狩猟者確保へ支援手厚く クマ出没増など受け 市が銃猟免許取得補助額を増額

 大船渡市は、有害鳥獣の食害防止や市民の安全・安心な暮らしを守るべく、狩猟者確保に向けた支援事業を強化した。大船渡猟友会に入会し、新たに第一種銃猟免許を取得する人に対して最大5万円を支給していたが、全額補助に拡充。猟銃購入費の補助額も従前から2・2倍の最大11万円に引き上げ、補助対象経費にガンロッカーなどの購入費(補助上限額6万円)を新たに加えた。近年、市内ではツキノワグマの出没が相次いでおり、既存の補助制度を手厚くして、安全対策を下支えする担い手確保を狙う。(高橋 信)


 対象者は▽おおむね3年以内に第一種銃猟免許を取得し、大船渡猟友会に入会した▽原則、将来にわたり市の有害鳥獣対策事業に従事する意思がある▽市内に住所がある▽市税を滞納していない──のすべてを満たす人。
 狩猟免許受験手数料など銃猟免許を取得する経費に対しては、これまで補助率2分の1で、最大5万円を支給していたが、補助上限額を撤廃し、経費を全額補助する。
 猟銃の取得費も従前は補助率2分の1、補助上限額5万円に設定していたが、拡充版では4分の3、11万円に改めた。さらに補助対象経費に「ガンロッカー、装弾ロッカー取得経費」を新設し、経費の4分の3、最大6万円を支給する。
 市鳥獣被害防止計画(令和8~10年度)によると、7年度における野生鳥獣の農作物被害額はシカ351万円、イノシシ149万円、ハクビシン131万円、クマ44万円、サル139万円。シカは市内全域に生息し、農作物被害は高水準で推移している。イノシシは5年度以降、急激に被害が増えており、五葉山に生息するサルによる被害拡大も懸念される。
 さらに近年はクマの市街地への出没が急増し、7年度の目撃情報は前年度比50件増の164件だった。8年度は8月末時点で、前年同期比28件(34・6%)増の109件とさらに増加。特に6月は単月で61件に上り、前年の約2・5倍に膨らんだ。
 市はクマの目撃情報を得るたびに、大船渡猟友会会員が担う市鳥獣被害対策実施隊(隊員数54人)と連携しながらパトロールを実施。昨年12月には気仙地区としては初めて自治体の判断で銃猟を可能とする「緊急銃猟」を実施し、クマ1頭を駆除した。
 こうした状況を踏まえ、市は狩猟者の増員につなげようと、既存の銃猟免許取得に関する補助制度の見直しを検討してきた。
 同課の担当者は「緊急銃猟制度も始まり、狩猟者の存在は今後さらに重要となる。有害鳥獣による農作物への被害、人身被害を防止するため、支援制度活用を通じた狩猟者のさらなる確保に努めたい」と話す。
 拡充した補助金の概要は別掲。問い合わせは、同課林政係(℡27・3111内線353)へ。