令和8年1月24日付
きのうの本紙1面で、陸前高田市の朗読ボランティア「つばきの会」の活動継続が難しくなっていることを取り上げた▼市や議会のお知らせなどを読み上げてつくる「声の広報」を、30年以上にわたって視覚障害者に届けている団体だ。平成27年には、地域社会で地道な活動を続ける方々を顕彰する「東海社会文化賞」を受けていただいた▼当時もすでに設立から20年が経過していたが、ここ数年で会員の高齢化が進み、個々の負担も増している。新しい担い手を育てる努力もあまり実を結ばず、いよいよ先行きが見通せなくなっていると知って、胸が苦しい▼設立20周年の際、声の広報利用者から届けられた〝声の感謝状〟には、こんな言葉が並んでいた。「目が見えなくなった途端、高田の人でなくなったような気がしていた」「声の広報を聞き、初めて市民になれたような気がした」▼決して人ごとではないと思いながら聞いた▼中途失明は誰にでもありえる。もしも目が見えなくなり、誰も情報を届けてくれる人がいなかったら。きっと自分も、突然社会から切り離されてしまったような…〝市民ではなくなった〟ような思いを味わうだろう▼視覚障害者と社会をつなぐ絶対に不可欠な活動を、どうしたら維持できるか。奉仕として続けることの限界も含め抜本的な発想の転換が求められているのだろう。





