令和8年06月13日付

 東日本大震災で被災し、平成28年の台風10号でも洪水犠牲者が出るなど、幾度も自然災害の打撃を受けてきた岩泉町。訪れるたび、確かに災害の不安が大きい地域だと感じる▼まず沿岸部の川沿いに、再建された住宅が立ち並ぶ。津波の遡上や大雨時の氾濫を踏まえると、再びの被災も懸念されるエリアだ▼ではこの地域の人はどこへ逃げるのかと調べると、近隣の指定緊急避難場所の多くも川のそばの低地部にあるのだ。護岸工事が進んだとはいえ、避難途中での危険発生も考えうる▼三鉄小本駅に併設される小本津波防災センターもやはり川の近くにあり、周辺は津波被害を受けている。はたから見る限り防災拠点としては不安を覚えざるをえない立地だ▼同センターは洪水や土砂災害、高潮の指定避難所であるものの、津波時の指定からは外れる。小本小・中も緊急避難場所だが、津波の避難は校舎2階以上のみ。こうした〝使い分け〟を全部把握するのは住民でも容易ではあるまい▼町にも事情はあろうが、初めて訪れた人には逃げにくい・不親切な設計だというのが率直な感想である▼だがそれだけに、わがまちを翻って見つめる大切さにも気づく▼大船渡市では津波想定時の避難指示対象区域が見直されたが、住民も、来訪者も逃げやすい仕組みになっているかという観点は引き続き持ち続けるべきだろう。