令和8年08月29日付
最近の政府が言う「国を守る」とか「強い国・豊かな国」という言葉に、〝軍備が充実した〟以外の意味は含まれるのだろうか▼わが国の本年度の防衛費は史上初めて9兆円を突破した。大半は武器購入や装備増産体制の強化に使われる▼一方で防災庁設置関連の費用はまだ200億円程度。地方自治体が実施する洪水・崖崩れ対策といった防災強化事業への、国交省からの配分は46億円にとどまる▼熊本地震発生から1カ月。酷暑の中、八代市では約4400世帯の水道復旧が今も見通せない▼茨城では震度5弱の地震が発生。千葉に続き北陸も大雨被害を受けた▼わが国は災害大国なのだ。戦争より、自然災害が毎年起きる可能性のほうが断然高い▼なら、熊本への長射程ミサイル配備より先に着手すべきは、全国の避難所へのエアコン設置推進や、発災後すぐベッドとテントが用意されるような仕組み作りではないのか▼日頃から整備・点検が行き届き、災害時に強いインフラ。倒壊しない建物。十分な備蓄。高い食料自給率。生活再建の充実した施策。被災しても必ず助けてもらえる安心感―。国の強さ・豊かさはそうした面にこそ現れると思うのだが、違うのか▼国民負担率が約5割に上るわが国で、万が一の時に守ってもらえないのではやるせない。〝国防〟というなら、災害対応の充実が最優先だろう。






