令和8年02月27日付

 「愛子にも戦争の記憶と平和の尊さを引き継ぐ役割を」「愛子にも、これからも被災地の人々に心を寄せていってもらいたい」▼天皇陛下がお誕生日に寄せて繰り返し語られたお言葉に、切なるお心が感じ取れた▼上皇上皇后両陛下は在位中、雲仙・普賢岳噴火に始まり、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震といった大災害の折には必ず現地へ足を運ばれ、被災者を見舞われてきた▼避難所ではひざをつき、目線を合わせ、国民の苦しみに寄り添おうとなさってきた▼そんなお姿をお近くで見てこられた天皇皇后両陛下もこれにならい、被災地慰問を国際親善と並んでとても大切にしておられる▼継承されてきたのは血だけではなく、思い。皇室のあり方だ。そして今、一番おそばでご両親に接してこられた愛子さまも、その体現者として努められている▼現在、首相が前のめりに進めようとする皇室典範の改正は、旧宮家の復活―つまり78年前に皇籍を離れた一般家庭の男性を養子に迎え、皇位継承権を与えるというもの。直系長子たる愛子さまを、女性だからという理由で最初から完全に排除している▼苦難にある民の傍らに添おうとする心、いわば一つの帝王学に接していない民間人が男系男子だからといって皇位に就いたところで、国民が日本の「象徴」と仰ぎ見るものだろうか。そこが大いに疑問だ。