令和6年11月21日付

 「自分のように賢い者だけで政治をやるには、バカな人をどううまく利用するか。相手は犬や猫と一緒だが、それでも1票を持っている。バカに投票させる方法を考えるのが本当に賢い人」▼選挙の手法に関する、N党・立花孝志氏の発言だ。今も動画が残っている▼次に、あのヒトラーが確立し、配下にも実行させた大衆扇動術を記す。それは「大衆とは愚かなものだ」という言葉から始まる▼「同じうそを繰り返し何度も伝えよ。共通の敵を作り、大衆を団結させよ。敵の悪を拡大して伝え民を怒らせろ」▼「人は小さなうそより、大きなうそにだまされる。大衆を熱狂させたまま置け。考えさせる間を与えるな。賢い者の理性ではなく、愚者の感情に訴えろ」▼「都合の悪い情報は一切与えるな。都合のいい情報は大げさに伝えろ。大衆の視覚聴覚を刺激し感性で圧倒しろ」▼立花氏が兵庫県知事選でまねたのはまさにこの戦術だ。デマも100回言えば真実になる。積み重ねられた地味な事実より、大声で吹聴した劇的な物語を信じ込ませ〝真実を知った〟と感じさせろ―▼同氏は後に虚偽や誇張をまじえ発言したことを一部認めたが、腹では舌を出して笑っていよう。もうだまし終えたあとなのだから▼成功体験を積んだ彼は、この非常に危険な選挙ビジネスを次も必ず実行する。だまされない決意が必要だ。