令和8年09月23日付

 32年ぶりの自国開催となったアジア大会だが、運営があまりにずさんで、出場国から相次いで憤慨の声が上がる▼最初、韓国国歌を流す場面で北朝鮮の国歌が流れた時は、あってはならぬ無礼ながら、単純な操作ミスだろうと思った▼だがこうも連日、見過ごせない不手際や問題が明るみに出ると、恥じて困惑するばかりだ。これは本当にわが国の話かと▼中、韓、フィリピン、タイなどは宿泊施設の不足・不備に参っている。十数時間も雑魚寝で待たされたり、食事なしで放置される目にも遭ったという▼インド選手団は、予定宿泊枠を確保できなかった組織委から「自分たちで何とかしてくれ」と言われたと明かし、その無責任さに不快感をあらわにした▼提供される食事も競技者の心身を満たせないほど貧相で、「他国では見たことがないレベル」と酷評される▼韓国代表を「中国」と言い間違えるミスもあった。韓国男子バスケは日本との決勝戦前、送迎バスが来ず、練習が中止になった▼かつては日本ほどこうした運営にたけた国もなかったはずだ。完璧なオペレーション。選手、観客、プレスに絶賛される〝お・も・て・な・し〟─わが国の美徳はいずこへ▼運営組織が稚拙なのは確かだが、今回の失態はアジア全体に悪感情を残したばかりか、そのまま海外に「日本の凋落」と受け止められよう。