令和8年08月21日付
米トランプ政権が、ICC(国際刑事裁判所)の赤根智子所長を制裁対象に指定した▼イスラエル首相への逮捕状発行や、アフガンでの米軍の所業に関する調査が「国益を損なうから」という。身内の犯罪を擁護するための、卑劣な嫌がらせだ▼赤根氏はかつて露大統領に報復を決定された時も、毅然と「私が1人死んでも裁判官はいくらでも替えがきく」と言い切った。個を超越して存在・存続しうる法の正義を信じる人ゆえの強さであり、今の世界に欠くべからざる人物だ▼蘭政府は即座に米の制裁決定を批判。EU、仏、国連も続々と所長の断固支持を表明した▼一方の高市政権は出遅れたうえ「残念」と述べるにとどまり、米への非難を避けた。首相周辺は「制裁は日本国に向けられたものではなく、ICCという組織で日本人がたまたまトップだっただけ」と信じ難い理屈で逃げを打った▼米と意思疎通を継続するというが、イラン攻撃をはじめ度重なる国際法違反も指摘できずにいる中で、また「止められるのはドナルドだけ」とでも言う気か▼最低でも国内企業に対し、「政府はICCを支持する。二次制裁を恐れて萎縮するな」と通達すべきだ▼同胞を守れず、法の支配―わが国がこれまで貢献し、恩恵を受けてきた国際秩序を守る気概さえ示せず〝世界の真ん中で咲き誇る〟とは一体何の冗談なのか。






