令和8年06月19日付

 米国とイランが戦争終結に向けた覚書の最終合意に至ったとされる▼米軍の海上封鎖を早急に解除し、ホルムズ海峡を通行料なしに全面開放することを承認すると▼しかし、安堵と歓迎ムードの裏にとんでもない後始末の課題が山積している▼まずこの覚書はあくまで米・イラン間でのみ交わされるということ。レバノンを含む全戦線で即時かつ恒久的な停戦が盛り込まれるも、合意直前にイスラエルがレバノンを攻撃。中東危機の火種は消えていない▼日本政府は海上自衛隊の機雷掃海部隊を海峡に派遣する検討に入ったというが、憲法上、派遣は戦闘終結後が最低条件だ。合意が破られたり、イスラエルが独断で戦闘を仕掛ける可能性もある中、自衛隊員の命を賭してまでしりぬぐいする道義もない。機雷除去は戦争を始めた側の責任においてやるべきであろう▼またイランが補償として求めた4000億ドルの支払いを米側は拒否。代わりにイラン復興基金として3000億㌦(約48兆円)を調達するとしたのはいいが、米国政府の資金は「一切投入しない」といい、自国のほか日本、韓国、シンガポールなどの企業からの民間投資や、湾岸諸国に負担を求める方針だという▼大義なき戦争を勝手に仕掛けたりしなければ不要だった金を、攻撃とは無関係な国に払ってもらおうとは究極の意味不明さである。