令和8年05月09日付

 痛手の〝ダブルコンボ〟である。政権が「薬局でも買えるようなOTC類似薬は徐々に保険適用外にしていく方針」と決めてしまった直後、その「薬局で買えるような」薬が値上げとなる。それも一気に1・5倍近くだ▼第一三共ヘルスケアが6月出荷分から、市販の胃腸薬や塗るタイプの痛みどめ等の医薬品、保湿ミルクといった医薬部外品を最大約40%値上げすると発表した。6月下旬からはかぜ薬の容量と価格を変更、つまり実質値上げに踏み切るという▼これは始まりに過ぎない…というよりも、すでに〝始まって〟いた値上げの波が、ここへ来て急激に大きくなったに過ぎない▼同社の場合だけ見ても、価格改定は昨年度以降、これで5回目だ。40%の上昇は衝撃だが、それでもここで「天井」とはなるまい。また、他社もどんどんこれに続くはずだ▼戦争によるエネルギー費用増と、それに伴う原材料や包装資材不足には終わりが見えない。インフレへと向かうスピードは加速し続けている。価格が倍になる、ぐらいまではあっという間に違いない▼「病院で処方される薬を高くします。できるだけ医者にかからず、市販薬で対応を」と突き放されるやいなや、市販薬自体が購入をためらう価格となる。ちょっとした不調でも、薬は食料や日用品を削らないと求められない〝ぜいたく品〟になっていくのか。