令和7年11月16日付
五葉山に雪化粧が施された。11月もすでに半分を過ぎ、いよいよ冬の始まりである▼天気予報を聞いていても「甲信越は雪ですね」「低地部でも降雪がありそうです」といった言葉が耳に入ってくるようになった。本県でも今週、内陸や県北で雪の予報。そろそろタイヤ交換をせねばだ▼晩秋の気仙ではここ数日、好天が続き、落葉が始まった木々と周辺の風景との対比がうっとりするほど美しかった▼写真を撮る者として一番好きな季節である。陽光を受けて透ける葉のまぶしさ…本格的な冬に入る前の世界の最後のきらめき。その一瞬のはかなさをカメラに残すことは大いなる喜びだ▼毎年、紅葉を撮ろうと思った時に足が向く定番スポットは大船渡市なら夏虫山や大窪山、陸前高田市なら矢作町一帯である。カメラ好きな社員らもそれぞれに〝穴場〟を知っている。読者から「今年は五葉山の紅葉がかなりいい」という情報ももらっていた▼だが結局、今秋はどこも撮れないまま冬季に入ってしまった▼単純に忙しかったのも事実だが、やはりクマへの恐怖が足を鈍らせたのだ▼撮影中はどうしても無防備になる。昨年までも十分に警戒はしていたけれど、もはや警戒だけではなんとかなりそうもない▼里山・人里と奥山、人と獣との境界は取り戻せるのだろうか。先の見通せない状況がただただもどかしい。





