令和8年07月18日付

 「個人情報がいろんなところに漏れる懸念は十分承知している」―デジタル相が改正個人情報保護法についてこう発言した▼つまりデジ庁は情報漏洩の危険性は理解しながら拙速に法案を成立させ、米国や中国系のデータブローカーを含む民間企業に国民の情報を差し出すことにしたわけか?▼病歴や犯罪歴といった要配慮個人情報にあたるデータ、通販の購買やサイトの閲覧履歴、思想信条、支持政党などの情報を本人の同意なしで取得できるようにする同法案。しかも匿名・仮名化しない状態で提供されるという▼「企業が個人データを集めやすくなれば、高性能AI開発や医療・創薬技術の進歩につながる」というが、犯罪利用の危惧に対し首相は「性善説に基づく法案」とお茶を濁した▼〝情報はダダ漏れになるかもしれないが、悪用する人がいるとは想定していない。対策は今後考える〟というのだ▼病歴などが他人に把握されることで差別を受けたり、宗教や強引な販売の勧誘ターゲットになる可能性は高い。同じ人が複数回だまされるケースもある詐欺被害者のリストでもできれば、トクリュウなど笑いが止まらないだろう▼ 「AIに個人や企業の情報を入力すると漏洩のリスクがある」と注意喚起される傍ら、政府が率先して個人情報の「保護」ではなく「漏洩」のための法律を作るのだから笑えない。