令和8年07月24日付

 文科省は、小中学校の情報・技術系授業を増やしてAIやアルゴリズムを教え、その分、国語や算数・数学を一定割合で減らす方針を示している▼生きるのに最低限必要な経済・社会の知識を理解するのにも、論理的な思考能力を養うのにも欠かせない算数はもちろん、国語を減らすなど悪手でしかない▼掛け算や割り算が満足にできなければ関数は使えない。文法、慣用句、婉曲表現を知らないと文脈を正確に読み取れない。AIやアルゴリズムも本来、学力という「下地」なしで使いこなせるものではないのだ▼国語は全教科の基礎だ。問題文を正しく読むにも読解力が必要で、この力なくして学力向上はかなわない▼何より「思考を表現する言葉」が身につかないと思考の幅が狭まる。腹が立ったりモヤモヤした時、その根底にある感情が何か─嫉妬?義憤?無理解に対する落胆?それとも不安?悲嘆?と、言葉で理解・表現できずにすべて「ムカつく」で処理してしまうと、思考はそこで停止する▼「その思考だって面倒な計算だって全部AIにやらせればいい」となれば、やがて自分では何も考えられない・見極められない人ばかりになる▼今の政府の教育方針を見ると「子どもにこんな力をつけさせたい」ではなく、「未来の納税者の思考力を衰えさせたい」という方向へ向かっているようで怖いのだ。