令和8年06月16日付
改憲の手続きに必要となる国民投票法の改正案が審議中だ▼かねて、国民投票法に関してはいくつかの問題点が指摘されてきた。憲法改正の発議さえすれば改憲はほぼ間違いなしと言えるほど、時の政権に有利につくられているのである▼「国民投票」というからには、全有権者の過半数から3分の2は賛成しないと無効―ぐらいの厳密さがあるかと思いきや、実はこの法律には最低投票率の規定がない▼極端な話、巨大災害が起きて多数の有権者が投票に行けなくても、投票できたのがたった50人だったとしても、投票総数の過半数(ここでは26人)が賛成なら〝国民が承認した〟ことにされるのである▼また、今まさにSNSや動画の選挙利用―「悪用」と呼べるほど作為的な手法―が問題になるさなか、同法には広告規制も資金規正も盛り込まれていない▼憲法改正発議から投票までの期間には賛成・反対の主張運動も行われるが、現状ではCMをバンバン打ち、ショート動画を大量に作って流せる側、つまり資金の豊かな側が世論を誘導できる仕組みになっていると言える▼これらの問題は審議で焦点にならないまま、採決が行われる見通しだ。国民が正しい情報に基づいて判断できる環境を整備するためにも、政治家・政党によるネット利用や有料広告に関するルール作りは喫緊の課題。先送り厳禁だろう。






