令和8年10月09日付

 11日は、大船渡市三陸町越喜来の新山神社、陸前高田市横田町の熊野神社、同市広田町の根岬・鶴樹神社でそれぞれ、式年(例)大祭が挙行される▼大祭と言えば芸能の奉納、つまり地域の郷土芸能や手踊りが欠かせない。16年ぶりの実施となる越喜来では金津流浦浜獅子躍などが、横田と広田ではそれぞれ、迫力満点の「梯子虎舞」の演舞がある▼気仙管内はいずれも人口減と少子高齢化が進み、運営や奉納行事等も地区住民だけでまかないきれず、祭りの規模は縮小傾向にある。だが近年は伝統をつなぐため、地元出身以外の人が芸能の担い手、神輿の担ぎ手として活躍するケースが増えた▼昔は「舞い手は長男のみ」とされている芸があったり、同じ市内でも地区外の人が参加することなどはほとんどなかったが、今はその芸能や祭りに関心を寄せる人、意欲ある人を積極的に迎え入れる地域がいくつもある▼先日、県外からの移住者で、ある芸能保存会のメンバーにもなっている知人と会った。転職に伴って気仙管外へ出ることになったと聞き残念に思ったのだが、保存会の活動は続けると断言してくれて、ありがたかった▼震災後は特に「交流人口・関係人口」―そこに暮らしていなくても地域を愛してくれる人―という概念が定着した。地域の伝統と活力も、そうした人たちの力を借りながら守られている。