壁に並ぶ作業場では17日、大船渡養殖組合(中島達也組合長)の関係者らが、殻にナイフを入れて身を取り出す作業にいそしんだ。
 殻から取り出された乳白色の厚い身が大きさごとに仕分けられていく中、中島組合長は「中には一部が緑に変色した身もある。西日本の方でみられるカキの病気だが、ここでも東日本大震災後から発生しており、原因はまだわかっていない状況だ」と影響を懸念する。
 また、別の漁業者は「前日の取引価格は1㌔当たり6800~5800円で、昨年よりもやや高い値段で取引されている」と話し、引き続き高値で推移するよう願っていた。
 気仙では近年、猛暑による海水温の上昇でカキの成育遅れや死滅が相次いでいる。
 気象庁によると、今年の県南部沿岸の海水温は、平成3年〜令和2年の平均値からマイナス1~プラス3度で推移。6月以降は乱高下を見せているものの、過去5年の平均値を下回る期間も多く、今後の海水温の安定化が注視される。
 中島組合長は「今のところ、豊洲市場に出荷しているのは気仙だけだが、20日ごろには宮城県でも出荷開始が見込まれている。そこからは価格がまた変動すると思う」と話した。
 市漁協管内の昨年度の取り扱い実績は、むき身が約95㌧で3億2678万円、殻付きが約4200㌧で4億994万円だった。本年度はむき身78㌧、2億6150万円、殻付き3980㌧、3億9410万円を計画する。
 カキの出荷シーズンは、来年春まで続く。