令和7年10月17日付

 自民党が日本維新の会と連立へ向けて急接近。そのうえNHK党と参院会派まで結成した▼支持者はこれをどう捉えているのだろう。はた目には「自転車操業」「貧すれば鈍する」と見えるのだが…▼衆議院の議席は自民が196、維新35で、過半数の233まで残り4。参議院は自民101に維新19、N党1で、過半数まで残り4。あとは小数議席の党でも取り込めれば、確かに数字上は「なんとかなる」▼それにしてもだ。下野しないためにはなりふり構っていられないとはいえ、目の前の数合わせのために自民は相当大きなリスクを背負ったのではないか▼保守系議員が多い維新との親和性は高い。ただ、当座の国会運営のためだけの取り合わせにならないか。選挙では双方メリットが薄い▼何より、維新と組めば公明党との関係修復はもはや望めまい。無論、それでいいとの判断にしろだ▼N党の場合、脅迫、暴行、威力業務妨害等の有罪判決・裁判記録があるなど、党関係者に反社会的行為が目立つ。自民に加勢してもらう代償は高くつく気がしてならない▼当然、相手がこれほどもろい状態になってさえまとまりきれず、最後の一突きもできぬ野党が一番情けないわけだが…▼自民が、いや国政が、何かよく分からぬものに変貌していってしまいそうな予感がする。この混乱に早く終止符が打たれてほしい。