令和8年03月27日付

 現役の自衛隊士官が武装して中国大使館に侵入という重大かつ深刻な事件が公知されて24時間以上経過した段階で、政府高官の反応は官房長官の「遺憾の意」のみ。あぜんとする▼将来、国防を担う幹部となるはずだった若者による犯行だ。なのに2日たっても最高指揮官たる首相は談話も出さず、所轄の防衛相はこの件に触れようともしない▼すると国民も「それだけささいな話ということだろう」と問題を軽視してしまうが、立場を変えて考えれば事態の大きさが分かるのではないか▼北京の日本大使館を人民解放軍が襲撃、となったら蜂の巣をつついたような騒ぎとなろう。速やかな政府の発表、謝罪、軍幹部の辞任を最低限求めるはずだ▼わが国が「遺憾(残念)。再発防止含め対応」で済ませれば、同じことをされてももはや文句は言えない▼それに、「何か起きてもことの重大さを認識せず対処もおざなり。大使館を置くのははばかれる国」と他国にもみなされ、信頼を失う。対中国に限った話ではないのだ▼「口を閉ざしていれば問題を矮小化できる・なかったことにできる」で、ごまかそうとし続ける限り、火種は消えない▼国民を守るために国際問題への発展は避けねばと思うのなら、どんなに言いたくなかろうと「許されないこと。まずはおわびし究明に尽くす」と言うのがトップではないのか。