令和8年10月16日付
先日、安比高原のブナ二次林を見に行ったところ、足元に大量のドングリが落ちているのを見つけ、「今年はドングリが豊作」というのは本当なのだと実感してきた▼おりしも14日付の小紙では本年度のブナ結実状況について、岩手は「豊作」の判断になったとの記事が掲載された▼それも実に11年ぶりのことだという。つまりこの10年間は実りの思わしくない状況が続いていたわけで、昨年などは指数として一番最低の「大凶作」だった▼言うまでもなくブナの実はクマの主要な食料の一つ。近年、人里に近い場所へのクマの出没が増えたことと、ドングリの不作にはもちろん密接な関連がある▼宮城の事例だが、最近、わなにかかったシカがクマに食われることが増え、そこからクマがシカも襲うようになったという話を報道で見た▼猟友会のメンバーは、「クマが肉食を覚えると、犬、猫も狙うし、人里に出ることをますますためらわなくなる」と危機感を募らせていた▼肉の味、そして、人里に下りれば食料が容易に手に入ると覚えてしまった彼らが、森にドングリが豊富だからといって、それでこと足りるようになるものだろうか―▼そんな一抹の不安を覚えざるをえないが、来年、再来年とブナの実の豊作・並作が続き、クマたちが再び、山にあるもので充足してくれるようになることを願うばかりだ。





