地方にこそある〝本質〟
令和8年1月8日付
元日、北風が窓をたたく音で、アラームが鳴る前に目が覚めた。外を見るとまだ日は昇っていない。
毎年、1月1日は取材のために早起きしており、ここ数年だと住田町の上有住地区で行われる恒例の「走り初め」取材が新年最初の仕事となっている。
旧有住中学校では毎年、元日と盆期間に卒業生らが集まって走るのが伝統となっており、令和5年度に同校が閉校となってからも続けられている。
今年は走り初めは行われなかったが、上有住地区公民館を会場に多世代が集って語らった。誰に言われたわけでもなく、自然と人が集まり、自身の将来や地域の将来像を話題に盛り上がる。住民主体の行事の一つだ。
本紙新年号第3特集のテーマは、住民主体のまちづくり。住田町内で展開されている、地域に活気を生み出すための地区ごとの特色ある活動を取り上げた。
地域の遊休農地を活用した特産品開発を通じた住民交流の創出、免許返納などで移動手段がない住民のための買い物ツアー企画、世代を超えて集うイベント開催など、それぞれの地区が独自カラーを打ち出している。
人口減少、少子高齢化が進行する中、未来へと地域を残していくためには行政だけではなく、そこで暮らす一人一人が力を合わせることが不可欠となる。
1月中も、さまざまな催しが予定されている。世代間交流促進のために昔ながらの正月遊びを継承する行事を行う地区、地域のこれまでとこれからについて語り合う会を開く地区など、多種多様だ。
住民自治は多様な主体の参画があってこそ成り立つ。「自分たちのまちは自分たちでつくる」という意思こそが自治の原点ではないか。都市部と地方の格差が広がっているといわれている昨今だが、地方の行事にこそ、自治の本質が詰まっている気がする。(清)






