良質なビジネスプラン

 25日に開催された、通算10回目の大船渡ビジネスプランコンテストの最終審査会。高校生から一般まで計10組が挑み、語り口、資料の提示、時間構成など、どこを取っても素晴らしい発表が続いた。継続によって、さまざまな人が事業実現にチャレンジする機会が定着したと思う。
 経営やプレゼンテーションのプロではない立場でも、なぜ「質が高い」と感じさせるのか。取材しながら、新聞記者が記事をつくるために原稿をまとめ、紙面に掲載されるまでの流れに重ねながら考えた。
 自社や他社を問わず、紙面に目を通すと、たまに残念な記事がある。膨大な取材をしていても、反映しきれていない特集。見出しに引かれて目を通してみると、あまり中身がなく、がっかりさせられるもの。写真や図表一つあれば、何十行も書かなくても一目で伝わるのにな…といった読後感。自分も印刷を終えた後に反省する場面は、なかなか無くならない。
 独自のテーマを持ち、人に会い、丁寧にコミュニケーションをとりながら柔軟な視点で記事を練り上げ、読者に伝えるべきことを的確にまとめる──。発表の多くは、そんな良質な記事を読んだ感想に近かった。
 高校生はプランをまとめるために、多くの事業者や専門家に出向き、意見を聞いた。アドバイスをもとにアイデアを見つめ直し、新たな発想を得ていた。全体的に、高校生がコンテストを引っ張っていた感も抱いた。
 観覧者にしっかりと向き合い、どうすればプランに関心を寄せてもらえるかに集中していた。その姿が、補うべき点を指摘するよりも「頑張ってほしい」「任せてみたい」という気にさせた。会場全体に、前向きな活気があった。
 10組の発表を聞き、見えてきたものもある。プランに対して「自分がやりたい」という情熱をどう表現するか。数字や論理ではなく、心がビジネスを動かす大切さを改めて思い知った。(壮)