令和8年02月11日付
自民党の鈴木幹事長が「決して数を頼みに強引に物事を前へ進めるような姿勢はとらない。謙虚に臨み、野党の意見にも耳を傾け、全会一致を目指す心構えだ」と当選後に語るのを聞いて、随分懐かしい光景を見るような思いがした▼こうして年長者の中に民主主義を語れる議員がいて、党内の右~リベラル寄りまで幅広く受容する組織だったからこそ〝なんだかんだ言っても〟と支持されてきたのが旧来の自民だったよなと▼先日も書いた通り、民主主義は「数は力」と押し切るのではなく、多数派が少数派をどうすくい上げるかが問われるものだ▼だが残念ながらこの原則はすぐ崩れる▼そのうえ今回は中道も50議席を割った。衆院では50人以上の賛成者がいないと予算を伴う法案は提出できない。つまり野党からの政策提案が難しくなる中、強者に対話の姿勢が失われたら国会は形骸化し、存在意義を失う▼こうした1強下では本来、腰の引けない報道姿勢も抑止力として重要になるが、大衆の多くは、もはやメディアが「水を差す」ことを嫌い、権力の監視や批判、疑惑の追及なんて望んでいないようだ。報道はどんどん翼賛的になろう▼だからこそ党内にブレーキが必要なのだが、タガがなく、すぐさま専横へかじをきれる状態でブレーキ役になればその人は必ず憎まれる。誰がその損な役回りを担えるかだ。





