令和8年07月04日付
ハンガリーのオルバン政権は2011年、議員定数を386から199へとほぼ半分に削減した▼さらに、大政党でないと勝つのが難しい小選挙区の割合を大幅に増加。少数意見の吸い上げにつながる比例代表を削った▼結果、与党の議席が過剰化し強権的な支配体制を確立。国会は多様な意見を交わす場ではなく、与党の専横を追認するだけの機関となった▼維新が求める「比例のみ45議席削減」はこれと同じ。〝与党だけが勝ち続けるシステム〟にすることだ▼「議員が多すぎる。身を切る改革だ」と言うが、日本の議員数は戦後80年で最も少なく、世界的にも低い水準にある▼議員定数、それも比例のみ減は、改革ではなく国民を黙らせることに直結する。露や中国のように、形式としての選挙はあっても結果がほぼ固定される国家に近づきたいのか▼しかも「国会で話がまとまらねば1年後に自動で成立」とは、議会政治をコケにするにもほどがある▼独裁なら、そりゃあもう国会も大変スムーズに進むだろう。意見の多様性が議会に反映されるほど、一致点を見つけるのは難しい。しかし時間がかかっても異なる声をすり合わせることが、民主主義のコストに他ならない▼オルバン政権が定数削減で建前にしたのも「政治の安定・コスト削減」だった。〝民主主義の自殺〟は聞こえのいい言葉を掲げて行われる。





