令和8年06月26日付

 風邪薬を備えておこうとドラッグストアへ寄った際、「こちらは先月から、薬剤師か登録販売者がいるレジでないと買えなくなったんです」と伝えられ、別のレジへ案内された▼そういえば…と春先に読んだ記事を思い出した。市販薬の過剰摂取(オーバードーズ/OD)が広がっているために薬機法が改正され、風邪薬など、一部の販売ルールが厳しくなったのだったと▼ODが社会問題として認知されたのは、新宿・歌舞伎町の東宝ビル周辺にたむろする10代が「トー横界隈・トー横キッズ」と呼ばれ始めたころと重なる▼以前、ODするトー横キッズへのインタビューを見た。気分が落ち込んだ時や寂しい時、周囲の子がしている時にODすると「みんな一緒だ」と安心する・飲酒や喫煙でうさ晴らしするのと何が違うの?─そんな感覚だという。覚せい剤と違い、違法ではない点もハードルを下げているのだろう▼家庭や学校に居場所のない子らが身を寄せ合う中で、している情報交換が「どんな薬で〝トリップ〟できるか」だけでは、その寄る辺なさからは抜け出せない▼行き過ぎれば薬物は毒物であること、麻薬への入り口になること、薬物依存する弱った心に付け込まれ、犯罪行為のえじきになりかねないことを知ってほしい。そのためにも子どもらがどうか「信頼できる大人」と出会えますようにと願う。