令和8年03月25日付
米国連大使が中東情勢に関し「日本の首相は海上自衛隊による支援を約束した」と、驚くべき主張をしている▼木原官房長官は「具体的に約束した事実はない」とこれを否定した。当然だ。日米首脳会談では高市首相も、日本は憲法上の制約で自衛隊を派遣できないとトランプ大統領に伝え、あちらも一応は理解を示したと報じられたのだから▼ならばなぜ大使は「約束した」と発言したのか。同盟国の首相の言葉を根拠なくでっち上げたのなら大問題で、日本政府は抗議したほうがよい▼だがもし、米側がそう語るに足る根拠を日本から示された─と感じているなら、それはそれで大問題だ▼会談は非公開時間のほうが長く、共同声明も出されなかった点に不信感を抱く。もしや裏では自衛隊派遣要請を明確に拒めていない、あるいは〝これからなんとかする〟に近い発言が出た可能性もあるのではないかと▼ありもしない話を口にして既成事実化を図るというのは大統領がよく使う手だから、今回もそうならまだいい▼けれど、大使の発言直後に「次年度自民運動方針案、早期の憲法改正実現に全力」と発表されたことを不穏に思う▼今後もし〝憲法が足かせになって同盟国のお役に立てない〟という論調が盛んに出てきたら、それはおそらく、物価高対策より「改憲して派兵」が先に実現するサインだろう。






