令和8年02月05日付

 世界初!南鳥島沖で見事レアアース採掘に成功─と大々的に伝えられたが、〝これで中国に頼らずに済む〟といった報じ方は欺瞞だ。実用化に10年はかかるとされ、わが国の危機に変わりはないのだから▼レアアースの採掘源は日本を含め世界中にある。だが掘れたとしても有害物質が多く、コストや環境問題の面から、多くの国が「精錬」にはこぎつけられていない▼精錬量は中国が9割とほぼ独占。日本は約7割を同国からの輸入に頼る。中国以外から買おうにも20~30倍の価格になってしまうためだ▼あらゆる電化製品に使われるレアアース。政府は約400億円の予備費で確保にあたるというが、それでも必要量は買えない▼これまで中国に依存していた企業が悪いとばかりに、大臣までもが「使用量を減らして代替技術を開発すればいい」とうそぶくが、開発が一朝一夕にできたり、代わりが容易に見つかるなら今の状況になっていない▼中国側も日本が半導体輸出を止めれば短期的には困るはずだが、すでにかの国では半導体設備の国産化が急ピッチで進む▼中国産に依らない産業構造構築が先か、日本製を切り離されるのが先か─現状だと後者だろう▼だから外交戦略を見誤るなと言うのだ。威勢のいい言葉で気分が良くなれるのは一瞬。スマホや家電の価格が何十倍にもなってから困るのは庶民なのだ。