令和8年04月21日付

 第13回目となる「星新一賞」の受賞4作品のうち、2作品がAIに大半を書かせた小説、1作品がAIに設定の一部を生成させたものだったという▼不正ではない。同文学賞は13年前の創設時からAIによる創作の応募を認めている。ただ、いよいよここまで来たか…と、名状しがたい気持ちになったのも確かだ▼「人間以外(人工知能等)の作品も受け付けます」─これほど星新一のショートショートに書かれそうな一文が、実際に星新一賞の応募規定だと知った時は面白く思った。現実がSFに追いつく─いつか見た〝近未来〟が本当にやってくるのだと▼一方、こんなにすぐAIに取って代わられるとは思っていなかったことも素直に認める▼審査はAIが使われたかどうか伏せて行われるが、ふたを開けたら4分の3がそうだったと知った審査員は、かなりショックだったようだ。それはそうだろう▼AIはあくまで補助的なもの、結局は人が書いてこそ面白くなる…と信じていればいるほど、〝見破れなかった〟ショックは大きい。まして審査員も物書きなのだ。人の優位性を脅かされる恐怖を味わったはず▼それにしても、この展開がまさしく星新一的であるという皮肉よ!事実は小説より奇なり、だ▼─と、こんな凡百な表現しかできない自分も嫌になる。AIだったらこういう時、なんて書くのだろう?