令和8年10月02日付
釜石市にある県水産技術センターが、30年以上前に本県から姿を消したと思われていた「ヨーロッパヒラガキ」の山田湾における定着を明らかにしたのが2年前。これを受け同センターが山田町内2漁協と試験養殖したヒラガキの出荷が今月ついに始まる▼岩手日報によると、先日同町で行われた試食会では「味が濃くてうま味がある」「日本酒やワインとの相性も良さそう」といった声があったという。高水温にも比較的強く、へい死が少なく、三陸海域での新規養殖種として期待がかかるところだ▼日本には昭和27年に持ち込まれた欧州ヒラガキだが、当時は種苗が育ちにくい・市場価値が高まらないなどの理由で約20年前に生産は終了。その後、天然海域での分布の可能性は低いとされてきた▼だが令和5年には同湾だけでなく宮古、大船渡、越喜来、門之浜、広田の各湾でも生息を確認。同センター職員で陸前高田市出身の寺本沙也加さんらの研究グループが、国内での定着事例として論文を発表した▼この件を取材した際、欧州では白ワインと合わせて楽しむ食材であること、当地にも複数の魅力的なワイナリーが誕生していることを踏まえ、寺本さんは「古里に新たな食文化を醸成し、地域活性化につながれば」と話してくれた▼気仙で同種が特産品となり楽しまれる未来も、いよいよ夢ではなさそうだ。





