令和8年01月13日付

 気仙各地で小正月行事が行われた3連休。毎年のことながら、伝統と地域の結びつきとが温かく息づくこの地に生きる喜びを、しみじみとかみしめた▼12日には陸前高田市広田町の田端虎舞を取材した。前日に降った雪が道に残り、いてつくような一日となったが、寒風をものともしない参加者の熱気で、風花も舞い落ちた先から溶けていくようだった。防寒着の上に衣装を身に着け、モコモコに着ぶくれした子どもたちのいとおしげな姿も心を温めてくれた▼撮影のために上がらせていただいたお宅では、玉紙をまつった神棚が多かった。新年に用意される縁起物で、大黒、宝船、カブ、エビなどの絵に、赤い渦巻きを描き入れたものだ。漁業の盛んな地域によく飾られている▼こうしたものをきちんと整え、「お花」や酒を用意して、今か今かと悪魔払いを待つおうちの方々を見るたび、まぶしいような思いがする▼行事に携わる人たちを見てもそうだ。せっかくの休日、しかも極寒の日に、それでもこの風習を伝え残すために集まる人たち―合理主義を気取って年中行事をほとんど省略してしまっている私には、あまりにもまばゆい▼そして迎える家々の人のほころぶ笑顔と、子どもらの笑い声!住民の絆が地域の伝統によってつながれてきた、その尊さを思わずにいられない。いつまでも守られてほしい光景だ。