令和8年02月12日付
先月末に八戸へ行ったら、ちょうど冬季国民スポーツ大会の最中であった▼その日はフィギュアスケート・成年男女ショートプログラムが行われており、またとない好機と会場をのぞいてきた。競技を間近で見物するのは初の体験で、テレビ越しに見るのとは全然違う躍動感と迫力に感嘆し通しだった▼訪れたのは競技開始前、男子8人ずつが公開練習中の時間帯。素人のため最初はどの人も同じぐらい上手に感じ、差が分からなかった▼だが本番で使われる楽曲が出場順に2分間ずつかけられ、選手らが曲に合わせて滑り出すと、そこに確かな違いが見えてきた▼心躍るような有名曲なのに、どうにも乗り切れないという演技もあった。音楽だけが浮き上がり、踊りが負けているように見えてしまう▼もちろん練習だから全力ではないのだろうけれど、思わずくぎづけにされるような選手は、音楽と演技に一体感があるのだ。双方が溶け合って感じられるような▼生で見てようやく、ジャンプやスピンなどの技術のみならず、〝表現力〟を求められる理由に納得した。なるほど、高い技術に表現の魅力が加わって初めて、スケートは芸術へ昇華するのかと▼先日の冬季五輪フィギュア団体で日本は、金色に限りなく近い銀メダルを獲得した。前述のような鑑賞の妙味を理解してから見たおかげか、感動もひとしおであった。






