令和8年05月07日付
「『曲録』ってのは、僧侶が座るいすのことではなく、気仙だと別の意味で使うのか?」▼小紙の記事原稿を読んだ家人にそう聞かれて初めて、辞書には「僧侶が法要で使ういす」以外の意味がないことを知った▼曲録(禄とも書く)といえばこのあたりでは、五年祭につきものの芸能だ。大名行列を模したもので、連休中に挙行された大船渡市盛町と住田町世田米の式年大祭にも繰り出していた▼しかし調べてみると、どうも当地以外に同様の呼称を用いている地域はないらしい▼大船渡市史によると、元々は神馬の背に乗せた神座を曲録と呼んでいたという。行列の最後、あでやかな装飾を施された馬が引かれていくが、あの馬の座の部分のみを指していたようだ▼それが転じ、大名行列にならった芸能を曲録というようになったのだろうが、ここからは地域によって、また人によって解釈に違いがあることに気付いた▼大名行列の全体を曲録と呼ぶパターンと、行列とは別に、毛槍や挟箱などを投げ合って受け渡すパフォーマンス+神馬を曲録とするパターンが見受けられるのだ▼私は完全に後者の解釈をしていたが、小紙の過去記事を見ると記者によっても微妙に書き方が違う▼取材した相手の捉え方をそのまま反映しているからだと思うが、厳密に定義できぬものかどうか、今さらながら気になり始めている。






