迫る2回目の回答期限 大規模林野火災 被災林意向調査30日まで 負担ゼロ受け「事業活用」も一定数
令和8年10月23日付 1面
大船渡市大規模林野火災の森林再生に向け、市が行っている2回目の「被災私有林の復旧に係る意向調査」は、回答期限が30日(金)に迫った。昨年の調査で「復旧を希望しない」と回答した所有者や未回答者が対象。今年に入り、森林保険費用や下草刈りへ実質負担がゼロとなるよう補助制度が充実した中、前回希望しなかった層が事業活用に転じる動きも一定数見られる。市では、回答していない所有者の早期提出を呼びかけるほか、相談も随時受け付ける。(佐藤 壮)
今回の調査対象は昨年9~10月の調査で「復旧を希望しない」と回答した256個人・団体(649・08㌶)と、未回答だった138個人・団体(239・74㌶)で、計394個人・団体888・82㌶。市は先月中旬に発送した。
質問は3項目で、被災した森林に関しては▽市に伐採・植栽を任せる(森林災害復旧事業を活用)▽自分で林業事業者に伐採、植栽を依頼する(森林整備事業を活用)▽県の補助制度を活用し伐採のみ行う(伐採面積が1㌶以下のみ対象)▽補助制度を活用した再生を行わない──から選ぶ。
市林野火災対策局では、現段階で回答が寄せられた数や、その内訳を明らかにしていないが、「市に伐採・植栽を任せる」が一定数あり、「自分で林業事業者に依頼する」「県の補助制度を活用する」は少数という。「再生を行わない」の回答で提出した所有者も見られる。
前回の回答で「希望しない」と答えた所有者が、今回は「任せる」にする動きが広がる。所有者負担軽減への理解に加え、周囲の所有者が事業を活用するのを踏まえ、対応を合わせるといった選択も考えられる。
市に伐採を任せる場合と、所有者自身が林業事業者に依頼する場合の作業手順は別掲の通り。いずれも、森林保険補助に該当し、下草刈りの費用も助成され、実質的な自己負担はない。森林所有者が市に伐採を任せる場合、伐採時期や植栽樹種を委ねる形になる。林業事業者への依頼は「相談したい林業事業者がいる」「伐採時期や植栽樹種を自分で決めたい」に該当する所有者に推奨する。
被災木は将来、傷みが進むことによる倒木、土砂流出といった二次被害の懸念もあり、山林保全の観点からも再生事業の重要性が高まっている。今年に入り、所有者の金銭的な負担を解消する補助制度の充実が進んだ一方、調査用紙配布から約1カ月が経過した状況でも、回答していない所有者も多い。山林管理への関心の低さや、数十年にわたる管理や相続への不安などがうかがえる。
市は今年8月の林地再生対策協議会で、本年度の森林災害復旧事業発注計画を示した。綾里地区を中心とした全11カ所で、私有林と市有林合わせて面積合計は199㌶。2回目の調査対象となった私有林の中にも、この計画地に含まれる場所があるという。一方、所有者の回答未提出によって、事業を希望する近隣の私有林への着手が遅れるといった影響はないという。
同対策局の大和田智次長は「所有者がどのように復旧するか悩んでいる場合も考えられ、随時相談を受け付けている。回答が決まっていない状況や、制度がよく分からないといった場合でも問い合わせをしてほしい」と語る。市役所で相談を行い、その場で調査書を提出する所有者も見られる。
意向調査の結果は、次回の林地再生対策協議会で示される見込み。集計と併せて、所有者の意向に沿い、森林再生事業の調整を進めることにしている。意向調査に関する問い合わせは、同対策局(℡27・3111)へ。





