令和7年09月15日付
切り干し大根を水で戻した時の汁をうっかり捨ててしまい、思わず「あっ!」と大声が出た▼戻し汁はほんのり甘く、うま味も含まれている。あとでみそ汁か炊き込みご飯に使うつもりだったのだ▼無精でおおざっぱだから、日常の食事作りではまずだしをとらない。顆粒だしやめんつゆに頼り切りである▼けれど切り干し大根なんて「水で戻す」という必要な作業をした結果〝だし〟がとれるのだから、使わない手はない▼野菜の栄養素は下ごしらえの際に結構、水やお湯に溶け出してしまうのがもったいないと常々思っていた▼しかし雑誌で「小松菜をゆでたあとの汁はうま味たっぷりでおいしい。私はゆで汁ごと楽しむ」という料理研究家の話を読みマネしたところ、確かに滋味あふれる味わいだった▼お湯は150㍉㍑程度と少量。塩はやや濃い目。小松菜は茎と葉に分けて二つに切り、最初に茎を入れる。15秒ほどしたら葉を入れ、計30秒で加熱はおしまいだ▼あとは冷めるまで放置。余熱で十分火が通る。塩でしっかり味もつくから、そのままおひたしになる▼ほうれん草だとシュウ酸が怖いけれど、小松菜は最近もっぱらこのゆで方だ。簡単で無駄がない▼特に飲み過ぎた翌日などはてきめんにおいしい。酒で荒れた体を野菜の汁で帳消しにできるような…まあ、そんな都合のいい話はないのであるが…。