令和8年03月10日付
3月に入って、体に感じる地震が何度かあった▼地鳴りが響くと、「頼む、それ以上大きくなるなよ、なるなよ…」と必死に祈る。嫌なものだ。〝あの日を一生忘れるな〟と脅されているようで▼だがここは記憶がよみがえったことを前向きに捉え、備蓄を見直す機会にしたい▼防災用品こそ車に積んでいるが、自宅の備蓄は正直、後回しだった。一日あたり水は1人3㍑、カセットボンベは1人1本、食事は2人でも42食分…と、推奨される1週間分の備蓄量がかなり多く、準備に腰が引けていたのだ▼だからまず、15年前は何に困ったかを思い出しつつ、できることから始めている▼非常時の食事は食物繊維やたんぱく質が不足するから、野菜ジュースや豆乳、缶詰めの肉・魚類を買った。発災後、久々にコーヒーを飲んでほっとできた記憶もよみがえり、粉コーヒーも用意した▼それに何はなくとも非常用トイレだ。空腹と違い排せつは我慢できない。暑さも寒さも当時より厳しくなっているから、ポータブル電源もあったほうがいい―▼などと考えながら、つくづく思う。よく使われる「震災を忘れないで」という言葉は「あの悲劇を記憶し続けろ」の意ではないと▼「私たちの後悔を防災の知恵、教訓にして伝えるから、備えの意識を一緒に持ち続けて」を短縮すると「震災を忘れないで」になるんだよなと。






