令和8年05月02日付
先日催された昭和100年記念式典では、天皇陛下がお言葉を述べられる場面が設けられていなかった▼その異質さに仰天した。明治100年式典でも昭和天皇のお言葉があった。首相ら三権の長のあいさつには時間を割きながら、主賓たる今上の陛下を観覧の立場にとどめて何も語らせないなど、排除の意図でもなければありえない▼宮内庁によると、天皇陛下のお言葉は政府の意向で式次第から省かれたといい、陛下が「過去の歴史から謙虚に学び、深い反省とともに平和を守るために必要なことを考え、将来へとつなげる努力を続けることが大切」との思いをお持ちだったことは式典が終わったあとに発表された▼大方〝これ〟を言わせたくなかったのだと察する。昭和天皇の薫陶を受けられた陛下に、「日帝時代の反省が必要」などとおっしゃられては困るのだと▼そう腹を探られても仕方あるまい。何せ過去に「戦争の反省なんかしない」とのたまった首相だ▼愛国保守をうたう自民による、皇室軽視と不敬は到底看過できない▼「元号」にまつわる行事で陛下に発言機会を与えないなど、以前の自民なら考えさえしなかったろう。首相はあいさつの中で、陛下の尊称まで付け忘れていた。あるまじき変節だ▼語れなかった言葉を報道発表されたことに、陛下のご胸中の危機感を読み取れぬ愛国者はいまい。






