令和8年01月20日付

 電話をかけてきた相手が無言だったら「もしもし、もしもし?」と何度か呼びかけるのは普通だろう▼そのうえ「聞こえていますか」「どちらさまです」とさらに問いかけることだってあるはずだ。そんなよくあるやりとりが、もしかしたら家族を詐欺の危険にさらすかもしれないだなんて思いもせずに▼米・連邦取引委員会(FTC)が警告している。米国では最近、無言電話をかけて相手に何かをしゃべらせたあと切断し、その録音からAIで同じ声を再現して、家族に「オレオレ詐欺」を仕掛ける手口が増えていると▼近い未来、日本でも同じような犯行が広がる可能性は高い。実害は未確認だが、「+1」という米国の国番号や、モントセラトの地域番号「664」から始まる電話からかかってきたという報告が散見される▼声が違っていても顔が見えない状態で話すとだまされるケースがあるというのに、これが本人の声そのものとあっては歯が立たない▼少し前までAI音声には「しょせんAIだな」という不自然さがあったが、最近の音声モデルはものの数秒で自分の声を再現できるようになり、本物との区別がつきにくくなっている▼知らない番号、特に国際電話など、普段見かけない数列の番号には出ない・家族間にしか通じない秘密の質問や合言葉を用意する──などの対策が必要になりそうだ。