令和8年10月03日付

 9月30日、熊本地震の被災地を見舞われた天皇陛下と皇后・雅子さま。八代市、氷川町、宇城市と複数の被災自治体を訪れ、人々と交流されるご様子を報道で拝見した▼避難生活を送る人たち一人一人と目線を合わせるために、腰をかがめ、いたわりの言葉をかけられる両陛下。お二人とも色味を抑えたお洋服で、装飾品はなし。だがその胸にはおそろいの「くまモン」のピンバッジが光っていた▼同県の木村知事が熊本空港で両陛下を出迎え、被災状況などを説明した際に、両陛下のほうから「ぜひくまモンのピンバッジを着用させてほしい」とご希望になったという。知事は「バッジを着けて避難所訪問に臨まれた両陛下のお姿に被災地へ寄せるお気持ちを感じた」と、訪問後に明かした▼両陛下は同日午後8時すぎまで熊本におられ、災害対応にあたった人々にも声をかけられた。一方、現地の負担にならないよう、宿泊はせず、日帰りされるというご配慮。ヘリで被災地を後にする前には再び黙礼された▼さらに天皇陛下は翌日の朝から、国家と国民の安寧を祈る宮中行事「旬祭」に臨まれた。休む間もなく、ずっと国民に寄り添ってくださっている▼どんなにお忙しくても直接足を運び、直接声をかける―そのご姿勢が被災者を励ます。それがおできになる今の皇室だからこそ、敬愛されているのだと分かる。