令和7年12月31日付

 クマの目撃件数や被害が増え、また大小の災害も頻発し─令和7年はどうも落ち着かぬ、不安の多い一年であったと振り返らざるをえない▼大きなところではまず大船渡市大規模林野火災があった。どこまで被害が広がっていくか読めない〝現在進行形〟の災害の恐怖を味わった▼津波注意報や警報もたびたび発表された。7月には露・カムチャツカ半島付近を震源とする巨大地震の影響で津波が当地にも押し寄せ、養殖施設に被害をもたらした▼11月には三陸沖で地震が発生。この時は津波注意報だったが、大船渡で20㌢の津波が観測された▼今月の青森県東方沖地震でも、同じく20㌢の津波を観測。また、初となる「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も発表された。警戒はいったん解かれたが、本当にいつまた大きな震災に遭うか分からないのだと、肝に銘じた▼災害は決して時と場所を選んではくれない。どこまでも無慈悲に日常を打ち破る▼その苦さを味わった大震災の発生から、まもなく15年を迎える。正月の、人々が平和なひとときを過ごしていたであろう時間帯に起きた能登半島地震など、まだたった2年前の出来事だ▼天災にはあらがえない。だが意識と準備次第で被害を減らすことはできる。火災や獣害ならなおのことだ▼あす、元旦は「一年の計」として、防災の意識を新たにしようではないか。