令和8年05月01日付

 イスラエルと米国が突如イラン攻撃を始めてから、きょうで60日だ▼米連邦議会は大統領権限を制約するため、「軍事行動が60日以上継続される場合、議会の承認が必要」とする戦争権限法を定めている▼けれどトランプ政権は、憲法2条にある「大統領が最高司令官」を根拠に、承認なしの行動を正当化するばかり。「軍撤退のため、さらに30日の猶予を認める」という法の抜け穴も利用する▼米議会の公式な宣戦布告なきまま、大統領が強大な軍事権限を行使し泥沼化した過去が、同国にはすでにある。ベトナム戦争だ▼同法は、10年以上続いたあの戦争の反省から制定されたものである。権力が暴走すると国益を損ない、無辜の命が失われる一方だと▼今回の場合、失われるであろう国益や人命は他国のほうが甚大だ。ホルムズ海峡の海上封鎖(なぜか米国が〝どの面下げてか〟それをしているわけだが)によって割を食うのはアジアなのだ▼米国内では燃料の価格が高騰し、大統領の支持率は低下。ただしかの国はまだ「ガソリンが高くなった」と不平を言うだけで済むところがある▼ところがアジアではそうはいかない。石油連産品が手に入らなければ、文字通り人が死ぬ▼トランプ氏は同盟国の日本や韓国が困窮しても「知らない。自分たちで解決しろ」というだけ。そんなトップにおもねってどうする?