令和8年01月16日付

 今週末に大学入学共通テストが実施されるのを前に、受験生を狙った痴漢被害を防ぐため、警視庁が東京・池袋駅で啓発活動を行ったという▼受験期に入ると「試験の日は痴漢日和」といった、信じがたい投稿がネットに飛び交う。受験生に加害しても、テストに遅刻しないよう泣き寝入りするはず―などという最低、最悪、卑劣極まりない理屈からだ▼ニュースでは、警察官と鉄道事業者らが、通学・通勤の利用客にチラシや防犯ブザーを配る姿が映っていたのだが、呼びかける側の大半が男性だったのを見て、対策も少しは進歩したのかなと注目した▼痴漢被害に遭うのは9割方が女性である。だが当事者の女性が「痴漢は犯罪です」などと訴えようものなら「生意気、不愉快」「男をみんな痴漢だと思っているのか」などといって嫌がらせを受ける場合が多い▼以前も、女子高生らが痴漢防止の街頭活動に立ったという記事に対し、その生徒らに激高して攻撃感情を向け、加害予告するような声が散見された▼異常なことだが、これが現実だ。それだけに、男性が一緒に声を上げてくれるのは心強い▼ただし啓発内容はまだまだ〝女性に自衛を求める〟ものが中心で、今回もそうだったのが惜しい▼これが「愚劣な犯罪を絶対に許さない」と男性側も意思表示してくれるようになったら、被害は格段に減らせよう。