令和8年01月01日付
「高校生最速163㌔右腕、『令和の怪物』がいよいよプロのステージへ」▼そんなアオリとともに佐々木朗希投手が初めて本紙新年号の表紙を飾ったのは、令和2年のことだ▼千葉ロッテのユニホームでガッツポーズを決める18歳の佐々木投手。その表情はまだ硬く、幼い。新世界でもやってみせるぞという決意が伺える半面、気負いと不安もほの見えるようであった▼今年の表紙で6年ぶりに〝再登板〟してもらったが、前回と比べてもその成長ぶりは歴然としている▼令和4年に完全試合を達成し、東日本大震災の発生から12年を迎えた同5年3月11日には、WBCでの8奪三振という好投により古里を力づけた。同大会ではチームとして世界一になった姿も見せてくれた▼不調もあれば、心ないバッシングを受けた時期もあった。それでも挑戦した大リーグ。確かな実力を示し、外野の声をはねのけた▼この6年で積み重ねてきた結果が、自信や落ち着きとなって全身を包む―それがご覧の姿である▼最近は地元の事業者と話していても不景気な話しか出てこない。人口減少、上がり続ける原材料費、担い手不足…しかし「朗希の頑張りが支えだね」と語る人々の声は朗々としている▼まさに先が明るく見通せぬ時代にあっての〝朗らかな希望〟である。今年も彼の成長に恥じない、明るい気仙にしていかねば。






