令和7年11月29日付

 「自民の『政治とカネ』に対する向き合い方。一緒にやっていくなんて不可能」「裏金政治に加え、今度は2000万円を非公認議員の総支部に配る、こんな裏切りだらけの自民党と一緒にやるなんてありえません」「私たちは有言実行。透明な政治に戻すべく挑戦する」▼─衆院選のポスターにもそう明記し、〝われわれが自民を倒す〟として信任を得た日本維新の会が与党入りした時。純粋に「彼らに投票した有権者はどう思っているのだろう」と疑問がわいた▼失望したのか、はたまた、〝与党に入り込めば中から変えてくれるはず〟と切り替えて期待することにしたのか。後者かな、と想像した▼しかし今度は、政治資金規正法改正案を「与党になったので取り下げる」と言い出した。これは支持者に対する明白な裏切りではないのか?▼維新は「身を切る改革」を政治理念に掲げ、企業・団体献金の禁止を訴えながら自民を批判し、衆院選でも票を得たのだ▼それを選挙からわずか数カ月で取り下げるこの変わり身の早さ!「与党になったから実行する」のではなく「与党になったからやめる」とは…聞いたことのない論法だ▼これきり、「身を切る改革」の看板は下ろすといい。自分たちの言動はポーズでしかないとあからさまに示したのだから「理念より利益・改革より保身」と堂々と言えばよい。