就航35年の記念旅を歓迎 大船渡港 客船「飛鳥Ⅱ」寄港

▲ 大船渡港に寄港した客船「飛鳥Ⅱ」

 郵船クルーズ㈱(神奈川県)の大型クルーズ客船「飛鳥Ⅱ」(渡辺恒介船長、5万444㌧)は27日、大船渡市の大船渡港に寄港した。飛鳥クルーズ就航35周年を記念する日本一周の船旅で同港に立ち寄り、初代「飛鳥」の時代から客船を受け入れてきた市や大船渡港振興協会(会長・渕上清市長)は、大船渡ならではの歓迎行事や記念植樹、花火の打ち上げを行い、節目を祝った。
 この日は時折雨が降り、霧が立ちこめる中、優雅な客船が午前9時ごろ大船渡港に入った。接岸した野々田ふ頭では市内各種団体の女性有志ら約20人が「御祝い」を、大船渡町の大船渡保育園年中・年長児約30人が鹿踊りを披露し、歓迎した。
 入港歓迎セレモニーで、渕上市長は10月28日が初代飛鳥の就航日であることに触れ、「35年という歴史の中で郵船クルーズと大船渡港が紡いできた深い絆を感じ、胸が熱い思いだ。きょうは限られた時間ではあるが、市民一同心を込めて歓迎する。出港までのひとときを心ゆくまで楽しんでほしい」と笑顔で呼びかけた。
 セレモニー後、大船渡町の市防災観光交流センター「おおふなぽーと」に会場を移し、記念植樹を実施。渕上市長や県沿岸広域振興局の佐々木雅章副局長、渡辺船長、別府将行機関長らが臨み、「返礼」「永続性」の花言葉を持つハナミズキの苗木1本を同施設そばに植えた。記念標柱には、昨年2月に発生した大規模林野火災の被災木が一部使われた。
 一方、ふ頭では大船渡の秋の味覚・サンマの炭火焼きが乗船客向けに振る舞われ、市特産品や銘菓などの物産販売コーナーも開設された。市内外を巡るオプショナルツアーも行われ、乗船客が思い思いに三陸の秋を楽しんだ。
 飛鳥クルーズへの乗船が15回目という埼玉県川口市の鈴木直大さん(75)は「大船渡への寄港は初めてで、とても楽しみにしていた。三陸沿岸ならではの体験ができたらいい」と期待を込めた。
 このほか同日は、船内で大船渡町の郷土芸能「赤澤鎧剣舞」の披露があり、夜には花火が打ち上げられた。客船は当初、大船渡港に1泊停泊し、28日午前中にたつ予定だったが、天候の影響で27日夜に出港した。
 初代飛鳥は平成3年に就航。18年、飛鳥Ⅱに引き継がれ、昨年、飛鳥Ⅲが就航した。
 飛鳥Ⅱの寄港は、今回で通算24回目。長崎、函館などを巡る横浜港発着の「秋の日本一周クルーズ」(17~29日)の経由地として立ち寄った。
 渡辺船長は「多くの皆さんに歓迎していただき、非常にうれしく思う。毎回大船渡に来るたびに、『帰ってきました』という思いを持つ。改めて初代飛鳥から続く深い縁を感じている」と話した。