令和8年07月03日付

 歴史的な円安に歯止めがかからない。1ドルが162円台、もはや163円に迫る勢いだ▼政府・日銀が4~5月に11兆円超の大規模な為替介入を行い一時的に155円台へ押し戻したが、その効果もわずかの間しかもたなかった▼円の下落が進めば当然、輸入物価が上昇し、物価高にまた拍車がかかる▼先の総選挙の圧勝は、この物価高騰対策への期待を反映したものでもあったはずだ。しかし政府がなぜか先へ先へ進めようと躍起になっているのが、国旗損壊罪に皇室典範改正、議員定数削減、大阪都構想…「なんで今、それ?優先順位が間違ってない?」と言いたくなる▼円安が進んでも株価さえ上がれば、政府としては〝ホクホク〟なのだろうか。「日経平均株価がなんと7万円台!」と誇られても、それはAI投資ブームの恩恵を受けた一部の株価が押し上げた結果でしかなく、内需企業の多くは無関係。庶民生活の底上げにはなおのこと関係がない▼円が39年半ぶりの水準にまで落ち込み、通貨の実力たる「実質実効為替レート」に至っては56年前を下回っている現実を前にしても、麻生氏が「最優先で審議を」と求め、維新に「伏してお願い」までしたのが、皇室典範改正という▼…一体なぜそこまで急ぐ必要が?と不審が極まるとともに、どちらを向き、誰のために政治をしているのかと尋ねたくなる。