令和7年12月13日付

 先日に続き、12日昼に再び津波注意報と避難指示が出された▼当然、海沿いで用を足していた住民も、営業中の施設も多かった。そこから避難しない(できなかった)人もいたようだ▼県外から来た人に以前、「これは強制なのか。逃げるのは面倒」と言われたことがある▼避難指示に法的強制力や罰則はなく、逃げないという人を引きずっていくことは確かにできない▼注意報ぐらいで仕事を中断したくない、とも聞く。注意報で来る津波なんて、陸地に被害がないものばかりではないか、と▼企業としても悩みどころだとは思う。指示がいつ解除されるか分からない中、業務遂行をあきらめ、店舗ならその日の売り上げを捨てねばならないのだから▼他社の判断にどうこうは言えない。あくまで小社の場合だが、もし社屋が沿岸部にあったなら、必ずや社員らを率先避難させる▼それは人々に避難を呼びかける側としての社会的責任、何より「未来への責任」と考えるからだ▼一度でも〝これぐらいしなくてもいい〟を許せば、そこから防災意識はなし崩しに薄れていく。絶対そうなる。〝これぐらい〟の判断はどんどん甘くなり、そして―きっと再び悔やむ日が来る▼いま被害に遭うか否かというより、あの後悔を未来で繰り返さないため、何度むだ足を踏もうと、意識は高いまま保ち続けていかねばと思うのだ。