令和8年08月27日付

 「制裁は予期しており、驚きはない。重要なのは、これを国際的な『法の支配』の終焉の始まりとさせないこと。日本と日本の皆様の支援が重要な鍵」▼ICC(国際刑事裁判所)の赤根所長が米国からの制裁に対し、こうコメントした▼ここで見誤ってはならないのは、赤根氏が「日本の支援」を求める対象は、彼女自身ではない点だ▼同氏は「私個人が不自由を被ることは問題ない。本質は、本気でICCをつぶそうとする動きがあるということ」と指摘する▼事実、米国務長官は自国の利益にとって〝目の上のタンコブ〟となるICC解体を叫ぶ▼同氏は2年前の取材で「私はどこに行っても『ICCがなくなったらどういう世界になるか想像してください』と言う」と語っていた。「裁かれるべき人が裁かれる」という当たり前の秩序が崩れたらどうなるか―と。この時すでに、「法の支配の終焉」は近いと危惧していたのだろう▼政府が同氏を守るべき理由は、「日本人だから」だけではない。むろん自国民の職務継続の権利を保護するのは国の務めだが、ここで脅かされているのが「世界の安定」だからである▼重要なのは「法の下に国際秩序を守る」という、わが国が堅持してきた態度を貫くことだ。中露などに対し「力による現状変更は許さない」と訴え続けてきたわが国だ。それができぬはずはない。