数量は前年同期比88%減 大船渡のサンマ水揚げ実績 10月末現在 金額も73%減と落ち込む

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、令和7、8年の10月末現在における対比サンマ水揚げ状況を発表した。今年10月末における大船渡市魚市場の実績は、数量が前年同期比3901㌧減の549㌧で、金額は同13億296万円減の4億9189万円。ともに本州トップを維持したものの、数量は88%、金額は73%の大幅減と厳しい状況が続いている。今季は記録的な不漁によって、全国の数量は平成以降最低水準となるペースで推移しており、早期の漁況回復が待たれる。(齊藤 拓)

 

全国的な大不漁続く


 今年10月末現在の全国の水揚げ数量は、前年同期比3万6764㌧(81%)減の8796㌧で、金額は同112億7781万円(63%)減の66億1939万円。数量は、10月末時点の記録が残る平成21年以降で最も少なく、金額は令和3年に次いで2番目に少ない。また、10㌔当たりの単価は7525円と、初めて7000円を上回った。
 地域別の数量は、北海道が合計7952㌧で、前年同期比2万5245㌧(76%)の減。本州の合計は844㌧で、前年同期を1万1519㌧(93%)下回っている。
 大船渡市魚市場の実績を見ると、数量は本州全体の65%、金額は73%を占め、ともに本州トップとなった。10㌔当たりの単価は全国で最も高い8952円で、前年の2・2倍に跳ね上がっている。
 また、全国の水揚げ漁船数は1347隻で、前年同期から297隻(18%)減った。大船渡は8月17日の初水揚げを皮切りに、前年同期比28隻減の75隻が水揚げした。
 昨年は、10月末時点で2万6000㌧を水揚げした北海道・花咲をはじめ、大船渡を含む全国7カ所で1000㌧以上の数量を記録した。これに対し、今季は序盤から大不漁のまま推移しており、1000㌧以上の水揚げがあったのは花咲(6449㌧)と、同じく北海道の厚岸(1038㌧)の2カ所にとどまる。全さんまの大石浩平専務理事は「漁期当初から数量は少ないと関係機関が予測していたが、現在はそれをさらに下回っている状況」と話す。
 一方、魚体については、大型が多かった昨年を下回る予報が示されていた中、公海で漁場が形成された漁期序盤には中型の魚体が一定数見られた。大船渡でも初水揚げ時には120㌘以上~140㌘以上の中型が多く、1㌔当たりの価格は昨年初日の2~3倍となる高値をつけた。
 しかし、漁が進むにつれて各地で小型の魚体が増加。漁場が三陸海域へ南下を始めた10月後半からは、大船渡でも100㌘に満たないものが目立ち始めており、1㌔当たりの最高値が1000円を下回るようになった。
 大石専務理事は「近年で特に不漁だった令和3、4年は漁期後半に巻き返しており、12月に最も漁獲が多くなった例もある。しかし、今年は伸びが見られず、この状況が続けば平成以降最低の実績で終える可能性もある」との見通しを示している。
 全さんまのまとめによると、全国では平成20年に平成以降で最多の34万3225㌧を漁獲。その後は減少傾向となり、20万㌧台は26年、10万㌧台は30年がそれぞれ最後となった。令和4年に最も少ない1万7910㌧を記録して以降は回復傾向を示し、7年の数量は6万4738㌧となったが、今年は令和4年をさらに下回る最低水準のペースで推移している。
 全さんまがまとめた今年10月末現在の実績は別掲。