令和8年06月06日付
公務員を予備自衛官として活動させられるようにする法案が、いつのまにか閣議決定されていた▼公務員には職務専念義務が課せられ、兼業は禁止だ。だが同法案では、予備自衛官になる場合は同義務を免除。招集の際は本業からの離脱を最優先とし、上司の許可も不要。訓練時は有給休暇を取得せずとも、職場の給与と予備自衛官の手当を両方満額得られるようにする―▼と、〝兼業〟させるため至れり尽くせりだが、あまりにも本業を軽視した設計ではないか▼兼業とは、本来の職務遂行に支障ない範囲で行われるべきだ。所属長の判断なしに職務専念義務が免除され、急な招集に人員が割かれれば、業務にも当然影響が出る▼政府の都合で「仕事は投げ出してもいいよ」と勝手に決められても、困るのはその地域だ。代替要員の確保や労働環境整備といった負担を現場に強いて、住民は、公共サービスが低下しても甘んじて受け入れろと?▼何より危惧するのは、本当に個人の自由意志だけで決められるかどうかだ▼なりたい人はいい。だがそれが「あの人は志願した。お前はなぜしない」という圧力、半強制に発展しないと言い切れようか▼職務専念義務や給与減額の免除が、予備自衛官の兼業の場合のみ適用されるのはなぜか。公務員を中心に招集を求める根拠や妥当性は、といった立法事実をまず示すべきだ。





