良い面と悪い面
令和8年8月19日付
「良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」という言い回しがよくある。これはフィクションの世界に限らず現実世界でも言われており、多くの出来事には良い面もあれば悪い面もある。17日に大船渡で取材した今季のサンマ初水揚げが、ちょうどそんな具合だった。
良いニュースは、漁に先立って関係機関が発表していた予報よりも大きなサンマが取れていたこと。予報では、9月までは90~100㌘程度が主体になるとあったが、ふたを開けてみればそれを上回る大物のほうが多かった。
一方、悪いニュースは、昨年の初日と比べれば水揚げ量が少なかったということ。これについては、取材した関係者の言葉を借りれば「まだ1回目の航海」なので、今後の豊漁に期待したい。
初水揚げの報道は同業他社も行っており、ある報道では高値で取引されたことに着目していたし、また別の報道では数量が少ないことに着目していた。限られた紙面や時間内でどの情報を中心に報じるかは千差万別だが、その中でも東海新報の強みは、比較的大きなスペースで良い面と悪い面を載せられることだと思っている。
水産の取材でよく聞かれるのが「漁業は悪い時もあれば良い時もある」という言葉で、それが仕事を続ける張り合いとなっているのだろう。今が悪いからといって今後も悪い結果に向かうとは限らないし、その逆もあるという考えは、漁業に限ったことではない。
大きな事件が起こるたびに「世の中は悪くなるばかりだ」と嘆くのは建設的でないし、「好事魔多し」という言葉もあるように、良い状況にあって油断するのもいけない。一つの出来事で楽天的・悲観的になったりはせず、良い面と悪い面を見極める必要がある。
取材から得た考えをまとめてはみたが、今はまずサンマの大漁を願うとともに、来月には内陸の家族にも新物を贈ってみたい。(齊)





