令和8年01月25日付
経済に疎くても、状況が深刻なことは分かる。選挙騒ぎの裏で、日本経済はかなりまずい段階に来ていると▼政権が「責任ある積極財政」を掲げる一方、市場は冷徹にこれを見ていた。日本は債務残高が先進7カ国で最も多く、経済成長もしていないのに、財源が不透明、あるいは財源を国債とする政策では財政悪化は免れないと▼この懸念が解散総選挙に伴う消費税減税案で噴出。円の信用度が下がり続けている。ポンドが210円超、ユーロは180円超で、スイスフランもついに200円台を突破した▼ゼロ年代、つまり20年以上前と比べ6割前後の暴落だ。同じ100万円が、今や40万円の価値しかなくなったにも等しい▼円建てで資産を持つリスクが可視化されたうえ、財政への信頼が揺らぎ、金融機関や投資家らは日本の長期国債を一斉に手放し始めた▼国債安になれば、買ってもらうために金利は上がる。ずっと上昇が続いていた長期金利だが、もはや見たことのない水準になっている▼金利が上がれば払うべき利子も増える。当然そこにつぎこまれるのは血税だ▼現状のままではさらなる物価高、インフレも招くだろう。「政策金利を上げれば円高」というかつてのセオリーも通じなくなるほど、日本に対する信頼は低下しているのだ。財政支出だけでは信用は取り戻せない。この危機感を共有したい。






