気仙で働けるために
令和7年6月26日付
今月2日、令和8年3月の新規高校卒業予定者を対象とする事業者の求人受け付けが始まった。7月1日(火)からは、求人公開が控えている。
大船渡公共職業安定所がまとめた今年3月高卒者らの職業紹介状況を振り返ると、気仙光陵支援学校高等部を含む気仙管内高校5校の卒業者は379人で、このうち学校や職安の紹介で就職を決めたのは73人。就業地は気仙が30人、気仙を除く県内が16人、県外が27人で、気仙で就職した人の割合は41・1%だった。
気仙での就職者が半数を割ったのは、平成24年以来。特に、新型コロナウイルスの流行以降に続いていた「地元志向」が減少した形となった。
一方、同職安が来春高卒予定者を対象に行った求職動向調査結果(今年5月16日現在)によると、管内5校の新規高卒予定者335人に対し、就職希望者は86人。今年の就職者より13人多い。
就職希望地域の内訳をみると、気仙管内が47人、県外が20人、管内を除く県内、または未定が19人。全体の就職希望者数に対する気仙の割合は54・7%と再び半数を超え、「地元志向」の高まりがみられた。
少子化、進学率の上昇で就職希望者自体が減少傾向であり、就職希望者数や地域別の割合は今後変わる可能性がある。それでも、就職を希望する生徒の半数余りが「気仙で働きたい」と考えていることは喜ばしく、頼もしさも感じている。
同職安では、管内での就職希望者が増えた理由の一つに、気仙の企業や関係機関が地域の仕事に理解を深めてもらう場を設け、児童・生徒らに働きかけてきた成果を挙げた。個人的には、2月に大船渡市で発生した大規模林野火災に接し、地域の復旧・復興に貢献したいと思う生徒がいるのではないかと考える。
いずれにしろ、一人でも多くの若者が気仙でやりがいを感じて働ける環境をつくっていく必要がある。地域で働く一人として、そう思う。(佳)