令和8年08月25日付
米トランプ政権が日本に対し、生ジャガイモの輸入解禁を強く求めている▼しかしこれには、ジャガイモをはじめ、ナス、トマトなどの畑に壊滅的な被害をもたらす病害虫・シストセンチュウが持ち込まれるリスクが大きく、JAや生産者らは危機感を募らせている▼土壌に含まれるこの線虫は鳥獣や人の足に付いて運ばれ、雨水や風でも容易に拡散。一度侵入すると被害は急速に拡大し、根絶は不可能とされる▼このため本邦のジャガイモ生産は、種いもの植え付けから栽培、収穫、貯蔵と、すべての段階で防疫が徹底されてきた▼ポテトチップス加工用に限っては米国産も入っているが、土壌が輸入船舶から漏れ出ないよう港湾内で洗浄・加工される。シストセンチュウ自体は国内に皆無ではないものの、日本は栽培と流通を厳格な管理下に置くことで、長く封じ込めに成功してきたのだ▼輸入解禁によってその態勢が維持できなくなると、農地が病害虫に侵され、農家を再起不能にしかねない▼そもそもジャガイモは国内自給率が高い作物。輸入で安くなれば消費者は助かるが、長期的にはさらなる農業の衰退と食料自給率の低下を招く。農家のみならず、私たち国民に直接関わる問題なのだ▼今までの努力を水泡に帰してまで、米国の一方的な要求に応じ、わが国の農業と食料安全保障を差し出すべきではない。






