令和7年1月15日付

 首相が衆院解散に踏み切るそうだが、なぜ今?という理由が一向に見えない▼1~3月に総選挙が行われることはまれで、平成2(1990)年の海部政権以来となる。この80年間でも3例程度しか見つけられない▼どうして少ないのか。次年度の予算成立が大幅にずれ込むのは必至で、国民生活に影響が出るからだ▼よほどの理由がない限り一番重要な仕事を投げ出してまで解散などすべきではないという常識、国民に対する責任感を、かつては政治家も持っていたからだ▼そもそも衆院の解散自体が「大きな政治的決断」抜きに行われてはならないのだ。憲法に定められた任期の満了を待たず、内閣が一方的に衆院議員をクビにするのだから▼海部政権の時は「消費税解散」であり、〝問うべき民意〟もあった。だが近年、特に今回はどうか。〝今なら勝てる〟という「自己都合解散」になってないか▼予算編成が遅れ、暫定予算で回すことになれば、物価高対策などままならず、「政策最優先」と繰り返してきた首相発言との整合性もとれない▼内閣支持率が高いうちに選挙で勝利し、政権基盤を盤石にしたい狙いなのは承知しているが、なぜ予算成立後ではなく今、それも巨額の税金を投じ、国民を後回しにしてまで解散するのか。その大義ぐらいは示してみせるのがトップとして最低限の誠実さと思うが。