令和8年09月30日付

 先の熊本地震に際し、高市首相は「国ができることは何でもやる」と語った。米国での国連総会では「世界一の防災大国を目指す」と演説した▼折しもこの渡米中、台風25号により千葉でまたも甚大な被害が生じていた。8月の豪雨に続いて死者も出ており、米から戻り次第、当然この演説にも呼応した、被災者を励ます発信があると期待した▼だが帰国後、首相が真っ先にしたのは、タイでのレセプションについて私的SNS(X)に投稿することだった▼この数時間後に台風の見舞い文もポストされたが、国民が皆、Xを見るわけではない。政府も、首相のXは公文書ではない・公的発言ではないとの見解を示している▼渡米前、防衛相らに対応を指示した以外、具体の救援方針を示す、直接発信するといった動きはなかなか見えない▼被災者援護の基本は都道府県や被災自治体だが、「防災大国を目指す」と国際的にも宣言した一国の首相なのだ。石破前首相の肝いりとはいえ、11月には防災庁発足も控える。会見を開く・現地を視察するなどして「防災大国の名に恥じぬ支援を約束する」と、被災者を安心させる力強いメッセージを発信してはもらえないのか▼国民に声を届ける意識が希薄にしか見えない中、来年度、内閣に関する広報費が計350億円余り要求されている。…何のために?と考えてしまう。