令和8年09月24日付
ここ最近、日本各地のオンライン古書店に対し書籍の大量注文が相次いでいるという▼専門書から雑学の本まで、注文される書籍のジャンルに脈絡はなく、数百から千数百冊が一気に買い取られるという事態が起きている▼これに対し業界では「生成AIが学習するデータを集める目的では」という見方が広がる▼実際、米国では書籍を使ったAI学習が盛んで、世界中の書籍が集められているそうだ。日本から50㌧もの本が輸入されたケースも判明している▼古書には電子化されていない専門知識が詰まっている。それらが経年劣化や災害等で失われてしまうよりは、活用してもらったほうが良いという考え方にも一理ある▼一方、それではやがて人々が書物を読むことも買うこともせずAI任せになり、物事を考えなくなる未来が来よう▼著作権の問題もある。人が苦労して書き上げた著作を無断で学習に利用されることについては、反対する声明や訴訟が世界中で起きている▼また、集められた本は裁断され、スキャン後には廃棄されるだけという。重要な一次資料や希少本さえ、データ化したらゴミ箱行きというのは、本の文化的役割を無視した所業に思える▼AIで便利になる半面、人知というか、人の矩を越えていると思うこともあり、いつか何かにしっぺ返しされそうな、空恐ろしい予感だけがある。






