令和8年05月23日付
家で見つけた古いアルバムに、祖父が庭でたき火をしている写真があった▼「そうそう、昔はよくこうして焼きいもを作ってもらったな…」と懐かしい思い出にひたる一方、当時はなんと無警戒だったのだろうとも思った▼ダイオキシン問題で平成初頭には消えたが、かつては学校ごとに焼却炉があって校内のゴミを燃やしていたし、「たき火だたき火だ落ち葉たき」と歌われる通り、家庭でも枯れ葉などの処分のため気軽に火を使っていた。たばこのポイ捨てもよく見られた▼法律で野焼きが原則禁止されてからも、昭和時代の感覚は長い間くすぶり続けてきた。「言っても言ってもうちの年寄りは庭でゴミを燃やす」「たばこの火の始末が甘い」といったぐちを聞いたのも1人、2人からではない▼「何十年と同じようにしてきたけど、自分は一度も失火なんかしてないから」―そう過信するのはもうよさねば▼全国的に、山火事の約7割は1~5月に起きている。だが雨がちな6、7月に火事がないわけではない。ここ5年間の平均を見ると、9月よりも梅雨の時期の発生のほうが多いぐらいだ▼何のために「林野火災注意報・警報」の運用が始まったのだったか。何のためにくどいほど丁寧な呼びかけが行われているのか。昨年の大船渡、先ごろの大槌の火災を忘れるにはまだ早かろう。気を引き締め直したい。






