令和8年07月19日付

 自分の中では〝わりと新しめの祝日〟と思い込んでしまっていたが、実は「海の日」が国民の祝日になってから、今年で30年という▼現在は7月の第3月曜と定められるが、今年は制定当時と同じ7月20日にあたった。30年の節目でもあるし、改めてこの祝日の意義を考えたい▼もともとは明治天皇が東北・北海道を巡幸した折、7月20日に横浜港へ安着したことにちなんだ「海の記念日」が、「海の恩恵に感謝するとともに海洋国日本の繁栄を願う」日として平成8年に祝日となったものだ▼交通、輸送、産業、文化交流―。船舶や漁業の従事者に限らず、わが国は誰もが大なり小なり「海の恩恵」を受けている。三陸の住民ならばなおさらだ▼もちろん海は大きな悲しみと痛手をもたらすこともある。その事実は15年前、十分すぎるほど味わった▼吉浜海水浴場が今年、石つぶての問題で海開きできないと知った時は、津波の影響というのはこれほど長期間に及ぶのか…と、自然に対する畏怖、諦念にも近い感情を覚えた▼他方、それでも海浜清掃には100人近い吉浜地区住民が訪れた・しかもその人数は年々増えている―という記事を読み、なんとも言えぬ温かい気持ちになった▼海を愛する心、海へ感謝する心がごく自然にはぐくまれ、受け継がれている。そんな地域に暮らす幸せを、しみじみとかみしめる。