令和8年10月08日付

 大船渡市老人クラブ連合会の親睦交流大運動会に伺った際、市老連の大坂英機会長が開会式のあいさつでこんなエピソードを紹介していた▼昨年の同運動会で会長が「保管していた玉入れの玉がカビたので処分した」と話したところ、赤崎町の女性有志が「それは困っているだろう。私たちで作って贈りましょう」と気をきかせ、生地や中に詰める麦ガラを準備し、1年がかりで数十個用意してくれたのだという▼ところが同運動会ではここ最近、昔ながらの玉入れの玉を使っていない。重さがある玉だと容易に入ってしまうからと、軽いボールを使用することで競技性を高めているのだ▼そのため、せっかく作った玉が使われないと知った有志らをがっかりさせてしまい、申し訳なかった―大坂会長はそう詫びた▼確かに、厚意が無駄になりさぞ落胆されたことと思う▼しかしこの話を聞いてまず感じたのは、敬服の念だった。気仙地域の人たちの「他者のために何かしよう」という気持ちの強さは、やはりすごいなあと▼最近では大船渡市大規模林野火災の時につくづく感じたが、誰かが困っているとなった時に、それを支えようとする人の多さ、行動に移す速さが、気仙の住民はずば抜けていると思うのだ▼〝おせっかい〟とみなされることもあろうが、それは実に尊敬すべき、大切にしたい地域性だと感服する。