令和8年01月09日付
「アーバンベア」の増加と被害拡大の話題一色に染まった昨年。年が明けてもその懸念が消え去ったわけではない▼そんな中、国産AIロボットを活用してクマ被害を未然に防ぐ取り組みを東京大学発のスタートアップ企業が立ち上げた。その名も「KUMAKARA MAMORU」プロジェクトだ▼四足歩行するそのロボットの外見は、たとえるなら頭部のない犬のよう。「AIBO」に似ていなくもない▼だがその頼りなさそうな外見とは裏腹に、急斜面ややぶなどの不整地にも遠隔操作で入り込めて、ドローン等には搭載できない大型スピーカーや強力フラッシュライトといった重量装備もできるなど、意外にタフだ▼赤外線サーマルカメラが夜間でもクマを検知。その接近をAIが判断すると、大きな音や光で威嚇する。「ここから先は人の生活圏」とクマに学習させ、管理者には映像と位置情報を即時共有して、遭遇事故を未然に防ぐ一助とする▼鳥獣害対策の目下の課題は、対策を担う猟友会の高齢化をはじめとする人手不足である。山林での追い払いや巡回の危険度も増し、活動が限界を迎えつつある現状、現場を支える人々の負担軽減が図られるなら願ってもないことだ▼今はまだ抑止効果があるかどうか検証段階だが、人里と山林の境界線を、AIロボが引き直す助けとなってくれたらありがたい。





