令和7年12月21日付

 小欄で何度か遺品整理に関する与太話を書いたところ「うちも同じく途方に暮れているところ」とか「続きを楽しみにしている」と声をかけていただくことがあり、調子に乗ってまた続編を▼以前、あとからあとから湧いて出る異様な数の寝具について愚痴ったが、他にも〝大量出土〟するものがある。風呂敷と、升である▼昭和の風習か。とにかく昔は何かにつけて風呂敷と升を贈り合っていたとみえる▼風呂敷は快気祝いとか叙勲祝いと書かれたきり箱に収められ、大抵は一度も使われた形跡がない▼升のほうは、5勺~1合程度のものが50個ぐらい出てきた。こちらも結婚記念や企業の○十周年といった時に作られ、配られたようである▼升ほどではないが、朱塗りの杯も10枚ほど見つかった。「寿」の文字入りのプラスチック製で、毎年の敬老会に地区公民館から贈られていたらしい▼風呂敷については、きり箱入りなくらいだから化繊や綿ではなく、ちりめんの良い品である。何かに活用できたらいいが、手土産を風呂敷に包んで持参するような機会もなく、ほっかむりにするぐらいしか使い道がない▼升に至っては、いくら酒飲みといえど完全に持て余すより他ない。積み木にでもするか?…いや、してどうする▼こちらも材はヒノキだし、解体して再び貼り合わせヒノキ風呂にでもできたらいいのに。