令和8年03月06日付

 小説や漫画など、原作があるものの映像化に関しては「原作を事前に読んでいたほうが理解しやすいもの」と「原作を知らないほうが楽しめるもの」があると考えている▼あくまで自分の場合だが、映画『国宝』は原作小説を読む前に鑑賞して良かったと感じた作品だった▼そして先週封切られた『木挽町のあだ討ち』も同様である▼多分ヒットするだろうから、今後メディアで映画にまつわる露出が増えるはずだ。ぜひともそうなる前に…あまり情報を入れないうちに、ご覧いただくのが吉ですぞ、と申し上げておきたい▼時代劇であると同時に、ミステリーに分類される作品だ。つまり〝犯人〟がいて、〝動機〟がある▼本編を追いながら、「誰が何のためにそれをしたのか」を探偵役と一緒になって考えるのが妙味ということである▼謎解きを純粋に楽しみ、最高の映画体験とするためにも、「ネタバレ」に触れないうちに劇場へ直行することをおすすめしたい。個人的には、映画の惹句によくある「あまりにも意外な犯人!」「ラスト3分ですべてがひっくり返る」といったアオリでさえネタバレと感じて白けるたちなので、余計にだ▼とにかく予備知識なく見てほしい。良作であり、何よりも美しさは保証する。あと、『刑事コロンボ』が好きな人はお気に召すと思う─これはネタバレではないのでご安心を。