令和7年11月21日付
勘弁してくれ、とため息が出る。〝安全圏〟から好き勝手言うんじゃないよと▼動物愛護を名乗る団体が、「クマを皆殺しにするな」として署名活動を始めた。その活動がことごとく誤った認識で行われていることにまず頭を抱える▼第一に、「皆殺し」などするはずがない。地域個体群を維持しつつ、数の調整は必須という話をしている。さもなくば人とクマのすみ分けが図れない=被害を減らしようがないからだ▼また、「人間が大量廃棄している農作物をクマに供給すればいい」などと提案しているが、本当に野生動物との共存を考えるなら、農作物の味、人の食物の味を覚えさせることは最悪の手だと分からないのか▼署名賛同者が「人はクマの生活圏に無断侵入するおじゃま虫」と語るのはまだ理解できなくはない。だが「クマに遭ったら『申し訳ありません、通らせていただいているのはこちらです』と謙虚に頭を下げるべき」「クマを教育すればいい」というのは噴飯ものだ。どこまで自然を軽視し、野生動物に夢を見ているのかと▼駆除への大量クレームに対し前の秋田県知事も言っていたが、捕獲したクマを自宅に送ってさしあげたい。愛護団体の名刺を差し出し「人間がごめんなさいね」とわび、「人を傷つけてはいけません」と教育し、1頭でも理解を取り付けてみてくれ。話はそれからである。






