令和8年11月04日付

 だから「輸入解禁などやめてくれ」と言っているのだ。同じように悲惨な未来を、ほぼ確実にわが国もたどることになると▼英国でジャガイモシストセンチュウとジャガイモシロシストセンチュウによる被害が拡大し、同国のジャガイモ生産が「2050年に壊滅」とまで予測されている▼聞けば聞くほど人ごとではない。ジャガイモの生産量が国内の8割近くを占めるスコットランドは、北海道と面積や人口も近く、種イモの生産が盛んな点でも似ている▼しかし欧州各国と同様、15年ほど前からシロシストセンチュウの発生が増大。数年ごとに倍々で増え続けているという▼防疫も駆除もほぼ不可能とされる害虫だから、日本は生イモ輸入を禁じてきたのだ。平成27年に日本で初めてシロシストセンチュウが確認された網走市では、10年たった今も駆除が完了していない。30年前にシストセンチュウが発生したニセコ町では、あらゆる対策が講じられたにもかかわらず、種イモの栽培を断念せざるをえなかった▼種イモがなければ当然、作物自体作れない。そして実際に英国はあと二十余年でそうなりかねないのだ。ジャガイモの輸出国だったのに▼現状、日本国内で自給率の高いイモ類を米国からの輸入に頼らざるをえなくしようというのか。「食料自給率100%を目指す」としながら、それでは真逆をいく。