数量は近年最低水準で推移 8、9月のサンマ水揚げ実績 大船渡市魚市場 前年同期比で約9割減 金額も大きく落ち込む
令和8年10月22日付 1面
大船渡市魚市場を運営する大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)は、同魚市場における8、9月のサンマ水揚げ実績をまとめた。数量は前年同期比87・7%(2051㌧)減の288㌧、税込み金額は同71・7%(7億6469万円)減の3億206万円と大きく落ち込んだ。令和最多の数量となった昨年から一変し、今年は全国的に記録的不漁が続く。同魚市場でも近年の9月末時点で最も数量が少なかった令和4年をさらに下回る、最低水準の実績で推移している。(齊藤 拓)
同魚市場では今シーズン、8月17日にサンマが初水揚げされた。サンマ船の9月末までの入港隻数は21隻(前年同期比12隻減)で、すべて同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有する大型船・三笠丸だった。
昨年9月末時点の水揚げ状況をみると、100㌧以上の大規模な水揚げは計9日あった。一方、今年9月末時点で100㌧以上の水揚げはなく、最多数量は9月28日の67㌧にとどまる。
同月末までの総水揚げ数量は288㌧。500㌧を下回ったのは497㌧だった令和4年以来で、今シーズンの水揚げ不振が際立つ。「大船渡港さんま直送便」の注文を受け付けている大船渡水産物商業協同組合では、当初9月中旬に予定していた発送を延期し、昨年より1カ月ほど遅い10月13日から出荷が始まった。
一方、同魚市場における今年8、9月のサンマの平均価格は1㌔当たり1049・9円。全国的な不漁もあり、昨年両月の455・9円と比べて2倍以上に高騰した。
今漁期の初めは、大船渡から2~3昼夜かかる公海が主漁場で、同魚市場に水揚げされたサンマは、小型の80㌘以上から中型の120㌘以上までが多くを占めた。同社の佐藤光男専務は「北海道だと、小型船が操業するような近場の漁場で漁獲されるものは、ほぼすべてが小型だったようだ。特に50㌘以下のものは加工用にもできず、使い道がない」と話し、成長した魚体を待ち望む。
市魚市場のサンマ水揚げ量(いずれも年度)は平成20年が3万400㌧で、以降は震災で被災した23年も含め30年まで1万~2万㌧台で推移した。
令和に入ると1万㌧を下回り、元年が6400㌧、2年が6238㌧。3年に2471㌧と平成以降で最低を記録したが、以降は4年3054㌧、5年3877㌧、6年5650㌧、7年8437㌧と推移。低水準が続きながらも回復傾向を示してきた中で、今シーズンはこれまで、近年最低水準の実績に落ち込んでおり、今後の漁模様が注目される。
佐藤専務は「黒潮大蛇行が終息して数量が上向くかと思ったが、海にはまだ温かい水の塊があちこちにある状況なのかもしれない。今年はここまで、9月末時点の数量が少なかった令和4年と似た状況だが、その年の総数量は10月で約1700㌧、11月で約3000㌧となった。今年はここから巻き返すかが問題だ」と話した。





