令和8年03月14日付

 ごく小さな見返りのために、大き過ぎる代償を払うことになりそうだ。このまま黙っていたら本当に〝絶対に病気もケガもできない国〟になっていく▼市販薬と効能などが似たOTC類似薬を保険適用外にした場合、社会保険料の減額は年間約400円、高額療養費制度の自己負担額引き上げにより減額できる社保は年間2200円と試算された▼これらの制度改悪をもくろみ、まことしやかにその必要性を訴えてきた政治家が今、〝思ったより減らなかったな…〟と顔を真っ赤にし、恥じていることを祈る▼「保険料が月額33円安くなるのなら、常用薬が何倍か高くなってもいいわ」と、どこの誰が歓迎するというのだろう▼高額療養費の自己負担が最大4割増え、がんなどの大病をした時に生活が破綻するリスクを負うのと比較し、「社保が月183円安くなるほうがありがたい」と考える人がどれぐらいいよう▼治療費が高額になっても支払いが一定額以下で済み、世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現してきた基盤―日本の国民皆保険制度こそ、海外の人々がうらやむ本物の〝クールジャパン〟ではないか▼「他人も自分も救える、一番お得なサブスク」が月額200円ちょっと安くなるのと、サービスが著しく低下し、場合によっては多額の追加料金まで取られるのとなら、前者のほうが断然いい。