令和8年07月02日付
愛国心は、どんな時に感じるものだろう▼たとえば、寺社仏閣の静謐な空気に身を浸した時。芸能や工芸品が大切に守り継がれているのに接した時。あるいはスポーツ競技が国際大会で活躍した時かもしれない▼それともアニメが海外で人気になった時?日本人俳優が高く評価された時?―いずれ、人によって持ち方も程度も違うのが普通だ▼それは人の内面で自然と育つものであり、「これを持て」と強制されたり「こちらの指定する形で持たぬなら許さん」と罰せられるものではない▼野党が欠席する中、いわゆる「国旗損壊罪」を創設する法案が衆院を通過した▼「人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法で国旗を損壊した者への罰則強化によって愛国心を育てる」というのが維新の言い分だが、自民の「表現の自由を制限したり、個人の内心に立ち入るものではない」という説明とは矛盾する▼国が「国旗の毀損は政府への反逆とイコールだ」と批判や風刺を許さなくなれば、全体主義国家へ一瞬で逆戻りだ▼国民に「わが国は素晴らしい」と誇らせたいなら、病気になっても、災害が起きても、「必ず助けてもらえる」という行政への信頼感を守り、国民が尊重されていると感じられる施策づくりに腐心せよ▼そもそも、国旗を大切にしろとしながら皇室をなおざりにしている側が、愛国も何もないものだ。





