令和7年12月30日付
正月恒例の箱根駅伝。5年に1回だった記念大会を、令和10年から4年に1回へ変更するという▼もともと記念大会の出場枠は23校と、通常の20校より多かったが、さらに3枠追加して26校に。前年の予選会にも全国から参加可となる▼箱根駅伝は関東学連が主催するいわば関東ローカルの大会。しかし世界に羽ばたく選手も輩出されており、人気は全国区だ。長距離走者にとっての箱根は、野球人にとっての甲子園のような存在になっていると言えよう▼今回の決定は大会の完全全国化を目指す布石とも思える。ただ、有力選手が関東以外の大学を進路として選ぶことがありえるか、地方の学生にとって本当に箱根が現実的な目標になりうるか等、現時点でも想定される課題は多い▼以前、出場校数を増やして実施された大会では、上位と下位で大差が付いてしまい、運営にも支障があったと聞く。常連・強豪校と、地方大学との実力差を埋めていくには長い年月を要するだろう▼一方で、地元進学を選ばざるをえなかった選手や、高校時代は無名だった選手に可能性が広がることは間違いない。修学年数に合わせた4年ごとの開催なら、在学中に必ず1回は機会が巡ってくることにもなる▼全国の大学が切磋琢磨できる環境が整えば、日本陸上界にも好影響を与えることは必至だ。壁は高そうだが、期待したい。






