県内で65年ぶりに営巣確認 絶滅危惧Ⅱ類のコシアカツバメ 広田小で6月中旬から子育て  少なくとも2回は育雛か(別写真あり)

▲ 広田小で営巣し、子育てを行うコシアカツバメ(6月19日撮影)

 陸前高田市広田町の広田小学校(吉田和浩校長、児童90人)敷地内で、6月中旬から今月中旬の約4カ月にわたり、スズメ目ツバメ科の鳥・コシアカツバメが営巣していたことが同市立博物館の学芸員によって確認された。同博物館や日本野鳥の会宮古支部によると、県内における営巣の記録は65年ぶりとなり、滞在期間から2回はひなを成鳥になるまで育てる育雛が行われていたとみられる。同校では、全校を挙げてコシアカツバメの子育てを温かく見守ってきたといい、「来年もぜひ来てほしい」と小さな訪問者を待ち望んでいる。(三浦佳恵)

 

 『いわてレッドデータブック』によると、コシアカツバメは全長約20㌢で、県内では絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。だいだい色の腰と、ツバメよりも太く、長い尾が特徴。体の下面は薄い褐色をしており、多数の細い縦斑がある。
 日本には夏鳥として渡来し、西日本で多く姿が見られ、東日本では少ないとされる。県内では、春の渡りの時期に住田町内の気仙川や宮古市の閉伊川で確認例があるものの、その姿が見られるのはまれ。繁殖例に至っては、過去に宮古市や陸前高田市での記録があるが、昭和36年以降、新たな確認はなかった。
 広田小では今年6月15日、来校者から「コシアカツバメが飛来しているのではないか」との情報提供があり、市立博物館の浅川崇典学芸員が飛来と校内での営巣を確認。すでに同校1階と2階のベランダ天井に、コシアカツバメ特有のとっくり型の巣が1カ所ずつできており、複数羽のグループで子育てをしていたという。その後、日本野鳥の会宮古支部に照会したところ、県内での営巣の記録は65年ぶりと判明した。
 この貴重な子育ての様子を、同校では静かに温かく見守ることに。吉田校長からコシアカツバメが営巣していると報告を受けた児童らは、「まだいるかな」とその姿を気にかけてきた。
 浅川学芸員によると、本来、子育ての期間は40日ほどといわれるが、よほど居心地がよかったのか、育雛は秋を迎えるまで続いた。浅川学芸員は「少なくとも2回は育雛が行われたのではないか」と推察。ツバメは外敵から身を守るため、人間の生活に近い場所で巣を作るとされ、子どもたちの元気な学校生活がコシアカツバメの子育てを守ってきたともいえる。
 同校では、昨年もコシアカツバメが営巣していたのを確認しており、来年の飛来にも期待を寄せる。吉田校長は「子どもたちにとっては、コシアカツバメを通じて命を守る大切さに気付いてもらえたいい機会になった。来年もぜひ来てほしい」と話していた。