令和8年05月08日付
5月2日に「八十八夜」を、5日に二十四節気の一つ「立夏」を迎え、まさしく「夏も近づく…♪」という感じである。日本茶の名産地では茶摘みの季節に入った▼近年、海外で〝抹茶ブーム〟が起き、抹茶を含む緑茶の輸出量は昨年、過去最高となる約720億円に。おととしの364億円と比べても急激に需要が増えている▼茶業界としては、日本茶の再興のためにもさらなるブランディングや生産体制の強化に乗り出したいところだろう▼他方、フランスを筆頭に欧米では抹茶価格が沸騰。中東の富裕層にも人気があり、茶市場は数十億人規模で奪い合いの状態だという。その流れから今度はほうじ茶までも品薄となり、京都の老舗ではほうじ茶の購入制限を設けねばならなくなった▼「抹茶が高くなってきていて」という話は茶道をする方からも聞こえていた。バター、小麦、チョコなどを使う菓子類は全般に値上がりしているが、抹茶味のスイーツなどはさらに高価だと感じる▼そのうえ、原油危機による燃料高騰は茶業界にも影を落とす。茶葉の加工のうち、蒸す・もむ・乾燥させるという各工程には重油が欠かせず、包装資材に使われる石油由来のナフサも不足しているからだ▼緑茶にほうじ茶。庶民が日常的に飲んでいたお茶を日本の人々ほど買えなくなる状況が、すぐそこまで来ているのかもしれない。






