令和8年04月14日付

 昨夏にも見たばかりだ。絶対量が足りないのに「流通が滞っている=目詰まりのせい」と言い換え、状況の悪さを過小に伝えるやり方は▼原油や石油化学基礎製品の原料となるナフサについて、政府は「量は十分ある。目詰まりが起きて手に入りにくくなっているだけ」との認識を示している▼特に、プラスチックやゴム、繊維などの製品原料─いわゆるナフサ由来製品の「川中」で偏りが起きているせいだと。川中で物を作っているどこかの誰かが、買い占めたり、売り惜しみをしている可能性が高いと▼米価高騰の時と同じである。当時の農相も、農協や卸がため込んでいるとか、「転売ヤー」が買い占めているせいで目詰まりが起きていると放言した▼が、結局は以前から指摘されていた精米歩留まりの悪化、つまり大本の供給自体、農政自体に課題があったと分かった。途中で詰まっていたのではなく▼ナフサについてもエチレンやトルエンなどの基礎化学品を生み出す「川上」業界の全方位から「いやいや、そもそもこっちの時点で足りてません」という悲痛な叫びが上がり始めている▼コメの時はろくに調査もしない段階から備蓄を大放出し〝大したことにはなっていない〟ふりを演出できたが、結果、備蓄はほぼすっからかんになった。原油で同じ〝ふり〟をすると、のちの大混乱はコメの比ではないぞ。