令和8年09月05日付

 青森県八戸市は、個人的に住んでみたい場所の上位に位置するまちである▼盛岡より人口こそ少ないが、まちの規模は大きい。普段の買い物に不自由がなく、病院も多い。芸術・文化、伝統芸能に対する感度が高く、面白いイベントも豊富だ。降雪も少ない▼何より、海がある。この点だけでも、盛岡ではなく八戸に軍配が上がる▼しかし八戸の若者らは盛岡へ遊びに行くのだそうだ。わけを聞くと「地元は何もない。盛岡にはラウンドワンがあるから」─▼象徴的な言葉だと思った。若い人にとって地域の魅力の決め手となるのは、まさにラウンドワンのような遊興施設…〝仲間と遊べるトコ〟があるか・ないか、なのだろう▼気仙でも中高生らが地元に対する要望を口にする際、必ず言うのは「カラオケボックスがほしい」である▼以前は気仙両市にカラオケボックスがあったものの、震災で失われ、大船渡市に唯一あった施設も閉店した▼大人になると気仙独自の文化や歴史、自然の素晴らしさだけでも満足できるようになるが、それだって、自ら娯楽を楽しめる経済力や移動手段を持っていればこそ。行動範囲が限られる10代にとって「遊興施設がない=何もない」になるのは当然だ▼そういう意味では高齢者にとってもカラオケが気楽に楽しめることは老後を充実させる要素だろう。なんとかならんものか。