令和8年04月01日付

 わが国の令和8年度はひとまず、暫定予算で始まることとなった▼7年度内の予算成立が極めて厳しいことは誰もが知っていた。首相が異例となる1月の衆院解散に踏み切り、審議入りが1カ月遅れたからだ▼解散の時点で、予算成立が年度をまたぐことは覚悟した。また、時間に追われる中での審議ではいい加減なものになりかねない。ならば暫定予算やむなし・まずはしっかり議論してくれと思っていた▼だが首相は年度内成立を強く指示し、議論もそこそこに「委員長職権」を連発して衆院通過を強行した▼3分の2の議席を握る衆院はその通り、強権的にもできよう。しかし与党の過半数割れが続く参院で同じ手は通じない。例年の半分以下の審議時間で押し通そうとして拒まれた▼「スピード感重視・政治的空白をつくらないため」といえば聞こえはいいが、この場合は〝急ぐんだから説明は省くけどいいよね?税金をどう使ったとしても納得して〟と言うも同然で、乱暴な話なのである▼首相が年度内成立にこだわったのは、自身の判断が審議遅れの原因になったと非難されるのを避けたかった、の一点に尽きよう▼政府は議会の承認の下に行政を進める立場。衆院の優越があるといえど参院を軽視していいはずがなく、体面のために議会の承認をおろそかにして進めるなんてことは、なおさら許されない。