自ら動いて明るい未来を

 今年も残すところ、きょうとあすの2日となった。毎年同じことを思っているが、令和7年もあっという間の一年だった。私が取材を担当した水産業の分野から、この一年を振り返ってみたい。
 2月の大船渡市大規模林野火災は、水産業にも暗い影を落とした。
 春のイサダは、漁が解禁された翌日に火災が発生し、約2週間の休漁を余儀なくされた。
 避難指示解除後から漁が始まり、復旧、復興の先行きが見えない中で、漁業者らが船を出した。こうした頑張りもあって、数量、金額とも前年の2倍以上となった。
 火災で定置網が燃えた綾里漁協は、つながりのあった企業から網を借り、6月中旬に今季の操業を開始。自宅や倉庫、漁具が被害を受けた組合員らへの支援も進み、採介藻漁業などが順次始まった。
 サンマは、漁期序盤から好調で、大船渡では令和に入ってから最多の水揚げ量に。全盛期と比べればまだまだだが、来年につながる明るい兆しが見えた。
 一方で、主力魚種とされてきた秋サケの水揚げは、過去最低の水準で推移。気仙沿岸の定置網は、黒潮大蛇行の影響とみられる急潮により、網や施設が破壊される被害に苦しんだ。養殖業では、海の高温化が長引き、採介藻漁業のアワビは、中国の日本水産物の禁輸措置により価格が下落するなど、自然や経済的な環境の変化に翻弄された。
 人間にはどうすることもできない自然が相手の仕事。ある漁業者は「変わる環境に適応するために、自ら行動する姿勢が大事だと思う」と言った。それは、水産業だけでなく、人間が生きていくうえで持つべき意識、全てのことに共通するものだと受け取った。
 来年は、どんな一年になるだろうか。「明るい年に」と願うばかりでなく、そうなるように自ら動いて、希望に満ちた未来をつくっていこう。
 今年も一年、ありがとうございました。(菅)