二代目がやってきた
令和8年3月7日付
昨年秋のある日、わが家は1匹のネコを迎えた。家族の職場に迷い込んできたという、メスの野良猫だ。
よほど腹がすいていたのか、甘えて食べものをねだり、見かねた家族がおにぎりなどを与えると食べてしまったという。一度は姿を消したものの、再び現れて離れようとせず、連れて帰る流れになったようだ。
その日、休日だった筆者は家族から連絡を受け、以前飼っていたネコのキャリーを届けに行った。ネコは確かにおり、甘えるように家族のそばにいた。「本当にうちに来るのだろうか」と半信半疑の一方、うれしさもあり、帰りにはえさなどを買い求めた。
見た目は成猫で、野良の割には人慣れしていた。新たな環境下にもかかわらず、初日からえさを食べ、トイレもできた。腹を見せて眠るほど、警戒心はゼロだった。
抱っこは嫌がるが、体をなでられるのは苦ではない様子。よくしゃべり(鳴き)、自己主張が強い。就寝時には筆者に対し、「私はここで寝るから、あなたはそこにいなさい」と訴えた。
翌日には家族が病院に連れて行き、健康な体と判明。年齢不詳だが、高齢ではないという。
飼いネコの可能性も考え、保健所と警察に相談した。届け出の関係で、3カ月間は〝預かり〟という形になった。
うちの子のような、そうではないような──預かりの期間はそんな気持ちだった。「飼い主が現れたら、別れがつらくなる」と若干距離を置いて接した。夜鳴きがひどく、発情期にはトイレ以外の場所で粗相をし、家族を疲弊させたりもした。
それでも、ネコがいる生活は楽しい。結局、飼い主は現れず、先日正式に家族の一員になった。
名前は預かりの時点でつけていたが、先代ネコと同じになった。実は、わが家にやってきた日は先代の月命日。これも何かの縁かもしれない。末長く、仲良く一緒に暮らしてほしいと願うばかりだ。(佳)






