令和8年07月26日付

 きょう7月26日は「幽霊の日」だそう▼203年前、江戸で歌舞伎狂言『東海道四谷怪談』が初演された日、らしい▼これに『番町皿屋敷』『牡丹灯籠』を加え、日本三大怪談と呼ばれる。自分の子ども時代は、これら古典的怪談の映像作品や落語の納涼高座などがテレビで放送されていた記憶がなんとなくとある▼学校の図書室でもこうした怪談話の本は人気があった。あらすじはぼんやりとしか思い出せずとも、お岩さんのただれた顔や、お菊が「一枚、二枚…」と皿を数える場面は忘れがたい▼ただ、近頃のお子さんには全然メジャーではないようだ。『忠臣蔵』を知らない人が多いのと同じで、時代がかった作品は敬遠されるというか、目にする機会もないのだろう▼最近だと都市伝説に基づく怪談や「モキュメンタリー」と呼ばれるドキュメンタリー形式のホラーに人気があり、それはそれで面白い。ただ現代劇に偏ってしまうのと、映像化された時に半端なCGが多用されていたりするのとで、味気無さやしらけを感じてしまうことがままある▼そこへいくと江戸から続く納涼芝居を受け継いだ「時代劇ホラー」には、怖さ以上の味がある。人の業の恐ろしさ、おどろおどろしさと紙一重の美しさ、もの悲しさ―。小林正樹監督の『怪談』のように、妖艶で美しき日本の怪談映画も、また見てみたいものだ。