令和8年08月19日付

 楽天が、攻撃、迎撃といった軍事目的で利用するドローンの国産・量産化に乗り出した▼つくづく、この春に政府が武器輸出解禁を強行したのは「転換点」であったなと思う。弾薬工場の国有民営化方針が示されるなど、日本の平和主義は徐々に変質を始めている▼株の世界では投資家向けに「軍需産業が〝儲かる〟事業に 防衛関連銘柄をピックアップ!」なんてお気楽な見出しの記事が出回る。戦闘機やミサイルを製造する三菱重工をはじめ、関連銘柄もどんどん買われているという▼これまで日本の防衛産業は、販路が自衛隊に限られて需要が安定せず、過去20年間で100社以上が撤退した。しかし国が公にゴーサインを出したのだから、今後は大手が次々と兵器産業に参入しよう▼そりゃあ資本主義の国だもの、企業は利潤を追求する。人は儲けられるもので儲けようとする。当然だ▼だが一度兵器で稼いだらもう、後戻りはできない。常にどこかで〝戦争をやっててもらわにゃ困る〟国になる。その利益で国民が食わせてもらうようになればなおさらだ▼50年前、当時の宮澤喜一外相は「わが国は兵器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれていない」と言った▼車や家電など、人の暮らしを豊かにする技術力と製造力で世界に求められていた時代が懐かしい。もはやそのころには戻れまいと思うから、余計に。