令和8年09月12日付

 内閣官房は内閣広報室の経費として来年度、72億円の予算を要求するという▼7億円が盛り込まれた今年度予算にも驚いたが、それがさらに10倍超。異常な膨れ上がり方である▼重要政策の国内発信に65億円、認知戦対策のための海外発信に5億円を充てるとするも、特に国内発信に関しては行き過ぎた金額だと批判が集まる▼木原官房長官は「効果的に情報を伝えるため、多彩な動画を制作・発信する体制を強化し、直接発信の機会を増やしたい」と説明したが、メディアの監視がない動画での伝達は一方的になる危険があり、国民が「プロパガンダになりかねない」という危機感を持つのは当然だ▼高市首相がもっと国会に出て記者会見でも答えていれば、大幅に減らせる経費だと感じざるをえない。過去の首相は少なくとも国会で答弁し、会見に応じることで政策やビジョンを共有してきた。高市首相は、国会出席日数も記者会見の回数も歴代首相と比べて圧倒的に少ない▼日常的な「ぶら下がり」もほぼせず、会見を開いても短時間。幹事社にしか質問させない、質問内容を事前に提出させる、更問い(回答に対しさらに補足で質問すること)を禁止するなど縛りも多い。内閣記者会が会見回数増や質問制限をやめるよう申し入れたが改善はないようだ▼その状態で広報費を10倍にと言われても、納得しかねる。